知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

興味のあることは、何でも調べて文章にする。   写真は「光と影」と言われるが、この理解には、まだまだ、ほど遠い.

『人間はなぜ戦うのか、戦争は拡大し続けた(やはり戦いは悲惨!)』 『世に狂人がいる限り、いつもそこにある危機・相互確証破壊の心配は続く!』

2022-01-16 21:32:27 | 兵器・戦争

   『人間はなぜ戦うのか、戦争は拡大し続けた(やはり戦いは悲惨!)』

 『世に狂人がいる限り、いつもそこにある危機・相互確証破壊の心配は続く!』

『サイバー兵器・サイバー戦争は相互確証破壊を防げるのか?』

 

世界に冠たる技術を持てば、カネのかかる相互破壊兵器を持たなくても情報技術で相手の兵器を無力化できる上に『無手勝流』が通じ、世界の平和が保てるなどと考えていましたが、『サーバー戦争』などの言葉が生まれるように、人類の戦いには、やはり際限がないようです。 こんな時期だからこそ、『人類の戦いの歴史』をブログに纏めました。 先ず、その前に最新状況の、アップデートです。

 

核保有5大国が分かった相互確証破壊の危機

相互確証破壊(Mutual Assured Destruction, MAD)とは、核戦略に関する概念・理論・戦略である。 核兵器を保有して対立する2か国のどちらか一方が、相手に対し先制的に核兵器を使用した場合、もう一方の国家は破壊を免れた核戦力によって確実に報復することを保証する。 これにより、先に核攻撃を行った国も相手の核兵器によって甚大な被害を受けることになるため、相互確証破壊が成立した2国間で核戦争を含む軍事衝突は『理論上』発生しない

 

そこで、やっと、この共同声明に

米国、英国、フランス、中国、ロシアの核保有5大国は先日(2021/01/03)、核保有国間の戦争回避に取り組むことを確認する共同声明を発表した。 5カ国は声明で『核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない』と強調。 核拡散防止条約(NPT)を順守し、軍事衝突や軍拡競争を防ぐ多国間の外交的アプローチを追求すると表明した。

 

核保有5大国が、戦争回避などを目的に共同声明を発表するのは異例。 中国による軍事的圧力強化で台湾有事の懸念が高まり、ロシア軍の国境付近への集結でウクライナ情勢が緊迫する中、緊張緩和の糸口となるかが注目される。 声明では、核の使用が広範囲にわたる影響をもたらすと指摘。 核兵器が存在する間は、その用途は『自衛目的、侵略防止、戦争回避』に限られるべきだと確認した

 

相互破壊戦争の次には、サイバー戦争で!

サイバー戦争(cyberwarfare)とは、インターネット及びコンピュータ上で行われる戦争行為のことである。 クラッカー等の集団や、国家によって組織されたサイバー軍および情報機関により、敵対する国家、企業、集団、個人等を攻撃する。 攻撃の内容は軍事・行政や民間の経済・インフラストラクチャーにおける情報システムの機能停止や不正操作、情報の窃取など幅広い。 かつてはサイエンス・フィクションにおける架空の事象であったが、技術の進歩により現実のものとなっている。

 

そこで、過去の人間の戦いを整理して、究極の戦争・サイバー戦争は、戦争を抑止して人類を救えるか、考えてみようと思いました。

 

『約46億年前地球誕生、約6億年前生物誕生、約6千年前霊長類誕生、約50万年前人類誕生、約10万年前現代人誕生、その間、起こった5回の大絶滅後の戦いの日々』が始まりました。

 

人間の戦いは、どんどん拡大してきました。 最大規模になったのが第二次世界大戦の終盤のノーマンディ―上陸作戦(大ヒットした映画「史上最大の作戦」)でした。 その第二次世界大戦も核兵器の使用で終結しました。 これ以上大きな戦いはもうできません。 理由は明白で『核戦争=相互確証破壊戦争』は、狂人の狂気さえも引き金なりそうですが、人類の英知で防げると信じたいものです。 人類史上で記憶に残る悲惨な戦いを列挙しました。

 

①ラガシュ・ウンマの戦い(紀元前25世紀頃)

