10/16(月)雨
肌寒い雨天の週明け。上着着用。奉公先では案件2件を仕上げてとりあえず様子見。昼食に食堂のワンコイン弁当。定刻退社して池袋で格安チケット入手。新文芸坐にて魅惑のシネマクラシックスVol. 25 ワーナー・ブラザース シネマフェスティバル PART 3の演目を梯子鑑賞。中高年中心に2割程度と閑散。DCP上映ゆえ画質鮮明。人口に膾炙した名作の誉れ高い作品であるが、流石に今再見すると古さを感じさせる。気障な科白と戦時下での異国ロマンスが大いに受けたのだろう。本人は作品に対して不満だったようだが、北欧の名花バーグマンは文句なく美しい。ボガードの痩せ我慢の芝居もよろしいですな。
10/15(日)雨
降り止まぬ雨天続く。朝食後、マックでモーニングコーヒー、9:30からジムで遠泳。12:20新宿武蔵野館で邦画鑑賞。帰宅してアマゾンプライムで更に邦画鑑賞。感想は後日。
10/14(土)雨
雨天続く。定時起床、朝食後愛犬との散歩にも行けず。愛車に乗って小川町へ。2時間弱で施設到着。義父と1時間の談笑。徐々に活力がなくなっているようにも見える。帰路、冨士見のららぽーとでお買い物と映画鑑賞。久し振りに衣類を買う。映画は大味な邦画でありました。若年層中心に3割程度。コミックス、アニメともに未読未見。劇場版のアニメも何となくスルーしてしまったので設定・世界観を飲み込むのに少々戸惑ったが、お話は実にシンプル。豪華キャストのドラマ部分とSFX満載のアクション部分のバランスが悪い。これは完全な分業制の為だろう。後追い(ユーチューブ)でアニメの予告編などを観たが、この手の素材は無理に実写せずともアニメの方が向いているのでは。まぁ贔屓役者を観に行くには悪くはないとは思ふが・・・。
10/13(金)雨時々曇り
雨天の週末。気温もグッと下がり寒暖の差が激しい。風邪に要注意。昼食に食堂の上手くもないカレー。計画的な作業を進めて定刻退社。帰路、新宿で途中下車してピカデリーで聖林大作の初日を鑑賞。でかい劇場は若年層中心に5割弱程度の入りと、やや出足は鈍いか。68年に製作された第1作目の衝撃のラストは昨日のことのように覚えている。劇場全体がどよめいていた。お猿さん達のメイクアップともども映画史に残るものだと思ふ。70年代に4本の続編が出来て全て劇場鑑賞したはずなのに例によって細部は忘却の彼方である。今世紀に入って、鬼才ティム・バートンがリメイク(本人はリ・イマジネーションと称してましたが)して面白かった記憶はあるが、これも細部で覚えているのは猿になってもヘレン・ボナム・カーターが色っぽかったということくらい。さて本作、第一作の前日譚三部作の最終章。資金と時間を費やし更には日進月歩のテクノロジーも味方につけたプロダクション・デザインが素晴らしい。但し人類VSお猿の最終決戦はアクション控えめで人物造形も哲学的である。爭いは愚かしく、復讐や怨嗟には虚無感さえ漂う。単純な娯楽作品を期待すると肩透かしを食うと思ふ。
10/12(木)曇り時々晴れ
定刻起床。案件も定期的に来てそれなりの忙しさ。昼食に同期で食す定例の中華。定刻退社して新宿で途中下車。新宿シネマートにてカナダ映画を鑑賞。お若い女子中心に観客20名強と超閑散。3組ほどの女性カップルがおり、≪デート≫にこの演目を選ぶとは気合が入っていらっしゃる。何の予備知識もなく観てびっくり。端的に云ってしまうとレズビアンを描いたポルノ映画。確かにGLBTは未だに少数派ではあるが、映画の題材としては、いちジャンルを形成して名作・佳作も多い。