思っていたより大きな反響があってびっくり・・・。
拙い日本語ですが、なるべく読みやすいように書こうと思います。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
さて、尾道からしまなみ海道のサイクリングロードに入ることには成功しました。(前記事参照)
どのくらい距離があるのかは出発する前にも知らなかったわけですが、
この時点で、実は70km走って来たことになります。
6時間かかっていますが、ママチャリだったことを考えれば悪くないペース。
しまなみ海道には以前、家族と車で遊びに来たことがありました。
記憶ではそれほど入り組んだ道でもなかったし、
後は道なりに進むだけで今治まで行けるな・・・と安易に考えていました。
が、甘かった・・・。甘すぎました。
そもそも自動車道とサイクリングロードはほとんど伴行していないんです。
前知識も全く無かったので、
しまなみ海道のサイクリングロードが80kmもあるとは思ってもみませんでした。
(※ 尾道~今治の自動車道の長さは60km)
▲瀬戸大橋と違って、しまなみ海道は複数の橋が島々を連絡することによって通行が可能となっています。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
1つ目の島、 向島 では入ってすぐに24時間営業のスーパーを見つけました。
(思っていたよりも人口多そうだし、物資の補給にも困らないかも・・・)
なんて思いましたが、実際にはこの島が特殊だったというだけの話。
さて、向島の市街地(?)を抜けると海が見えてきました。
海沿いのサイクリングロードって言うのは素敵なもんですよ。
聞こえるのは潮騒だけ。
ライトアップされた因島大橋は月と調和して、なんとも言えない美を醸す・・・
おそらく、他ではなかなか味わえない風景だと思います。
是非現地へ赴いて見てもらいたいです。
(残念ながら、携帯のカメラじゃうまく撮れなかったんですよね)
その風景をみて、少し精神力を回復できました。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
そのままひたすら「サイクリングロード」の案内の沿って進むと、坂道にさしかかりました。
考えても見れば、自転車は橋を渡るたびに坂道を登らなければなりません。
船を通すために(?)橋は全て高い位置に架かっているから。
正直、それに気づいたときちょっとげんなりしました・・・。
(自動車の場合、こんな高低差はありません)
尾道までは直線的な道筋だったから、
時間に比例して進め、目的地へ近づいているのを実感できたんです。
一方、しまなみに入ると曲線的な道ばかり。
さらに、案内標識も無くなり(あれは自動車のためのものだから)、
次の目的地である今治まであと何kmあるのかも分からなくなりました。
あるのは次の橋まで何kmかという表示だけです。
それらの理由から、2つめの島、 因島 に入ってから、
だんだんだんだんテンションが下がってきました。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
因島に入ったときの時刻は午後11時半。
もうすぐ日が変わろうとしていました。
夜通し自転車をこぐつもりだったとはいえ、
やっぱり真夜中になってくると気力もやせ細ってきます。
さらに悪いことに、因島に入ってから急速に辺りが暗くなりました。
更けてきたからというのもあるんですが、主な理由は街灯の数がほとんどなかったから。
サイクリングロードは自動車道とは別の道だし、
まさか夜サイクリングロードを利用する人間がいるとは、
作った人も想定していなかったみたいです。
『本当の恐怖とはその対象によるものではない。最も恐ろしいのは人の想像力なのだ』
という言葉を聞いたことがあります。
想像してください。
時刻は真夜中。
居るのは自分ひとりだけ。
(夜中、しまなみ海道ですれ違った人は一人も居ません)
辺りを見回しても、ただ鬱蒼とした木々の影のみが見えるのみ。
周りは暗く、周囲に人の姿はおろか人家すらない。
・・・結構きついです。
尤も、この時点でその状況に陥ったわけではないんですけどね。
このとき、人家や街灯はわずかながらありました。
ただ、辺りが暗いために「サイクリングロード」という道案内が見えないんです・・・
うっかりすると見過ごして違う道へ進んでしまいそうでした。
道が緑色に塗られているのも手がかりにはなるんですが、
正しい道なのにその緑色の加工がなくなることもしばしばあるので、正直あてにはできませんでした。
そして・・・結局、道に迷いました。
悲痛でした・・・
持っている地図は参考にならない。
(細かい自転車道なんて書かれているはずもない)
人に聞こうにも誰もいない。
携帯はあるけど、充電切れそう
(←写真なんて撮ろうとしたのが間違いだった…)
そもそも携帯が使えたところで、この辺の地理に明るい人なんて居ない。
迷子になったらその場を動くな、と小さいころは言われていましたが
まさかそんなところで野宿するところにもなれず、さまよい続けました。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
・・・そして、さまよう事30分。
とある工場の前に出て、ようやく分かりました。
なぜ道に迷うことになったのか、が。
(あれ・・・なんでこの工場、因島って書かれているんだ・・・?)