動員兵力不詳

引用ウエブ情報から引用

記録されているもので最古の戦争は、紀元前25世紀頃、現在のイラクの一部に当たる古代メソポタミア地方で起こった「ラガシュ・ウンマの戦い」だとされている。 当時ラガシュ王国の首都ギルスがあったとされるテルロー遺跡から、国王のエアンナトゥムが残した戦勝記念碑が発見されている。 

 

記念碑にはラガシュ王国が勝利した国が数多く記されているが、どれも具体的にどんな戦いだったかは残されていない。 その中でわずかながら内容がわかっているのが、ラガシュ・ウンマの戦いなのだ。 この戦いの詳細は不詳だがこんな昔から二百数十年も戦いをした都市国家

 

⓶メギドの戦い(紀元前15世紀)

動員兵力

エジプト:10,000 vs カナン連合軍:7~8,000

ウエブ情報から引用

メギドの戦い ( Battle of Megiddo) は、 紀元前15世紀 に トトメス3世 率いるエジプト軍とカデシュ王率いるカナン連合軍との戦いである。 エジプト側が勝利し、カナン連合軍はメギドへ向けて敗走し、エジプトのシリア方面における領土拡大

 

 

③カンナエの戦い - 古代の最大の戦い(紀元前216年)

動員兵力

カルタゴ      ローマ

32,000 重装歩兵
8,000 軽装歩兵
10,000 騎兵
50,000 総計

55,000 重装歩兵
8-9,000 軽装歩兵
6,000 騎兵
70,000 総計

ウエブ情報から引用

カンナエの戦いは、紀元前216年、第二次ポエニ戦争における共和制ローマとカルタゴの戦い。 完全包囲の完成とカルタゴ軍の完全勝利。

1018年にも同じ場所で戦闘が起こっており、これもカンナエの戦いと呼ばれる。これは東ローマとノルマン人の間で行われた戦闘で、東ローマ側が勝利したものである

 

④世界史上最大の会戦‼383年に起きた淝水の戦い

動員兵力

   東晋      前秦

9万5千

90万以上

 ウエブ情報から引用

383年に起こった、規模においては中国史上最大の戦いと言われている戦闘。 五胡十六国のひとつの氏が建国した前秦の符堅は、華北をほぼ完全に統一した後、歩兵60万、騎兵30万の大軍を三軍に分けて南下させ、淮水流域から一挙に東晋の都建康(現在の南京)を突こうとし、淮河支流の淝水で対陣した東晋軍に敗れた戦い。中国の南北分裂が固定化された

 

⑤古代最大の白村江の戦い(663年)

動員兵力

唐軍:13,000
唐船舶:170余以上
新羅軍:不明

日本軍:42,000
日本船舶:800余
百済軍:不明

 

ウエブ情報から引用

白村江の戦いは、天智2年8月(663年10月)に朝鮮半島の白村江(現在の錦江河口付近)で行われた、百済復興を目指す日本・百済遺民の連合軍と、唐・新羅連合軍との間の戦争のことである。 確実な史料によるわが国初の対外戦争でした。  敗北したことで、当時進めていた大化の改新をさらに迅速に進めていく必要に迫られます。 外敵からの備えとともに、国内でのいろいろな制度も整えられていきました。 全ての人民を把握するための戸籍が作られ、これをもとに税制も確立されます。 唐に倣って、都が作られ律令制国家へと姿を変えていきます。

 

⑥ブーヴィーヌの戦い(1214年)

動員兵力

神聖ローマ帝国   フランス王国

8,800~9,000

·         騎士:1,300~1,500

·         歩兵:7,500

6,000~7,000

·         歩兵:5,000~6,000

·         騎兵:300(奉公人)

·         騎士:1,200~1,360

ウエブ情報から引用

ブーヴィーヌの戦いは、フランス 王 フィリップ2世が神聖ローマ皇帝 オットー4世、フランドル伯フェラン、イングランドのソールズベリー伯ウィリアム (長剣伯)、ブローニュ伯ルノー らの連合軍を フランドル とフランスの境近くのブーヴィーヌで破った戦い。  参戦、もしくは関わっていた国 (組織・地域)と人物の数は中世ヨーロッパにおいて十字軍 を別にすれば最大の会戦だった。  この勝利によってフィリップ2世はカペー朝の王権を確実なものとした。

 