最近では『キャロル』少し前で『アデル、ブルーは熱い色』もう少し遡って『ボーイズ・ドント・クライ』など、ゲイものでも『ブエノスアイレス 』や『ブロークバック・マウンテン』などなど。主演女優の容姿・気風の良さと相まって、濡れ場なんぞ実に興奮致しました。「タチ」と「ネコ」がハッキリしているのも宜しいですね。つまり人を愛し欲するとことに老若男女の隔てはない、という従前の諸作と変わらないテーマをガッツリとハード・コアに描いただけである。やれやれ凄いものを見せて頂いたなと劇場から出ると、次回レイトショウを待つ男性カップルが・・・。演目『離れて、離さないで』は台湾でヒットしたボーイズ・ラブ・ストーリーの「HIStory」シリーズの一編とか。新宿の夜はディープであります。
10/11(水)曇り
定刻起床。4連休後の出勤は少し辛い。奉公先の業務も変化なし。会議が1件。案件を2件仕上げる。昼食にロースかつ定食。700円也。定刻退社して新宿で途中下車。武蔵野館でマリオン・コティヤールの主演作を鑑賞。場内婦女子比率やや優勢で7割超えの入り。激情型のヒロインが愛に突っ走るお話。それも不倫。というのが予告編からの印象。その手の類似作は「アデルの恋の物語」や「ベティーブルー」など、おフランス産に傑作多いですね。情緒不安定な胆石持ちの女と武骨な職人との偽りの結婚生活。終盤の展開と着地点には驚いた。なるほど、このような愛の描き方もあるのだな。中盤までのイライラが一気に霧消されて深い感銘に包まれた。古希を過ぎた女流監督の語り口にすっかりやられました。欧州恋愛映画は奥が深い。
10/10(火)晴れ時々曇り
6:00起床。池袋に巫女の宣託を聞きに行く。その後、新宿へ出て歌舞伎町のTOHOシネマズにて黒澤明の旧作鑑賞。場内階層色々で6割超えの入り。我が両隣は枯れた古老と妙齢の女子。図らずも親子三代で鑑賞した心地。制作から軽く半世紀以上経っているが35年振りの劇場再鑑賞。先週観た映画も忘れているくせに細部まで良く覚えている自分に一番驚いた。4Kデジタルリマスターでフィルム独特の劣化がほとんどなく明瞭・清澄な画面。室内シーンが多いが、東宝スコープのスケールで画面構成に狭隘さを感じない。役者のほとんどが泉下の人となっているが、この頃の邦画は舞台演劇出身者が多いので芝居も達者でセリフが聞き取りやすいことも再認識。数々の伝説を残している巨匠だが、それだけの我儘が許され宣伝材料に使われていた良き時代だったのだろう。眼福の2時間半でありました。その後渋谷へ移動してユーロスペースで古いロシア映画を観たのだが、それは明日。
10/9(月)晴れ時々曇り
6:30起床。愛犬と散歩。朝食も摂らずに気になった垣根の手入れをする。小鋏で伸びた新芽を一本一本剪定する。小一時間で作業終了。9:30ジムで遠泳とサウナ。12:00某所に予約。街道沿いの床山で散髪。美容師あがりのおばさんと頭髪談義。活性酸素と紫外線が大敵だそうな。贔屓の中華屋で定番コンビの遅い(早い)昼食(夕餉)。帰宅して自室に籠ってあれやこれや。実に愉快で深いノンフィクションを読む。映画を観ない実に珍しい休日。
10/8(日)晴れ時々曇り
