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月の満ち欠けに時の流れを感じながら、皆でそれぞれの持ち時間を楽しく意味あるものにしていきたい。

童謡の中に広がる素敵な世界 まどみちお

2013-02-10 10:25:31 | 日記
 ふと心に浮かぶ童謡の中に、のどかで実にいい詩が眠っている。
「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」「おにぎり ころりん」「ふしぎな ポケット」
 と書いた詩人・まどみちおの詩集「くまさん」を読んだ。
 そこに流れる大らかな空気、とても気持ちのいい世界にひたれる。

 本の感想を書いているブログの「詩を味わう」で、100歳になったまどさんの詩集の紹介をしたことがあるが、「くまさん」も素敵な詩でいっぱいだ。

 漢字を最小限にした、ひらがな中心の平易な詩のなかに溢れる静かな思いが優しく心にとまる。
 
 地球の用事

ビーズつなぎの 手から おちた
赤い ビーズ

指さきから ひざへ
ひざから ざぶとんへ
ざぶとんから たたみへ
ひくい ほうへ
ひくい ほうへと
かけて いって
たたみの すみの こげあなに
はいって とまった
いわれた とおりの 道を
ちゃんと かけて
いわれた とおりの ところへ
ちゃんと 来ました
と いうように
いま あんしんした 顔で
光って いる

ああ こんなに 小さな
ちびちゃんを
ここまで 走らせた
地球の 用事は
なんだったのだろう

 アリくん

アリくん アリくん
きみは だれ
にんげんの ぼくは
さぶろうだけど
アリくん アリくん
きみは だれ

アリくん アリくん
ここは どこ
にんげんで いえば
にっぽんだけど
アリくん アリくん
ここは どこ

紹介しはじめると、どこまでも書いてしまいたくなる。
私の好きな吉野弘や谷川俊太郎の詩に共通する、他者を感じとるこころのやわらかさに溢れた詩だ。
今、一番年長の孫が小学2年生になったが、もうこの詩をいっしょに楽しめるだろうか。
こんど、一緒に読んでみよう!

アッ、もう一つだけ!「もうすんだとすれば これからなのだ」から始まる「もうすんだとすれば」という詩の最後だけ

おくびょう者ほど 勇ましいのだ
利口にかぎって バカなのだ
生まれてくることは 死んでいくことだ
なんでもないことが 大変なことなのだ

この最後の1行が本当にそうだと同感!!!!
今日の平凡で平穏な一日に感謝しながら。




コメント
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