Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

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イニシェリン島の聖霊

2023-02-02 08:17:55 | 映画

イニシェリン島。
アイルランド西海岸沖に浮かぶ島。
今から100年前、ここに暮らす素朴な男は、老紳士から一方的な絶縁通告を突きつけられる。
素朴な男と 連むのをやめ、もっと思索と音楽に身を捧げたいらしい。
その決意は狂気的で、これ以上話しかけたら自分の指を切り落とすとまで言い出す。
小さな島の中で不穏なムードが広がるが、島には美しい自然がもたらす詩情と、寓意に富んだ物語を奥深く転がしていく 力がある為、嫌悪と安寧が相殺されている。
素朴な男の眉をハの字にして老紳士の心変わりを嘆く。
老紳士は真剣な面持ちから、決して高慢な人間ではないことも明らか。
両者の存在感が素晴らしいだけに、崩壊し砕け散っていく友情が ただ ひたすら悲しい。
イングランドやアイルランドから響く戦争の気配。
そのアイルランドが泥沼の内戦へ陥っている。
「引き返せない」そんな二人に“戦争の本質”が投影されている。
その他にも父子、兄妹、近隣の島民、警察、教会、恋愛感情、本音(酔い)と建前(しらふ)等、幾つもの出口なき“関係性”を描き出し、それらが絡み合いながら、巧みなブラックジョークや悲哀へ集約されていく。
観る者を決して傍観者に させておかず、人間の生涯にまとわりつく悩みや「関係を断ち切る」という闇深さに引きずり込む極めて痛烈な作品。


She Said

2023-02-01 07:51:00 | 映画

他業種で有りながら、強大な権力を持っている。
その権力者の秘密の暴露や 告発には大きな障害が立ちはだかる。
障害をクリアして行く 困難な中での活躍。
立ち向かうは、ハリウッドの頂点に君臨した映画プロデューサー。
彼の性暴力に関する事実の裏付けには、被害者を縛る秘密保持契約や敏腕弁護士といった障害が。
そして、記事を出す過程で記者のみ ならず編集部が一丸となる。
加えて、沈黙を破って取材に協力した被害者たちの勇気を讃えるという視点。
映画プロデューサーの誘いを拒んだことでキャリアを妨害された「本人の出演/HerSelf」は強力。
被害者のエピソードで有る小さな声は 権力による圧力の間から発せられ 最後には大きな束となり 社会を動かす うねりとなった。
今年度アカデミー賞にノミネートされないのは やはり まだ 目には見えない圧力が存在するのだろうか?






くきアカデミー賞 クキデミー2022

2022-12-30 06:00:00 | 映画


家族の亀裂。
血縁者の家族間でも「お金 財産」が絡むと もろくも崩れ去るのかもしれない。
ましてや血縁者以外がその中へ入ると、争奪戦の血みどろ合戦の様相を為すのだろう。
金額が高額で有れば有るほど。
そして「のれん/ブランド」の継続。
変遷する時代や新型コロナウイルスに代表される社会情勢の著しい変化に対応、順応したり、または時代に先見の明を持ってリードもしなくてはいけない。
一人で乗りきるのは大変だ。仲間が要る。多くの知恵が要る。一人の人間はそれほどスーパーマンでは無いのだ。
今の時代に掛け合わせても、欠けているのは相手へのリスペクト。
一時の感情に任せて罵声を浴びせないように、アンガーマネージメント能力が必要だったのだろう。
観る人によってはGUCCI家の栄華、衣装のキラビヤカさ。
観る人によっては、デフォルメされ過ぎた、間抜けなGUCCI家達。
観る人によっては、カメオ出演するファッション界に精通した御大達。
音楽、俳優、演技、そんな見所満載でお腹一杯になる映画です。