6:45起床。朝食後愛犬と散歩。今日は暑くなると感じさせる晴天。8:00前に愛車で出発、小川町を目指す。さすがに大きな渋滞もなく一般道を2時間強で到着。義父と談笑1時間。少しやつれているようだが、頭はしっかりしている。帰路、ららぽーと冨士見に寄り併設するTOHOシネマで北野武の新作鑑賞。場内2割程度と閑散。ヤクザの抗争モノのファイナル。北野版仁義なき戦い。豪華キャストが罵り合ってドンパチしているだけの作品としか思えず少々ガックリ。あちらこちらで義理やシガラミが出来て意に添わぬ作品も撮らねばならぬのでしょうが≪キッズ・リターン≫や≪あの夏、一番静かな海。≫のような豊かな感性は何処へ行ってしまったのでありましょうか。終映後に店舗散策。ZOFFにて老眼鏡を新調。うら若い眼鏡美人の店員のお薦め。金1万円也。時間外で空いた飲食店舗でバイキングの遅め(早目)の昼食(夕餉)を摂る。ゆるゆると帰宅して愛犬と遊ぶ。
10/7(土)曇り後晴れ
定刻より1時間寝坊。10:00新宿着。モーニングコーヒーを飲んでテアトル新宿にて本日初日の邦画を鑑賞。初日マニアの同僚からチケットを譲ってもらう。当人は六本木へ松潤と架純ちゃんを拝みに行ってます。全国300館近い興行規模の恋愛モノと違い、こちらは20館に満たない70年代日活テイストの少々暗い作品。原作小説は読了。映像化の多い角田光代の諸作の中では地味な部類であるが、個人的には大いに感心した記憶あり。荒漠たる北関東の景観と、展開する疑似家族の物語がベストマッチ。主演女優はイメージと少々違い演技力ももう一つであるが、この熱演で一皮むけたか。刮目すべきは草刈民代だろう。虚ろな目元と蓮っ葉な物言いが世話好きな男心をそそる。生まれも育ちも人それぞれ。家族のカタチも色々。親は選べぬが最後は独りで生きて行かねばならない。不思議と活力が湧いてくる作品でありました。一旦帰宅して愛犬と散歩と掃除を少々。ジムで遠泳とサウナ。夜は近所のシネコンで恋愛ものをレイトショウ鑑賞。キャパ380に対して観客30名内外と閑散。終映零時過ぎだし近所の人間しか行きませぬて。教師と教え子の恋愛譚といえばこれまた類似は多いが、題名通り事象をバラバラにして回想として再構築しているのは新味か。小道具やエピソードを小出しにしてミステリー色でテンションを維持して、お決まりのサブキャラ(恋敵)でホラー色まで添えて行定演出はなかなか巧妙である。恋愛モノはキャスティングと細部描写で決まる。架純ちゃん、最も変化の激しいミドルティーンから20代中盤を演じるには少し負荷が重かったか。松潤はグズグズしていれば良いだけなので儲け役だったろう。(笑)
10/6(金)曇り後雨
曇天肌寒し。羽毛布団にくるまり起床。連休前にも拘わらず奉公先の業務も緩く地方から案件一件。昼に上長とふたりワンコインのカツ丼。会議を抜け出し定刻退社して雨の中を新橋から銀座まで徒歩移動。銀座シネスイッチにて。トラン・アン・ユンの新作には場内婦女子9割が占め4割程度しか埋まらず微妙な客入り。都下単館、全国でも10館の興行は、この監督と豪華キャストの実績からすると驚くほど小規模。前作≪ノルウェイの森≫から6年経つのですな。長いブランクは資金集めに苦労したそうで、観れば納得。19世紀末からのブルジョア家庭の3代にわたるファミリーヒストリー。一族の絢爛豪華な貴族の如き浮世離れした生活。泰西名画が動き出したような典雅な絵造り。宮殿のような室内で冠婚葬祭と花鳥風月が延々と描かれる。科白はほとんどなく無数の抱擁と無数の接吻。ただそれだけで夫婦・親子の鍾愛が表現される。『青いパパイヤの香り』以来この監督の諸作はドラマ部分より画面の色彩・透明感に感動した記憶しか残っていない。今回更に秀逸だったのは女優陣が大変美しく撮られていたこと。劇場でしか得ることが出来ない恍惚感というものは確かにある。
10/5(木)曇り時々晴れ
