たっぷり朝寝した連休もついに終わりとなった。
別れ難いが生活の糧を得ねばならないから明日から又職場へ復帰する。
晴れ晴れとした気持ちになれないのは、まだ元に戻らない術後の面のせいで、明日になれば嫌でも諦めねばならないから、謙虚に伏目がちで一日を過ごそう。
午前中、シカゴの息子夫婦と、フランクフルトの姪夫婦と運良くスカイプの電話で話が出来た。
空港に勤めている息子は、あちらはあまり騒いでいないという。
いずれも同じような気候であるが、まだストーブを炊いている原村が笑いものになった。
午後遅く大泉に出かけた。
ちょっとした買い物をすばやく済ませ、途中の大泉の自分のほったらかしの土地を見てみた。
この2日間の雨で林の中はしっとりと濡れて新緑がきれいで、
下草は桜の花びらで淡いピンクに敷き詰められていた。
訪れる時期を外していたので、大きな山桜があり、花が咲くとは知らなかった。
私も西の魔女になりたいな・・・・。
昨年植え替えた大手鞠の木もずっと大きく枝を広げ、花をつぼみをびっしりとつけている。
可愛いではないか。
ゆっくりもしていられない。
小淵沢経由で鉢巻道路を通る。
観光客は姿を消し、夕暮れ時であるため、すれ違う車もなく、延々と続く標高1500メートルの道路は富士見高原付近で遅い桜が満開となってどこまでも咲いている。
夕暮れに差し掛かり、桜並木は幽玄の世界に足を踏み入れたみたいな錯覚を感じさせられた。
捻挫の足のため途中のヒルサイドホテルの温泉に立ち寄る。
ここも観光客が引けた後で、広い浴槽は貸切状態である。
山の頂上から流れて来る乳白色の霧を見ながらのんびり、頭の中もふやけて行った。
これまで子供や夫や姑の中で、GWも夏休みも、年末年始もずっと台所で暮してきた。
仕事も持っていたので、休日は家事に追われた。
休みになると心が休まらなかった。
働いていないと罪悪感に襲われていた。
信州へ移住して2年が過ぎ、人生やっと一区切りが出来たようだ。
長年抱えた苦労を持ち移住したが、それからも解放され、雪道が恐ろしかった車も替えて、肩こりの手術も終わった。
長い間心理の仕事で、人様の悩みの話に終日追われ続け、自分の苦労は1かけらも口に出せず、全く縁のない土地に引越して来てしまった。
でもあれもこれも終わりだ、さあこれからだ。