②1943年から 大まかに分類して4クール 計13作品の5クール目が 始まった。
マイケルキートン ヴァルキルマー ジョージクルーニー でのバットマンはコミックキャラ的に ベンアフレックではDCキャラ的に。中でもクリスチャンベールのダークナイトシリーズは私の中では秀作であった。
どうしても過去作品との比較になりがちなシリーズもの。私は 好きなダークナイトシリーズと 比べてしまい 今回のシリーズ(続編が出れば)は好きな部類になりました。DC作品としてのカラーが確立しだし JOKER に似ているような気がしたからです。
過去のヒーロー物は 清廉潔白 勧善懲悪 でありますが このバットマンは ダークナイトシリーズと比較して より影や陰な部分が多く 疑い深い白 そんな感じです。
ダークナイトシリーズのブルースウェインは裕福な子息が敵討ちと正義を、今作のブルースウェインは街の悪事 欲望と悪に染まった聖職者達 少なからずとも自分の親族までが関わっていた。救い用のない腐敗と悪に溢れすぎたゴッサムシティ。
で 惹かれる悪にリドラー。JOKERの様に精神的にも破壊工作を行う そして悪になった要因が 見過ごすことの出来ないゴッサムシティの闇
バットマン JOKER リドラー そしてペンギンと 役者が揃い出した。



③「ゴールデンラズベリー賞」
この賞は、毎年のアカデミー賞発表に先駆けて最低映画を表彰するもので、実力があるにもかかわらず酷い作品に出演した俳優や、大ヒットしたものの内容の伴わない作品などに与えられることが多い。
今年は特別に、「ブルース・ウィルスの最低演技賞2021」なるカテゴリーが発表され、ブルースが同部門で8つのノミネートを独占した。これは、2021年に彼が出演した8作品の中で、最悪だった演技を選ぶもの。今シーズン、ブルースは多くの作品に出演しており、名誉の負傷とも言える。



④グレイマン=目立たない男。
万能の超人ではない。
刺され 撃たれ 血を流す 瀕死の重傷も負う。
仁義は 仲間は裏切らず、世話になった恩義は忘れない。
昭和の任侠映画のキャラクターの様。
しかしロケーションは クロアチア パリ ウィーン プラハなど欧州各国で展開する総力戦が「ジェイソンボーン」の様でもある
そして 勝手にオマージュと考えたのは 爪楊枝をくわえたゴズリングとチョビひげサイコ男 そして昭和のエッチな おじさんフレディマーキュリー風のエバンスが「シャイニング」的な巨大迷路で戦うのだ。
ネットフリックスはシリーズ化を公表しているが、何せ加入者が減ったネトフリ。次も史上最高億ドルの製作費を割けるかどうかはビミョー。
少々無理筋な話では あるけれども スケール感とド派手さで押し切った映画です。



クモの巣が幾重にも重なりあったような、LA警察の相関図。
共通項は「金儲け」
ここでは「悪」や「正義」と言う概念は存在しない。
簡単に言えば「人がどうなろうが、自分が 良けりゃイイ」 そして、それが簡単に可能になる職業が警官、じゃあ警官に なろう。
表見は正義に拠り所を見いだし 悪を排除する。しかし現実は「清濁合わせ飲む」それを正当化するために「キレイ事だけでは済まないんだ」なんて、かの国のオリンピック委員も申しておりました。
ハワイもコロナでの行動制限が実施され、環境が驚くほど良い方向へ変化したため、以前よりも制限を課しているらしいです。
結局は「ヒト」が物理的にも精神的にも「汚す」キーパーソンなのですね。
主人公にも全てがクリーンなのでは無く、ダークサイドも持ち合わせています。
同調圧力から逃れるには、文明の進化を捨ててまでも、「ヒト」から離れなければ無理だろうなぁ なんて
「ジョニーディップ」と言うオーラさえ消した、そんな映画です。



