晴耕雨読なくらし

じねんじょに夢をかけるおじさんの物語

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

2022-05-22 06:07:57 | 地域の文化や出来事
5月21日からは七十二候の一つ『蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)』です。
蚕起食桑とは蚕が食べる桑の葉をたくさん茂る頃で、
蚕はいっぱい食べて成長します。

蚕が紡いだ繭が美しい絹となり、
人々の暮らしを支えていたため、
「おかいこさま」と敬称をつけて呼んでいました。
蚕は古来より家畜化されたたため、
野生には生息していなく自分では餌を探すこともできません。
翅はあるものの飛んで逃げだすことは出来ないとのことです。

我が集落でも往時は盛んだったようで、
蚕を飼っていた家は大概二階建てでした。
それも人が住むような家でなく中二階的な作りだったように思う。
二階が蚕の住まいで上り下りが大変だったにもかかわらず、
暖かい部屋で大きくなってもらおうと何より蚕を大切に扱っていた証です。

そんな蚕も生糸の衰退とともに消えていき、
私が物心ついた頃にはほぼ無くなっていたのでないかな。
集落にいっぱい広がっていた桑畑はもうありません。
おやつ代わりに桑の実を食べ口中を紫色にした子供の頃が懐かしい。
写真は桑の木が辛うじて一本だけ、
我が家の隣りの畑に残っていたのを今朝撮ったものです。

< 腹減り桑の実おやつせし遠き日 >
コメント
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