⑦中世最大の会戦グルンヴァルドの戦い

動員兵力

ポーランド・リトアニア連合    ドイツ騎士団

 16,000-39,000人       11,000–27,000

ウエブ情報から引用

ポーランド・リトアニア連合 VS ドイツ騎士団、日本では「タンネンベルクの戦い」のほうが知られているかも知れません。 従軍兵士は予備役も含めて5万5000人。 中世ヨーロッパ最大規模の戦いです。

1410年に現在のポーランド北部で戦われたこの会戦では、侵攻のポーランド・リトアニア連合が勇猛なドイツ騎士団を打ち破ります。 この戦いの結果、ドイツ騎士団は急速に衰退。 逆にポーランド・リトアニアが大国として東からヨーロッパに睨みを利かせる構図が生まれます。

 

⑧ボズワースの戦い

動員兵力 

    ヨーク家    ランカスター家

              8,000

            5,000

 ウキペデイア情報から引用

ボズワースの戦いは、15世紀イングランド王国の薔薇戦争中の重要な戦闘、この戦いは1485年8月22日に、ヨーク派の国王リチャード3世と、対抗して王位を争ったランカスター派のリッチモンド泊ヘンリー・リッチモンド伯ヘンリー・テューダ―(後のイングランド王ヘンリー7世)の間で行われた。 この戦いは、リチャード3世の戦死による敗北と、ヘンリーによるテューダ―朝樹立という結果で幕を閉じる。

 

⑨第一次大戦のドイツ軍開戦当初のベルギー・フランス侵攻作戦

戦力

ベルギー     ドイツ

144個師団
火砲:13,974門
戦車:3,384両
航空機:2,249機

141個師団
火砲7,378門
戦車:2,445両
航空機:5,446機 (出撃;4,020回)

 ウキペデイア情報から引用

ナチス・ドイツのフランス侵攻における戦いのひとつ。

1940/05/10ドイツはルクセンブルグ、オランダ、ベルギーを抜けてフランスへ進撃することを目的とした作戦。連合軍はそれが主力であると考え、最良の師団をベルギーに向かわせたが、ドイツ軍が作戦の第二段階を発動、アルデンヌの森を突破して進撃を重ね、5日後には海岸へ到達、連合軍は包囲されることとなった。 ドイツ軍は徐々に海岸方面へ進撃、包囲網を縮め始めた。 ベルギーは1940/05/28降伏した。 ベルギーの戦いにおいては第二次世界大戦初の大規模戦車戦が行われている。 このアニューの戦いは北アフリカの戦いと東部戦線が行われるまでは世界最大の戦車戦であった。 さらに、降下部隊を用いた最初の戦略的降下作戦も行われた。 ドイツの公式な発表では18日間の激しい戦いにおいて、ベルギー軍は手強い敵であり、その兵士たちの「驚異的勇敢さ」について語り草になっているとしている。

 

⑩現代の大きな戦い(詳細と結果は省略)

-1  第二次大戦のドイツ軍のソ連侵攻バルバロッサ作戦

参加戦力

ドイツ軍(400万人)

 

赤軍(268万人)

  • 北部戦線
    • 第7軍、第14軍、第23軍
  • 北西戦線
    • 第8軍、第11軍、第27軍
  • 西部戦線
    • 第3軍、第4軍、第10軍、第13軍(6月24日に編成)
  • 南西戦線
    • 第5軍、第6軍、第12軍、第26軍
  • 第9特別軍
  • 総司令部スタフカ予備
    • 第16軍、第20軍、第21軍、第22軍、第24軍

 

❿-2 独ソ戦のクルスク戦

参加戦力

   ドイツ     ソビエト連邦

歩兵(擲弾兵)780,900

戦車 2,928
航空機 2,110

迫撃砲大砲等9,966

赤軍の反撃時912,460人
戦車3,253
迫撃砲、大砲9,467 航空機2,110

歩兵(狙撃兵) 1,910,361
戦車 5,128
航空機2792~3549

迫撃砲大砲等25,013
赤軍反撃時 2,500,000人

戦車7.360

迫撃砲、大砲47,416

航空機2,792~3,549

 

 

 

❿-3 連合軍のノルマンディー上陸オーバーロード作戦

1944/6、米英主力の連合軍が上陸に成功、ドイツ軍を後退させ、第二次世界大戦を終結に導いた。 第二次世界大戦の末期、1944/06/06連合国のアメリカ、カナダ、イギリス軍は、フランスのノルマンディー海岸に大規模な上陸作戦を敢行した。 その兵力は1日だけでも約10万人、それを5000隻の艦艇と、1万2000機の航空機が支援した。 