「流浪の月」
風、水、日差し、雨、雲の流れ、BGMと調和の取れた情景が、人物のセリフやアクション以外でも、ストーリーを作り上げてしまう。
「美しいが実体のない虚しいもの」
その余韻をも、かみしめる事が出来た。
水面に映る月は、存在しているようで、実体をなさない。人間社会に現存しているが、厭世感のある主人公二人。
痛みや苦しみに耐えてきた人に訪れる救い。しかしその救いすら、一つ間違えば奈落の底へと落ちそうな気配。
世間の枠からはみ出さざるを得なかったとしても、偏見や抑圧から解放される一瞬を繊細に掬い取っている。
自分の考えだけを正義とする人。
刺青とまで言われている、消し去ることがほぼ困難なSNS社会。
まだまだ知られていない、精神的、肉体的、偏見や差別。
二人にしか分からない、愛をも超えた結びつき。
断絶と抑圧を体内に染み込ませた孤独なふたり。
魅せられた、二人の真意に寄り添う、そんな気持ちにさせられた。



高速列車を舞台に、乗り合わせた殺し屋たちの任務と因縁が交錯する。いつも事件に巻き込まれる、運の悪い殺し屋てんとう虫は簡単な仕事を請け負ったハズだった。しかし、なぜか9人の殺し屋たちに命を狙われ、すぐに終わるはずだった仕事は困難を極める。伊坂作品は、伏線や仕掛けが張りめぐらされ、終盤で回収されていく構成にある。映画では10人の殺し屋たちを小気味良く絡めとっていく。本作での殺し屋や泥棒やギャング、ならず者が数多く登場するが、誰もがそれぞれの人生哲学を貫き、個々の在り方が尊重されている。レモン、オレンジ、てんとう虫、王子、長老、白い死神、狼、蜂、それぞれの殺し屋たちのキャラクターが生き生きと立ち上がっている。そのカラーを衣装や音楽でも表現したことで、殺し屋たちの人間ドラマは、より深みを増している。そして物語の中には「制限」がある。その中で各々が如何に対処するか?それもまた面白くしている。全く持ってふざけた映画だ。でもそのバカらしさ、なぜか9人の殺し屋たちに命を狙われ、すぐに終わるはずだった仕事は困難を極めるのか?それを楽しんでもらいたい。



信頼があった。もしくは少しの愛も有ったかも知れない。疑いが確信に変わる時、幸せも恐怖に変わるかもしれない。恐怖を拭うためには、恐れを抱きながらも嘘をつく。それは配偶者を守ったり、自分を守るためでもある。それも殺人に関わっていたら、何もかもが見事に崩れ去る。
しかし恐怖から抜け出さねば自分未来に光は差さない。主人公には負い目もある。生活費、養育、片親、深刻な持病。中には相手の人生をも左右をする事にもなる負い目がある。でも勇気をもって明るい未来に向かわなければならない。そして蛮行を止めるのも自分に課された使命なのだから。辛さと善意が錯綜する、でも負のスパイラルからは抜け出したい。
穴の空いた生食液バッグ。8件ほど勤務した職場では保身の為だけに事実を隠蔽し、危機管理官、有能な弁護士、議員までもが保身に協力したが為に悪事は繰り返された。当たり前だから、皆がやっていたからと行う行為はどの国、いつの時代でも起こっている。
危機管理の基本原則は早く、全てを、隠さず報告する事。最近の日本の中にも、その様な案件は垣間見る。
誰かが勇気を持たねばならない、そして もしかすると誰かが犠牲になるのかも知れない。
あえて火中の栗を拾う。僅かかもしれないが、そんな人にも理解者は居る。そう信じたい。



米国史に埋もれていた実際のクーデター事件を、独自の解釈で映像化した。

第一次大戦下の仏戦線。3人は出会った時からウマが合い、除隊後はアムステルダムで共同生活を送り「生涯お互いを守り合う」という誓いを立て固い友情に結ばれていた。時は流れ1933年のNY。軍部絡みの殺人事件に巻き込まれてしまい、容疑を晴らすため資産家や、戦争の英雄将軍に接近する。だが、それは巨大な陰謀の入口に過ぎなかった。

