今週は1週間みっちり働いた。
雪が降ったり気温も不安定で、粗大ごみ、資源ごみと出遅れてはいけない闘いの日が続いた。
そのため寝不足の日が続いたが早くも週末に近づいた。
帰り際にエンジンを掛け、CDを聞きながら帰ろうとスイッチを入れた。
流れてきた曲に突然胸がきゅんと縮んだ。
娘が大学2年か3年の冬、一緒に厳冬の北海道へ旅行をした。
娘も私もそれぞれ悲しい心を抱えきれくなった頃だった。
職場でも家庭でも行き場が無く、パンク寸前で、格安の真冬に息子の勧めで旅に出た。
札幌から小樽へ列車に乗った。
雪が降る寂しい日本海に沿って荒れた海を何とも無く眺めていたら
娘が耳にイヤホンを入れてくれた。
美しい曲が流れてきて、窓の外の景色とその曲がぴったり合い、暫くぼんやりと聞いていた。
初めて聞いた曲だが娘が教えてくれたSarah Brightman。
曲はtime to say goodbyeという。
その美しい歌声は私の心に入り込み、あの寂しい雪が降り風が吹きすさんでいた日本海の海が焼きついた。
その後通常の人生では経験できない出来事を数年かかって乗り越えてきた。勤めていた会社も退職した。
八ヶ岳の麓の村へ引越しして来て今日で丁度1年目を迎えた。
春から夏へ季節が移り野菜を作り、菊作りを手伝い、秋になって諏訪湖の傍の病院へ勤めた。
想像以上の冬の寒さと度重なる雪と車通勤の恐さを知り、今少しずつ春に向かっている。
自分としては相当頑張った1年であった。
流れてきたサラ、ブライトマンの歌は突然あの日本海の景色に引き戻させられ、娘との小樽の旅を思い出した。
子供たちと一緒に行った沖縄、九州、そしてハワイ。
子供たちはどんどん成長し、社会人になった。思い出は確かなものになって残った。普段は忘れて記憶のそこに深く沈んでいるが、今日のように突然浮上して胸がきゅんとなる。
上質な思い出とはそのようなものだと思う。