 

これは「オーバーロード(大君主)作戦」と呼ばれ、アメリカのアイゼンハウアー元帥が指揮を執り、1週間で50万の兵員を上陸させた。 ドイツ軍はロンメル元帥が指揮し、30万の兵力と1000台の戦車で迎え撃ったが、艦砲射撃と空爆によって有効な反撃ができず、連合軍の上陸を許した。 ドイツ軍はやむなく撤退したが、敵に損害を与えながらの撤退戦術で、アメリカ軍に大きな損害を与え、アメリカ軍の当初半年でドイツは降伏すると予測していたが、実際には1年かかることとなった。

1944/12、ドイツ軍は、西部戦線のアルデンヌに残存戦力を結集し、最後に作戦を敢行、一気に挽回して補給の要地であるベルギーのアントウェルペンまで押し戻そうという「バルジ作戦」(バルジとは「突出」の意味)を敢行したが、10:1の空軍力の差で進撃は食い止められ、45年1月に両軍約50万の死者を出し、西部戦線最後の会戦は終わった。

 

ノルマンディー上陸作戦が史上最大の作戦といっても問題ないと思います。10000機以上の航空機、1000隻の軍艦を動因してその兵員は200万人 戦艦までをも堤防として沈めるという大胆ぶりです。

 

参加戦力の比較は、捉え方の範囲が難しくやはり戦争規模の双璧は、

-1 第二次大戦のドイツ軍のソ連侵攻バルバロッサ作戦

❿-3 連合軍のノルマンディー上陸オーバーロード作戦

ではないでしょうか。

 

その戦死者数は、両陣営合計(非戦闘員含め)で、

バルバロッサ作戦    99万人以上 

オーバーロード作戦: 79万人以上  

数値の発表されていない国や地域もあり、損傷者数とその後の経過も把握されえおりませんので実態は不明ですが、戦争の悲惨さは再認識させられました。

ヒトは、人間は、『業』持ちですが、『叡智』も持っています

(記事投稿日:2022/01/16、#461)

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『武器の発達は戦争(戦略論)を変えてきたか、抑止は可能か 1』―プロイセンの将軍、C・V・クラウゼヴィッツ著「戦争論 上下」はタフー

2021-01-31 21:15:51 | 兵器・戦争

      『武器の発達は戦争(戦略論)を変えてきたか、抑止は可能か 1』

―プロイセンの将軍、C・V・クラウゼヴィッツ著「戦争論 上下」はタフー 
 

 昨今、王朝時代の帝王を目指している、大国の指導者たちが居ります。 大国でなくても、世襲制の帝王が居ります。 偏見では、ありますが帝王の地位、イコール核兵器所有などと錯覚を起こしかねません。

 只今、プロイセンの将軍、カール・フォン・クラウゼヴィッツ著「戦争論 上下」を読んでいます。 今までは最もタフな著書の一つです。 あまりにタフなので、戦争についての本の並行読みを始めました。

孫子、マキアヴェリ、クラウゼヴィッツの3大家の著書:
❶ 孫武著『孫子』
❷ ニッコロ・マキャヴェリ著『戦術論』
❸ カール・フォン・クラウゼヴィッツ著『戦争論 上下』

さらに、
❹ ジョン・ルイス・ギャディス著『大戦略論』
❺ ピーター・ナヴァロ著『戦争の地政学 米中もし戦わば』

最近の『大戦略論』と『戦争の地政学 米中もし戦わば』は3大家の著書を引用しています。 

『戦争の地政学 米中もし戦わば』の中にありました。 抜粋です。 
歴史上、強大な覇権国家は、突然、新興国家が表舞台に踊り出て、当時の文明をリードする存在になると、この劇的な勃興に覇権国家はショックを受け、対抗策をとろうとして、競争から対立が生まれ、それがついに衝突に発展したケース;

『スパルタとアテネ』のペロポネソス戦争であり、
『大英帝国とドイツ帝国』の第一世界大戦である。

この実例二つだけでは、証明にならない。 世界史を概観すると、1500年以降、中国のような新興勢力がアメリカのような既存の大国に対峙した15例のうち、11例において(70%以上の確率で)戦争が起きている。