気が急くあまり、いつのまにか自分は今3つ目の島(生口島)にいるんだと勘違いしていたんです。
だから、2番目(因島)と3番目の島(生口島)を結ぶ橋を渡れば、
尾道方面へ戻ってしまうことになると思い込んでいたんです。
実際には2番目の島(因島)にいるので、その橋(生口橋)を渡って、
3番目の島(生口島)へ行かなければならなかったのに。
今思えば、なんでそんな間違いを犯したんだろうと首をひねるようなミスです・・・
焦っていたんでしょうね。ひどく。
そして、暗闇が及ぼす精神的な影響はかなり強かったということでしょう・・・
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
工場の前から海沿いにひたすら進み、どうにかサイクリングロードに戻ることが出来ました。
しかし、精神的にも体力的にもそろそろ限界が近づきつつありました。
(さすがに徹夜で走りとおすのは無理だ・・・)
当面の目標が、「夜の間にしまなみ海道を走りぬける」から
「野宿できそうな場所を見つける」へと変わりました。
(そうはいっても、少しでも今治に近づいておきたい・・・)
くじけそうになりながら、生口橋を通過。
やっとのことで、3番目の島、 生口島 に入りました。
(よし・・・6つの島のうちの3番目なんだから、もうすぐ半分だと考えていいんだよな)
なんてプラスに考える暇もなく、目に入ったのは
「 ← 自動車 自転車・歩行者 → 」
という看板。
(また真っ暗な道を一人行かないといけないのか・・・)
と意気消沈しました。
(そばを車が走っているだけでも孤独感はかなり慰められるもんなんです。)
ただ、生口島では沈んでいる暇はありませんでした。
この島、本当に何もないんです。
街灯も無く真っ暗。
自分の自転車のライトのみが頼りでした。
これが何を意味するか分かりますか?
どんなに疲れていようとも、
真っ暗になるのを避けるためにはこぎ続けるしかなかったんです。
たとえ坂道が続こうとも・・・。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
しまなみ海道の中で、この島が一番心細かったです。
何せ、真っ暗な道に入った時に「次の橋まで15km」の看板を見せられていますからね・・・。
本当に孤独でした。
実際、半径数km内に自分しかいない時間というのもかなりあったと思います。
対岸の島の明かりもほとんどありません。
今までに経験した中で一番濃密な闇に支配された空間でした。
まだ海沿いの道はいいんです。
山側に入り込んでいる道が本当に暗いんです。
勾配を緩やかにするために、その「山道」が何kmも続くんですが、
上も下も前も後ろも真っ暗・・・。
いつの間にか月は沈み、月明かりもなくなりました。
では素敵な星空が広がったか?
