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Hanshin Tigers Series 2024

対決!井川vs今岡(紅白戦|22日・安芸)

2006-02-23 22:50:12 | Aki Camp
 昨年は<紅白戦>に一度も登板しなかった「エース」井川慶。それだけ調整が遅れていたのだが、今年は違う。白組の先発=開幕投手を務め、先頭の藤本敦士に初球139㎞、2球目142㎞、3球目のインコース速球で藤本のバットをへし折り、セカンドゴロ。観衆(4,000人)から「おおっ」どよめきが起きていた。
 2番・上坂太一郎の初球には一転チェンジアップ(114㎞)。打席の上坂は(思わず)苦笑いを浮かべる。2球目も抜かれ(101㎞)レフトフライ。
 3番シェーン・スペンサーには速球(140㎞)で内角を突き、スペンサーも苦笑い。2球目で抜いて(120㎞)、3球目もチェンジアップ(121㎞)。最後は外角に速球(141㎞)をズバッと決めて、見逃し三振! 

【1回裏】紅組の先発は右のエース候補「最右翼」安藤優也。初球(138㎞)1番・鳥谷敬に狙われ、打球はレフトフェンス・オヴァー! 鳥谷の先頭打者ホームランで白組が先制。岡田彰布監督の「狙い」的中。これがシーズン中に何度、観られるか? 
 気を取り直して、安藤。2番・赤星憲広には「2-3」にするが、同じ138㎞を打たせて、サードゴロ。3番アンディー・シーツには「2-1」からスライダー(126㎞)で見逃し三振! 4番・浜中治にはシュート(131㎞)で詰まらせ、ライトフライ。

【2回表】井川、4番に座った期待の若手、林威助との対決。初球の入りはチェンジアップ(111キロ)。3球目の速球(142㎞)でファウルを打たせ、5球目の速球(141㎞)でショートゴロ。貫禄の違いを見せる。
 そして、この日の愁眉=5番・今岡誠との対決! 初球(142㎞)力んで、2球目(115㎞)もお辞儀して、「0-2」。しかし、ここからが、この対決の真骨頂。3球目(136㎞)でファウルを打たせ、4球目に145㎞!! 空振り! 5球目も145㎞でファウル! 力と力の対決、野球の醍醐味を見せてくれる両雄。苦笑いを浮かべているのは、マウンド上の井川だ。
 6球目(142㎞)もファウル! その瞬間、思わず「あっ!」と声を上げる井川。勝負に行った球が高めに上ずったことを後悔しているか? この勝負を楽しんでいる井川。シーズンに入っても、こんな井川が観られるか? 7球目(142㎞)も(ライナーで)ファウル! 8球目で抜いて(123㎞)最後は143㎞! これを弾き返した今岡だったが、レフトフライ。シーズン中には見られない≪好勝負≫に酔いしれる。
 
【2回裏】一方、安藤は先頭の5番・片岡篤史に右中間を破られ、ノーアウト2塁。6番・関本健太郎にも粘っこくライト前に持っていかれ、7番・浅井良をゲッツーに打ち取るが、片岡が生還し、「2対0」。

【3回裏】紅組の2番手は5年目の左腕・中林佑輔。未だ1軍未登板。このマウンドで手掛かり、足掛かりを掴みたいところだ。先頭の岡崎太一にヒット性の当たりを浴びるが、セカンド藤本の好守に救われ、1アウト。しかし「絶好調」鳥谷を「1-3」から歩かせ、1アウト1塁。
 2番・赤星には「2-3」にするが(結局)歩かせ、3番「掃除屋」シーツにレフト線を破られ、走者一掃のツーベースで計「4対0」。直球が130㎞台でコントロールも乏しい。勝負の5年目だが、これでは厳しい……

【4回表】白組は2番手にクローザー久保田智之の調整登板を挟んで、3番手に復活を懸ける左腕・吉野誠。先頭の藤本を「2-1」に追い込んだものの、5球目(127㎞)が甘く入って、左中間に強烈なライナー! これをレフト中村豊が好捕して1アウト。
 続く上坂にも左中間に飛ばされるが、これも中村が走りながら手を伸ばして好捕。「さすが!」。元々はレフトが「本職」だが、レフトには“王様”金本知憲がいるため、ここは絶対に守れない≪聖域≫。これも紅白戦でしか見られないプレー、だ。
 3番スペンサーの打球も計ったようにレフトへ飛び、中村がキャッチ。中村に救われた吉野。ピッチングフォームを2003年モデルに改め、再起を懸けるが、まだその途上、か。しかし、コントロールで苦しむようなピッチングからは脱却できているようだ。

 興味深いピッチャーが続々出てくる。紅組の3番手は4年目の左腕・中村泰広。【5回裏】先頭の喜田剛を(速球で)詰まらせ、レフトフライ。4番・浜中には「2-3」にして、不安を覗かせるが、140㎞の速球を外角低めに決めるベストピッチで空振り三振! 続く左打席の萱島大介もレフトフライに打ち取って、難なくアウト奪取。吉野との競争に持ち込めるか?

【6回表】白組の4番手はこちらも≪復活≫を懸ける太陽。先頭の狩野恵輔を140㎞で詰まらせ、ライトフライ。続く高校生ルーキー前田大和は速球(141㎞)で追い込み、最後はスライダー(126㎞)を打ち上げさせて、ショートフライ。1番・藤本も「2-2」に追い込むが、勝負に行った内角速球(141㎞)を叩かれ、ライト前ヒット。これが1軍レヴェル。
 2番・上坂には「0-2」とカウントを苦しくして、甘く入った速球(140㎞)を叩かれ、センター前にゴロで抜けるヒット!! 2アウト1,3塁。しかし、ここでファームの同僚、途中出場の藤原通を迎え、センターフライ(ライナー)に打ち取り、事なきを得た。≪復活≫は遠いか……?

 紅組の最後の4番手は「背番号62」2年目の右腕・玉置隆。【6回裏】2アウトから(3年目の)庄田隆弘に右中間フェンス直撃のツーベースを浴びるが、移籍の「背番号69」石橋尚到を139㎞で詰まらせ、ショートフライ。
【7回裏】先頭の「絶好調」鳥谷には「1-3」にするが、これも139㎞で詰まらせ、レフトフライ。続く秀太もレフトフライに打ち取り、最後は喜田を「2-1」に追い込んで、得意のフォーク(125㎞)で空振り三振! 
「当然だっ」とでも言いたげな顔でマウンドを降りて来る玉置。このふてぶてしさ、この強気。将来が楽しみでもあり、不安でもある、が。

井川 今年は期待できます!(デイリースポーツ)