シカゴ大学教授ジョン・ミアシャイマー史が『大国政治の悲劇』の中で展開しています。 特に『第一の仮定・無政府状態』全く同感です。 人類は無法治状態であること拙備忘録『人類は、二度と核兵器は使えない(好奇心は探る-戦争のこと)』で触れております

第一の仮定
『世界体制は無政府状態だ(つまり国家を取り締まる権威をもった組織は存在しない)』

第二の仮定
『すべての国家は軍事力、つまり戦争のための兵器を増強する』

第三の仮定
『他国の真意を知ることは不可能だ』

キャプションの『武器の発達は戦争(戦略論)を変えてきたか、抑止は可能か』をこれから調べていきたいと思っています。
                  (20190721纏め、20200623追補、20210131追補、#186)

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『コロナが変える米軍の姿 日経新聞のDeep Insightから』 ―バランス・オブ・パワーのタイトロープの危機状態は変わらずー

2020-11-30 22:23:15 | 兵器・戦争

           『コロナが変える米軍の姿 日経新聞のDeep Insightから』

        ーバランス・オブ・パワーのタイトロープの危機状態は変わらずー

 

『今までは』ですが、バランス・オブ・パワーの主力は、❶核兵器搭載の空母打撃群 Carrier Strike Group)・❷戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBM)・❸大陸間弾道ミサイル(ICBM)です。

 

空母ロナルド・レーガン

ウキペディアから引用

アメリカ海軍の航空母艦。 ニミッツ級航空母艦の9番間である。艦名は第40代アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンに因み、存命中の人名がつけられた3番目の空母でもあった。アメリカの空母で唯一海外を母港としている。

 

ロナルド・レーガンは第5空母打撃群 (Carrier Strike Group 5, CSG-5) の旗艦であり、第5空母航空団 (Carrier Air Wing 5, CVW-5) を搭載する。打撃群は第15駆逐戦隊 (Destroyer Squadron 15, DESRON-15) を含む。

 

オハイオ戦略ミサイル原子力潜水艦

ウキペディアから引用

オハイオ級の任務は、海中に潜み、アメリカに対して核ミサイルが発射された場合、または発射される恐れがある場合に相手国に核ミサイルを発射することである。

 

ワクチンの無い状態で、新型コロナウイルス感染症から人間を守る最も平凡でも有効な対策は『三密回避』です。 以前に、表題の記事『コロナが変える米軍の姿』20200523の日経新聞オピニオンDeep Insightに載っていました。 当初は、この新型コロナウイルス感染症が、もう少し早く終焉の兆しを見せるか、またはワクチン開発の目途がもう少し早くつくかと、「たか」を括っていた面がありました。

 

記事からの抜粋・引用です。

新型コロナウイルスの感染を防ぐには、三密回避が鉄則だが、どうしてもこのルールを守れない集団が、これが各国の海軍です。 軍艦、空母も潜水艦はいわば『三密』のかたまりです。 体が触れ合うくらい狭い密室で長い月日、衣食を共にします。 当然、感染が蔓延するリスクは高くなります。

 

3月以降、空母11隻のうち、セオドア・ルーズベルトなど4隻で感染が広がり、任務の中断を強いられた。 その後、3隻は少しずつ任務再開に向かったが、ルーズベルトは5月末まで、グアムで乗員の隔離や消毒に追われた。

 

米軍が超大国でいられる大きな理由は、最強の海軍をもち、世界の海を支配しているからです。 その主力は1隻あたり数十機の艦載機を抱え、どこでも即座に猛攻撃を仕掛けられる空母です。

 

ところが、他国を奮いあがらせる空母があっさり新型コロナに麻痺させられてしまいました。 最も『三密』から逃げられない点では、中国海軍も同じです。

中国は、感染の実態を明かしていないが、元自衛隊幹部は『感染が出てない、はずはない』とみている。

 

パンデミックの脅威は今後、アジア太平洋を巡る米中の海軍競争をどう左右するか、おそらく、米側の受ける方が大きい。 米海軍はこうした課題を精査して、パンデミックに耐えられる姿に進化していこうとするに違いない。

 

米国防省内の議論から判断して、向こう1020年以内に速まりそうなのは次のような変化です。

 

