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Hanshin Tigers Series 2024

桜井、一撃!(紅白戦|24日・安芸)

2006-02-25 22:57:06 | Aki Camp
 白組の先発は「最多勝」下柳剛。紅組の1番・藤本敦士に初球(121㎞)を狙われ、セカンド関本健太郎への内野安打。続く2番・上坂太一郎の2球目に藤本が走って、ノーアウト2塁。白組のキャッチャー岡崎太一の送球はワンバウンドになって、センターへ抜けていった。
「強肩」が「売り」で自由獲得枠(2004年)で入ってきた選手なのだが、プロに入って、一度もその片鱗すら見せたことが無い。この「自由」は失敗だったか? CS(sky-A)の解説席では、有田修三氏が「ボールに差し込まれている」とキャッチングの課題を指摘されていた。
 動揺したわけではないだろうが、ベテラン下柳。上坂には四球を与え、1,2塁で、3番アンディー・シーツに「0-1」からの2球目(130㎞)を狙われ、レフトスタンドにライナーで叩き込まれる3ランホームラン! 今シーズンの下柳はどうか? と一瞬「不安」になる。

【1回裏】紅組の先発は「新外国人」クリス・オクスプリング。白組の(今日は)1番・赤星憲広に初球は137㎞。球速は凡庸。ピッチングフォームはまとまっていて、日本人のよう。2球目(130㎞)3球目(129㎞)で「0-3」。やはり外国人投手、小柄な赤星(170cm)には投げにくいか? しきりにマウンドを気にしている。
 4球目(133㎞)でファウル。5球目で140㎞が出たが、これを三遊間に流し打たれて、ショート追いついたのは、高校生ルーキーの前田大和! 1塁へ送球して、間一髪アウト!! 走者・赤星を刺した。正直、これが(ショート)鳥谷敬ならセーフ、だっただろう。完全な「俊足」赤星の内野安打パターン、だったのだが。センスのいいルーキー、だ。
 
 オクスプリングは2番・関本に初球(129㎞)2球目(133㎞)シュートを続けて、「1-1」。3球目のスプリッターで空振りを取り、4球目に投じたのは何とカーヴ(116㎞)。これに完全にタイミングを狂わされた関本。空振り三振! 大きなカーヴ(スライダー?)だった。この球は使える。このピッチャーは「いい」。
 3番「絶好調」鳥谷には「1-2」になって、マウンドの土を掘り始めるオクスプリング。その甲斐なく、4球目(134㎞)をジャストミートされ、オクスプリング強襲!! センター前へライナーで抜けるヒット! 現在の鳥谷には「3番」も似合うか? 

【2回裏】5番・片岡篤史には「0-3」。左バッターは苦手か? 4球目(139㎞)で取り返し、5球目でファウルを打たせ、6球目で関本を三振に取ったカーヴ(115㎞)が来るが、これを片岡に引っ叩かれ、セカンド内野安打。やはり「左」が苦手? 
 6番・町田公二郎には「1-2」にして、4球目のスライダー(134㎞)を叩かれ、強烈なライナーで三遊間を抜けるレフト前ヒット! ノーアウト1,2塁。「右」も苦手か? 
 7番「9.7・HERO」中村豊は初球(139㎞)を打ち上げて、キャッチャーファウルフライ。8番「背番号99」筒井壮は痛烈なサードゴロ!! サード今岡誠が正面で捌いて、セカンドに送球。1塁にも転送されて、ダブルプレイ成立。2回無失点のオクスプリングだったが、この時点での評価は難しい……

【3回表】白組の2番手は(かつての右のエース)福原忍。先頭のシーツをサード(片岡)の悪送球で生かすが、4番に入っている林威助を「2-1」に追い込み、スライダー(125㎞)でタイミングを狂わせ、ファウルフライ。
 そして5番・今岡との東洋大学「先輩」「後輩」対決では、初球カーヴ(110㎞)で先輩を苦笑いさせ、2球目(139㎞)を打たせて、ショートゴロ。突っ込んできた鳥谷がこれをお手玉して、1アウト1,2塁。どうして福原が投げている時には、こうしてエラーが頻発するのだろう?
 6番シェーン・スペンサーの初球にはスライダー(127㎞)で空振り。観客席からは溜息……スペンサー(このキャンプの実戦形式で)未だノーヒットが続いている。球審の辛い判定もあって、「2-3」になるが、最後はスライダー(119㎞)を決めて、見逃し三振! キャッチャー岡崎が今度は(1塁ランナー)今岡を刺して、ゲッツー成立。