そろそろ上着がほしい朝夕の冷気。奉公先では本日も案件なくスーパー銭湯の歴史などを紐解き調書の下調べ。昼にサバの味噌煮定食880円なり。定刻退社して新宿で途中下車。武蔵野館で都下単館上映のポルトガル映画を鑑賞。小さな小屋には上品な単身男女やアベックで5割程度の入り。欧州の港湾古都を舞台に異邦人同士の男女の出会いと別れを76分の尺で淡々と。煮詰めたようなセリフと3部構成(男・女・男女)による目線と時間軸の切り返しが極めて映画的な効果を上げている。濃密にして官能的なクライマックスに身中熱くなった。畢竟、戀愛というものは刹那的な幻想の如し。ほぼ無名のヒロインに☆献上。急逝した主演男優に合掌。享年27。魂魄は召されてもフィルムは残る。
10/4(水)曇り
すっかり秋が深まってきて洗顔で水の冷たさを感じる時候。奉公先の業務は閑散期。雑用で時間をつぶして眠気を払う。昼に牛すき釜玉うどん640円なり。定刻退社して新宿で途中下車。テアトル新宿にて先週末から公開のインディー系邦画を鑑賞。業界人風の中高年層中心に6割弱の入りは健闘か。渋いキャスティングだと思ったら皆さん同じ事務所だそうな。近年良いお仕事をされてますね。≪木屋町DARUMA≫とか≪下衆の愛≫や≪キャタピラー≫など、余程の邦画好きでもないと観ていないだろうが・・。お話は映画同好会の同窓会の一夜、という低予算らしい設定。夫々の過去と現在を語ってジャムセッションの趣き。そう云えば店舗として使われていたのは吉祥寺の有名なジャズクラブで70年代に良く通いました。マドンナを巡っての色恋なんぞ陳腐ですがノスタルジーには浸れます。終映後に主要キャストによる短いトークセッションあり。悪役俳優の素顔(笑顔)は柔和でありました。まさに≪悪人正機≫でありますな。
10/3(火)曇り時々晴れ
定刻起床、定刻出勤、定刻に昼食。案件を2.5件。定刻退社して新宿で途中下車。角川シネマにて上映中の≪デヴィッド・リンチ特集≫の一本。カルトな人気を誇る監督らしく場内若年層中心に3~4割と微妙な入り。公開時に3回ほど続けて観たっきり15年振りの再鑑賞。デジタル・リマスターで画質も上々。虚飾の都・聖林を舞台にした夢とも現実ともつかぬ迷宮譚。思わせぶりな登場人物・小道具・カット割りとセリフ。解釈を求めたいのならネットで幾らでも講釈は出てくるが、何度観ても心がざわつき釈然としない。サスペンチックな不条理劇にして絢爛豪華な絵巻物。交錯するアイデンティティとエロス。2時間半、全く飽くことなく映像に酔い、更には頭の芯が痺れた。個人的な好みではあるが本作がリンチの最高傑作だと思ふ。
10/2(月)曇り後雨
6:30起床、曇天の月初週明け。ネクタイ着用して出勤。案件なく雑用で終日が終わる。昼食に名物ハンバーグ。定刻退社して中野へ。今週末公開の邦画の試写会を≪なかのZERO≫の大ホール(1,292席)にて鑑賞。老若男女程よい比率で8割方埋まり盛況。鬼籍に入って30年以上経つ寺山修司唯一の長編小説の映像化。かつて芝居やATGの映画を追っかけた者としては大いに期待して鑑賞。メインストーリーは≪あしたのジョー≫の同工異曲。サブストーリーに同時代性を持たせたエピソードを挿入させているが、これは賛否あろう。近未来の新宿が舞台だがレトロで猥雑な雰囲気満載。役者は皆々好演。全く無名のヒロインは脱ぎっぷりも良く個人的には大いに評価したい。寺山修司は、そのマルチな才能で短歌・演劇(戯曲)・映画(シナリオ)と多くの著作・作品を残したが、一番の偉業は、その諸作に計り知れない影響を受けた夥しいクリエーター達への≪テラヤマ的な世界観≫の伝習かもしれない。