  • 空母を軸とした重厚長大型から、小さな艦船からなる分散型の艦隊の比重を高めていく。
  • ドローンや無人水上艦、無人潜水艦の導入が速まるほか、AIの活用が進む。
  • 演習ではシミュレーター装置などを使った仮想訓練も積極的に取り入れていく。

 

こうした動きは、コロナ前から出ていた。 中国のミサイルや潜水艦の能力が高まるなか、図体が大きい空母は格好の標的なり、沈められてしまう危険が高まっているからです。

 

米国海軍は2034年までに総艦数を289隻から355隻にもっていく計画だ。 当初は空母や潜水艦をふやす方向だったが、ここにきて無人・小型化の流れを反映した内容に見直す動きも出てきています。

 

どこまで、一気に変革が進むかは、余談は許されない。 職を奪われかねないパイロットや艦船の操縦士、軍需産業も反対に回るに違いない。 

 

無人・小型化などの流れは、後ずさりすることはない。 空母を中心とする大型艦隊がミサイルだけでなく、パンデミックにも脆弱なことを、米軍首脳は嫌というほど思い知らされたからです。

 

艦船は、感染症には一番厳しい密閉空間です。 特に原潜の数十日間潜航を続ける密閉空間は、新型コロナウイルス感染症なしでも、ストレスを鬱積させる極限状態にあります。 この極限状態そのもそを危機とする見方もあります。 対中国を考えれば、東アジアに展開する『戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBM)』が、最大の切り札は変わりません。 

アジア太平洋で、米国・日本・韓国・オーストラリアが対中国とのバランス・オブ・パワーを考えると、ますます困難な事態ばかりが思い浮かびます。 この事態の解決をどんどん難しくしている人間の『業』の深さをしみじみと考えさせられます。

                              (20201130纏め #254

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『兵器の発達が変える、バランス・オブ・パワーと、今そこにある危機』 ―開戦・反撃のために、矛先を向けさせた真珠湾の戦艦群?今東シナ海では-

2020-11-11 09:37:22 | 兵器・戦争

『兵器の発達が変える、バランス・オブ・パワーと、今そこにある危機』

―開戦・反撃のために、矛先を向けさせた真珠湾の戦艦群? 今東シナ海では-

 

バランス・オブ・パワーの緊張と世界終末戦争への恐怖が戦争抑止力・回避になっていると言われますが、敵の矛先を変えさせるために、三軍の展開を変えさせることもあり、局地戦も辞さない危険がいつもそこにあります。

 

20世紀には、水素爆弾弾頭装備の大陸間弾道ミサイルICBMが、兵器の極限の絶対兵器と呼ばれていた。 今では、音速の八倍以上の極超音速ミサイルが開発・発射実験が成功し、これが潜水艦発射ミサイルSLBMとして出現・搭載されると究極兵器となりそうです。

 

昔、日本海軍の真珠湾攻撃時に、太平洋配備の米海軍3空母は、航空機の輸送任務に2隻、1隻は整備中で真珠湾からは出港していた。

ウエブ情報から引用

手前が爆沈したアリゾナ、その奥にテネシーとウェストバージニアが見える。

 

一部には『開戦・反撃のために、真珠湾の戦艦群にまずは日本海軍の矛先を向けさせた』と言われますが、真実はこれだったようです。

 

126日の夜には「日本軍の2個船団をカンボジア沖で発見した」というイギリス軍からもたらされた情報がキンメルとショートにも届いた。 キンメルは太平洋艦隊幕僚と、真珠湾にある艦船をどうするかについて協議したが、空母を全て出港させてしまったため、艦隊を空母の援護なしで外洋に出すのは危険という意見で一致したのと、週末に多くの艦船を出港させると市民に不安を抱かせると判断し、艦隊をそのまま在港させることとした。 しかし、これは真珠湾の攻撃を予測していたのではなく、あくまでもワシントン当局の警告通り、日本軍が攻撃してくるのは東南アジアだと考えていた。 ショートにはさらにFBIが盗聴したホノルル東京間の新聞特派員の国際電話通話記録の情報が報告された。 その通話記録では、特派員が東京とオアフ島上空の天候などを頻繁に話し合うなど、航空攻撃を示唆するような情報であったが、ショートも幕僚もこの情報の重要性に気が付くことはなかった。 真珠湾攻撃前夜となったこの夜は、キンメルもショートももたらされる重要情報に気を配ることもなく、どちらもパーティに出席し飲酒している。 ショートは帰路の車中で妻に真珠湾の夜景を見ながら「何とも美しい眺めだね」「でも恰好の攻撃目標になりそうだ」と話しかけたが、奇しくもこの予言はこの約11時間後に実現することとなってしまった。』

