百歳の詩人、柴田トヨさんの2冊目の詩集を読みました。
タイトルは、
『百歳』(飛鳥新社)
最初の詩集『くじけないで』も読みましたが、私はこの『百歳』のほうが好き♪
ある意味同じような内容を想像していたのですが、なんていうか、うまくいえませんが、…進化してる!
百歳になっても人間って学べるし、まだまだ才能が花開くことがあるんですね。
個人的な感想ですが、言葉のはしばしから「百歳」生きて来た人間ならではの「強さ」のようなものを感じました。
奉公先でいじめられて一人で泣いている時に、虫の声に「がんばれ」と励まされた若き日の思い出や、オレオレ詐欺の電話がかかってきたら「知り合いのおまわりさんに行ってもらうから」と告げてとくにかく誰かに相談するとか(苦笑)、実体験や生活の中から生まれた詩が収録されています。
東日本大震災の被災者へ向けた言葉は、百歳という経験を感じさせる、とっても大きくてやさしい心を感じました。
なんていうか、一世紀生きるってスゴイ。
人生の大先輩に学ぶ、というわけでもないのですが、今日はこんな映画もレンタルして来ました。
ガーボル・ロホニ監督の「人生に乾杯!」(2007年)
舞台はハンガリー。
社会体制の激変する時代を生きて来た老夫婦は、少ない年金しかもらえず生活に困窮しています。
ついには思い出のイヤリングまで手放す妻を見た夫は、郵便局に強盗に入ることに…
81歳と70歳夫婦の逃避行!
予告を見てすごく興味をひかれたので借りてきました♪
どんな時でも紳士的(でも銀行強盗)な老人がいいなぁ☆
ジャンルはコメディーなんでしょうが、社会に対する皮肉もいっぱいこめられています。
特に老人に冷たい社会とか、希望のない未来というのは笑えないかも。映画じゃなくて日本の現実がまさにそうですからね…
10月に入って食料品が値上げされ、電気代も原発事故の影響で値上げ、さらに増税。
そのくせ庶民の年金は少なく、給料は上がらない。
アメリカのニューヨークでは金融の中心地ウォール・ストリートでこの一日から大規模なデモが行われているそうです。
一部の企業が富を独占していることに対する不公平感が高まってのことだとか。
仕事を失い、家を失い、何の保障もなく、その日暮らしの人々がいる一方で、経済危機を招いておきながら、高額な報酬を受け取り続ける一部の人々。
日本でも電力会社の体質や、被災者の多くが仮設住宅での暮らしを余儀なくされているこの時期に、立派すぎる公務員宿舎を建設しようとして問題になっていましたね(建設費105億円?)
他人の痛みはなかなかわからないか…難しいですね。
百年後はいったどんな世界になっているのかな?
詩人の柴田トヨさんによれば、「九十九年」はあっという間だったそうですよ(苦笑)
戦争、結婚、出産、貧しい生活。
「百歳のゴールを 胸を張って駆け抜けよう」
あぁ、それにはどんなに苦しくても辛くても、一歩一歩進むしかないんですね。あきらめないで、後戻りしても休んでもいいから、歩き続ける…
百歳はちょっと難しいけれど、胸を張ってゴールしたいなぁ。