第一次大戦で軍最高位の名誉勲章を2度も授与された伝説的軍人。沖縄にあるキャンプ・バトラーはその名に因むが、退役後は、少数の軍事企業家に莫大な富が集中する矛盾を指摘した著書「戦争はペテンだ」を出版、理論派の反戦活動家に転身した。その後貧困に苦しむ復員兵を支援、それがルーズベルトの大統領選勝利を呼び込み、貧困層救済の景気対策ニューディール政策へとつながっていく。実在した人物や事件を随所に絡ませ、豪華キャスト勢揃いの娯楽サスペンスに落とし込んだ。前述の少将はもちろん、謎めいた反ユダヤ主義資産家、薬物中毒の刑事や怪しいMI6の諜報員、反ルーズベルトの元軍人など、くせ者キャラたちが奇妙な現実感を伴って映画は大きく動きだす。

いわゆる敗者に光を当ててきた。米国が次の大戦に参戦したことは周知の事実。だが、それを阻止するために、本作の主人公トリオのような名もない敗者たちが、人知れず戦ってきた物語も実在する。その真実に熱い思いを抱かずにはいられない。


「欲」
「欲」と記せば クリーンなイメージが始めに思い浮かばないかもしれない しかし「望」と記せばクリーンなイメージが先行する。
「欲望」とでも記すのが良いのだろうか?
区分けするのならば、ポジティブな「欲」や、 ネガティブな「欲」
回りを幸せに出来る「欲」 回りを貶める「欲」 自分が満足したいだけの「欲」
有る者は虚偽で富を手に。有る者は自身の論評で人を破滅に追い込み富を得る。
地位と富で人を、特に女性を自分の思い通りにしてきた者。
確かに こぅ記せば悪行の様にも映るが、資本主義社会では競争は当たり前。敗れる者も居れば勝者となる者も居る、中にはドローの者も居るかもしれない。
悪をジャッジに掛け、自分は、さも執行人気取り。しかし自分の悪をも裁きを望む主人公。
その中にも 生きる為に 生活をする為に 欲しい物質を手に入れる為に 精一杯暮らしているエンジェルも居る。
思考を張り巡らし エンジェルは 主人公の職業的な性 使命 役割 を逆手に取った。
人間社会の真相心理の比喩である この映画。まるで傍観者が居眠りをするのを折り込み済みで 「パンっ」と意識を目覚めさせる為の乾いた手を叩く音を劇中に入れてのだろうか。



対人の関係毎に自らを分けた人格。「分人主義」
性別、名前、出自、国籍、はたまた髪色、言語。
人が生きている、この世の中は何が当事者にとって障壁になるのだろうか?
冷静に考えると「人」が一番のストレスの原因だとも思う。良くも悪くも「人」と言うものは当事者にとって影響が有るのかもしれない。
私は考えます、人の発する言葉の「一文字」でも、語尾や文頭、接続詞の「一文字」でさえ、言葉を発した方の本心が埋め込まれている。
言葉は時には勇気づけ、後押しし、安心感も与える。しかし時には傷つけ、信頼感を喪失する。それはその「一文字」にも含まれている。
同じ地球上に生まれながらも、発生する事項。
しかし、それが当事者にとっての一番の幸せならば、それを何の疑いもなく後押ししたい。

ある男

2022-12-25 09:46:00 | 映画
対人の関係毎に自らを分けた人格。「分人主義」
性別、名前、出自、国籍、はたまた髪色、言語。
人が生きている、この世の中は何が当事者にとって障壁になるのだろうか?
冷静に考えると「人」が一番のストレスの原因だとも思う。良くも悪くも「人」と言うものは当事者にとって影響が有るのかもしれない。
私は考えます、人の発する言葉の「一文字」でも、語尾や文頭、接続詞の「一文字」でさえ、言葉を発した方の本心が埋め込まれている。
言葉は時には勇気づけ、後押しし、安心感も与える。しかし時には傷つけ、信頼感を喪失する。それはその「一文字」にも含まれている。
同じ地球上に生まれながらも、発生する事項。
しかし、それが当事者にとっての一番の幸せならば、それを何の疑いもなく後押ししたい。