 

その裏付けです。

「エンタープライズ」

「真珠湾攻撃」の前の19411128 ウェーク島への航空機輸送任務の為に真珠湾から出港しました。 当初は126日夜に真珠湾に帰港する予定でした。 しかし途中の悪天候により帰港が遅れていたのです。

 

「レキシントン」

「真珠湾攻撃」直前の1941124日に陸軍機を満載してミッドウェイに向けて真珠湾を出港していました。 127日(アメリカ日時)の「真珠湾攻撃」時点でミッドウェイへの輸送任務中でした。

 

「サラトガ」

 127日(アメリカ日時)の「真珠湾攻撃」時点でアメリカ西海岸のカルフォルニア州のサンディエゴ港内で整備中であり出撃不能状態でした。

 

 

最近では、世界の様子は一変していますので、米海軍は空母2隻(ニミッツとレーガン)を中心した艦隊を、東シナ海に派遣、演習をしていますが、これは真珠湾攻撃のころとは、時代も変わり、この空母派遣はどんな効果を期待できるのでしょうか

 

今ではテレビのドラマで流行りの『やられたらやり返す』ですが、日本が経験した戦争は『やられたら・・・・』はありませんでした。 古代・中世・近世と振り返ると分かります。 反対に、米国は日米開戦が、まさかの『やられたら・・・・』、でしたが、それ以降は世界の警察としての参戦でした。

 

そこで、空母機動部隊に対する相手側の戦術の変化ですが『小型兵器の質より量』から更に、デジタル時代の『小型兵器の質も量も』の時代です。 小型兵器は、巡航ミサイル・ドローン・無人機等です。 特に、これらを小型兵器を大量に同時コントロールが可能になっています。 残念ながら戦争には『矛と楯、いわゆる矛盾』はなく、『盾・防衛』には、お金がかかるように、浅学菲才のずぶ素人には、見えます。

 

米国の仮想敵国は皆が十分知っています。 米国の空母機動部隊を『小型兵器の質も量も』で叩いたら、『潜水艦発射ミサイルSLBMとして搭載された、音速の八倍以上の極超音速ミサイルの究極兵器』で反撃されることなりそうです。

 

ウエブ情報から引用

米海軍第七艦隊空母USS Ronald Reagan(CVN 76)の空母艦隊

 

兵器は小型化・高性能化が不断なく進むばかりですが、世界の為政者と科学者の皆様!人間の叡智で、なんとか解決してほしいと祈っています。

20201111纏め ♯243

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『同胞を敵から守り、勝つために工夫もするが、成功も失敗もあるのが武器』—永遠に、平和時に、使われているのが孔明の兵站戦線用の一輪車―

2020-04-07 08:19:54 | 兵器・戦争

『同胞を敵から守り、勝つために工夫もするが、成功

 も失敗もあるのが武器』

『永遠に、平和時に、使われているのが孔明の兵站戦線用の一輪車』

 

  『必要は発明の母』とか『窮すれば通ず』があります。 そのような格

 言通り、歴史上で創られたものがあります。

 

❶諸葛亮孔明の兵站戦線用の一輪車(2世紀)

 ウエブ情報(なんでも三国志)引用

  蜀が魏を攻める際に、道が険しく、食糧の輸送に四苦八苦しており、それをスムーズにできるように発明した物。 蜀は、今の四川盆地にあり、中原の魏を征服するのが念願でしたが、『守るによし』の蜀は、中原への遠征には『蜀道の険』という難所があります。

 

ウエブ情報(蜀の桟道の画像)引用

 『蜀道の険』とは漢中から成都への桟道の事を指す。 李白『「蜀道の難は、青天に上るよりも難かし」と歌ったほどの難所』であった。  中でも、垂直に切り立った岩肌に取り付く蜀の桟道は、現在は観光名所(四川省広元市朝天区 明月峡、陝西省漢中市勉県 石門桟道など)として知られる。 日本人ならば『隧道・洞門・覆道』等の代案を考えたかもしれません。

