なぜUSAにはこれほど映画になりそうなストーリーが多くあり日本にはないのか?
なぜそのようなことが書籍にでもなり発売されるのか?
そしてそれをうまく映画と言うものに転嫁できるのか?
国や背景、社会性、民族性、多々異なるものが多い国々。
圧倒的な裏どりをし、事実を正確に突き詰め、確証をもとにこの世に発表する、そんな力強さもUSAには感じる。
原題は爆弾や砲弾を意味する“BOMBSHELL”。
スキャンダルを発信するメディアのスクープのことを呼ぶ流行の“○○砲”の砲のこと。
魅力的な女性という裏の意味も含まれている。
ここで放たれるのは、全米で視聴率トップの大手ニュース専門局FOXテレビで起きた、CEOによる女性キャスターたちへのセクハラ・スキャンダル。
2016年に起きた実話の映画化。
勇気を持って裁判を起こしたのは、CEOの誘いを断ったことから干され、解雇された有名キャスター/カールソン。
この映画の本質は、悪質なセクハラを長年続けてきた業界のモンスターによるセクハラ事件の糾弾や成敗という、単純な部分にはない。
映画の中心人物はカールソンのライバルで、FOXニュースのトップ・キャスターのメーガン・ケリー。
彼女は女性蔑視が顕著な大統領候補ドナルド・トランプを討論会番組で追及したことから、トランプの目の敵にされる。
トランプ支持者の攻撃にさらされる中、かつてCEOから受けたセクハラを公表すべきか苦悩する。
2016年、トランプが大統領になってしまう事が現実のものとなろうとしている。
弱肉強食のメディアという戦場の最前線で、強く、美しく、知的な女性たちが、上司やライバルと繰り広げる過酷な激闘の日々。
アクション場面のない格闘技映画や戦争映画のように、パワフルに描いた見応えのある闘う女性。
圧巻は特殊メイクで実在の本人ソックリになりきった役者たちの演技合戦。
野心家の新人を演じる絶好調の俳優。
異様な迫力で欲望と権力のCEOを演じる完璧な役者。
CEOの醜い姿には、再選を狙うトランプがダブって見えてくる。