【3回裏】打席には、その岡崎。紅組の2番手は「右のエース候補」杉山直久。「2-3」にするが、138㎞でレフトフライ。1番・赤星も141㎞でサードゴロに打ち取るが、1塁セーフ! 今度こそ「俊足」を発揮した赤星。サードは2年目の(済美高校出身)高橋勇丞。「きょとん」とした顔をしている。初めてプロの凄さを思い知ったか?
 2番・関本の「2-0」で赤星が走って、1アウト2塁。関本はサードゴロに打ち取るが、3番「絶好調」男を迎える。打席でマウンド上のピッチャーを見据える眼つきに≪風格≫すら漂う鳥谷。警戒したのか、ストレートの四球で歩かせる杉山。
 ここで4番・浜中治が「0-1」からの2球目(139㎞)を流し打って、右中間を深々と破るツーベースヒット! 2者が返って「3対2」。紅組の「4番」林との格差を見せ付ける。

【4回表】(今度は)福原が捉まる。先頭の喜田剛に「0-2」から139㎞が高めに甘く入り、打った瞬間それと判る左中間芝生席に突き刺さるホームラン! 左の喜田の流し打ち。このバッティングが出来れば、喜田にも可能性が拡がる、だろう。
 続く浅井はセカンドライナー。9番・大和は3球三振に封じるが、1番・藤本を「2-1」に追い込みながら、カーヴ(112㎞)にタイミングを合わされ、1,2塁間を突破。2番・上坂には「1-3」から四球を与え、2アウト1,2塁。
 ここで途中出場の藤原通に「1-1」から(またしても)カーヴ(113㎞)を投じて、これを狙い打たれ、レフトフェンスに達するツーベース! 2者が返って「6対2」。心配な福原……先発ローテーション入りも危うし、か?

【5回表】白組の3番手は(中継ぎの柱の一人)橋本健太郎。紅組はスペンサーの代打に(5年目の)桜井広大が登場。2球目(138㎞)をフルスイングした打球はレフト芝生席に弾丸ライナーで突き刺さるホームラン! 太い二の腕に充実した上半身。この力をせめて右の代打要員で使いたいが、今年はチャンスがあるのか?

【5回裏】紅組の3番手には「速球王」牧野塁が登場。1アウト後、1番・赤星の初球に146㎞! 思わず仰け反る赤星。2球目(143㎞)を空振り。3、4球目(144㎞)の後、5球目(146㎞)振り遅れてファウル。6球目(147㎞)が外れて、7球目(146㎞)もファウル。8球目のスライダー(127㎞)で「2-3」にして、8球目(145㎞)ファウル。9球目(143㎞)を叩いた打球は高々と舞い上がり、センターの頭上を越えて、赤星は一気に3塁ベースを陥れる。赤星の粘り勝ち。リードオフマンの真骨頂。
 1アウト3塁のピンチを背負い込む牧野だったが、2番・関本を「2-2」から148㎞(MAX)で空振り三振に仕留め、3番・鳥谷には初球フォーク(128㎞)から入り、2球目で146㎞を見せ、3球目(146㎞)で空振り。4球目(145㎞)の後、5球目は147㎞!! 鳥谷の内角を突いて、見事な空振り三振奪取!
『WBC』出場の藤川球児に「もしも」のことがあれば、この牧野で補える。その可能性を垣間見せてくれた。(オリックス・ブルーウェーヴから移籍3年目)彼も今シーズンこそは1軍で「戦力」になりたいだろう。

 試合は「8対6」で紅組の勝利。紅組の4番手には(4年目の)左腕・田村領平。白組の4番手にはルーキー渡辺亮が登板したが、田村は2回4失点と打ち込まれ、渡辺も1回1失点。田村にはこれが最終テストだったか……1年前の(雨中の紅白戦で打ち込まれた)雪辱は出来なかった。彼に「春」はいつ巡ってくるだろう……? 
 一方、渡辺は唯一人ルーキーで抜擢された意地を見せられるか? オープン戦で「試し」は続くだろう。注目して見ていきたい。