 中国の歴史上の人物で、凄いと思える人の一人が諸葛亮孔明ですが、劉備に仕え、劉備にその後継者にと見込まれても断り、二番手を貫いた人物です。 結局、司馬遷の子孫で、粘り強かった司馬懿仲達の『蜀の兵站戦線の弱点』を徹底的についた作戦が実り、諸葛孔明の第5次に及ぶ北伐・中原進出はなりませんでした。 しかし『一輪車(中国名 木牛流馬)』現代までも残りました。

 

現代でも伝わり使われている『一輪車ネコ』
ウエブ情報(一輪車ネコの画像)引用

 このルーツが諸葛亮孔明の一輪車にあったのに驚きます。 小さいころに、工事現場よく見た、一輪車、いまでも現役です。 この一輪車、「ネコ」や「猫車」と呼ばれているそうです。 その由来は諸説ありますが、有力視されているのが建設現場にあります。 板を渡しただけの幅の狭い足場のことを『ネコ足場』や『キャットウォーク』と呼んでいますが、ここを通るための一輪車をネコと呼んだのではないかという説です。

 

❷数メートルの厚さの城壁を攻める攻城砲・ウルバン砲(15世紀)

 この砲は、オスマン帝国が1453年のコンスタンティノープル攻略戦で使用した大砲「ウルバンの巨砲」とも呼ばれる。 名前は開発者である15世紀のハンガリー人ウルバンに因む。 ウルバンは当初東ローマ帝国側に大砲を売り込んだが、拒絶された(しかも牢獄に送られた)ためにオスマン帝国に与したと言われている。 

ウエブ情報(ウキペディア)より引用

 このウルバン砲に纏わる逸話を二つ、

●『わたしがあなたからほしいものは、ただ一つ。 あの街をください』
ビザンチンの歴史家ドュカスが伝えるオスマントルコの若き皇帝メフメト2世が、大宰相カリル・パシャ(後に粛清してしまう)に、父ムラト2世がとった融和共存策をかなぐり捨てて、ビザンチン(東ローマ)帝国首都コンスタンティノープル(=あの街)征服を決行することを伝える台詞です(塩野七生『サイレント・マイノリティ』より)。 この皇帝は、コンスタンティノープルを三度攻めて、1453年、三度目の正直で落城させています。

● このウルバン砲は、2回目に使われたときは、1807年のイギリス・オスマン戦争中の、作戦名『ダーダネルス作戦』に因み、『ダーダネルス砲』と呼ばれました。 三百数十年後に使用可能な青銅製の巨砲、または製造ができたことが脅威です。

 

❸パンジャンドラム(20世紀)

 20世紀フォックス制作の『史上最大の作戦(The Longest Day)』 で有名な、ノルマンディー上陸作戦(Invasion of Normandy、連合軍130万余 vsドイツ軍38万)は、第二次世界大戦中の1944年6月6日に連合軍によって行われたドイツ占領下の北西ヨーロッパへの侵攻作戦。 正式作戦名「ネプチューン作戦」(Normandy landings)。 なお上陸からパリ解放までの作戦全体の正式名称はオーヴァーロード作戦(Operation Overlord)。 

 この作戦には、ユニークな陸上地雷『パンジャンドラム』が開発、製造され、投入されています。 パンジャンドラム((The Great) Panjandrum)とは、第二次世界大戦中にイギリス軍で開発が行われていたロケット推進式の陸上地雷です。 これは陸上地雷というより、陸上走行爆弾と呼ぶ方が、合っているかと思います。

 約1.8トンの炸薬を詰めた本体を直径3mの車輪で挿んだボビン状の構造。車輪のリムに装着された多数の固形燃料ロケットモーターを一斉に噴射させることによって車輪を回転させて走行する。つまり、ロケットによって直接推進力を発生させるのではなく、あくまでも車輪と地面の摩擦抵抗によって前進する。これは海岸の砂地のような場所では、車輪がただ空回りする事になるのは自明の構造であり、根本的な欠陥であった。 また、簡易化のため方向を安定させるジャイロスコープなどは一切装備されておらず、これも後に致命的な欠陥となった。 ユニークな発明ですが、実戦、フランス海岸のドイツ軍の陣地破壊には役立たなかったようです。 
  (20200406纏め #153)

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