否。
木々は覆いかぶさるように枝を伸ばし、満天の星空を見ることなど出来ませんでした。
もはや、景色を楽しむ余裕など皆無でした。
(楽しもうにも見えるのは空だけだけど)
ひたすらこぎました。
一刻も早くこのエリアを通過してしまいたいと思いつつ・・・。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
精神的にも肉体的にもぼろぼろの状態で、多々羅大橋を渡りました。
なんとか「暗闇の15km」を制覇できたみたいでした。
ぼろぼろすぎて、逆に多々羅大橋を楽しんで渡れた気がします。
自分の卑小さを感じつつ、
この建造物の巨大さとそれに注がれた情熱に思いを馳せながら・・・。
長くなったので、とりあえずここで一時終わります。
多分まだ続きます。
こんな超駄文に付き合ってくださって、ありがとうございました。
拙い日本語ですが、なるべく読みやすいように書こうと思います。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
さて、尾道からしまなみ海道のサイクリングロードに入ることには成功しました。(前記事参照)
どのくらい距離があるのかは出発する前にも知らなかったわけですが、
この時点で、実は70km走って来たことになります。
6時間かかっていますが、ママチャリだったことを考えれば悪くないペース。
しまなみ海道には以前、家族と車で遊びに来たことがありました。
記憶ではそれほど入り組んだ道でもなかったし、
後は道なりに進むだけで今治まで行けるな・・・と安易に考えていました。
が、甘かった・・・。甘すぎました。
そもそも自動車道とサイクリングロードはほとんど伴行していないんです。
前知識も全く無かったので、
しまなみ海道のサイクリングロードが80kmもあるとは思ってもみませんでした。
(※ 尾道~今治の自動車道の長さは60km)
▲瀬戸大橋と違って、しまなみ海道は複数の橋が島々を連絡することによって通行が可能となっています。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
1つ目の島、 向島 では入ってすぐに24時間営業のスーパーを見つけました。
(思っていたよりも人口多そうだし、物資の補給にも困らないかも・・・)
なんて思いましたが、実際にはこの島が特殊だったというだけの話。
さて、向島の市街地(?)を抜けると海が見えてきました。
海沿いのサイクリングロードって言うのは素敵なもんですよ。
聞こえるのは潮騒だけ。
ライトアップされた因島大橋は月と調和して、なんとも言えない美を醸す・・・
おそらく、他ではなかなか味わえない風景だと思います。
是非現地へ赴いて見てもらいたいです。
(残念ながら、携帯のカメラじゃうまく撮れなかったんですよね)
その風景をみて、少し精神力を回復できました。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
そのままひたすら「サイクリングロード」の案内の沿って進むと、坂道にさしかかりました。
考えても見れば、自転車は橋を渡るたびに坂道を登らなければなりません。
船を通すために(?)橋は全て高い位置に架かっているから。
正直、それに気づいたときちょっとげんなりしました・・・。
(自動車の場合、こんな高低差はありません)
尾道までは直線的な道筋だったから、
時間に比例して進め、目的地へ近づいているのを実感できたんです。
一方、しまなみに入ると曲線的な道ばかり。
さらに、案内標識も無くなり(あれは自動車のためのものだから)、
次の目的地である今治まであと何kmあるのかも分からなくなりました。
あるのは次の橋まで何kmかという表示だけです。
それらの理由から、2つめの島、 因島 に入ってから、
だんだんだんだんテンションが下がってきました。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
因島に入ったときの時刻は午後11時半。
もうすぐ日が変わろうとしていました。
夜通し自転車をこぐつもりだったとはいえ、
やっぱり真夜中になってくると気力もやせ細ってきます。
さらに悪いことに、因島に入ってから急速に辺りが暗くなりました。
更けてきたからというのもあるんですが、主な理由は街灯の数がほとんどなかったから。
サイクリングロードは自動車道とは別の道だし、
まさか夜サイクリングロードを利用する人間がいるとは、
作った人も想定していなかったみたいです。
『本当の恐怖とはその対象によるものではない。最も恐ろしいのは人の想像力なのだ』
という言葉を聞いたことがあります。
想像してください。
時刻は真夜中。
居るのは自分ひとりだけ。
(夜中、しまなみ海道ですれ違った人は一人も居ません)
辺りを見回しても、ただ鬱蒼とした木々の影のみが見えるのみ。
周りは暗く、周囲に人の姿はおろか人家すらない。
・・・結構きついです。
尤も、この時点でその状況に陥ったわけではないんですけどね。
このとき、人家や街灯はわずかながらありました。
ただ、辺りが暗いために「サイクリングロード」という道案内が見えないんです・・・
うっかりすると見過ごして違う道へ進んでしまいそうでした。
道が緑色に塗られているのも手がかりにはなるんですが、
正しい道なのにその緑色の加工がなくなることもしばしばあるので、正直あてにはできませんでした。
そして・・・結局、道に迷いました。
悲痛でした・・・
持っている地図は参考にならない。
(細かい自転車道なんて書かれているはずもない)
人に聞こうにも誰もいない。
携帯はあるけど、充電切れそう
(←写真なんて撮ろうとしたのが間違いだった…)
そもそも携帯が使えたところで、この辺の地理に明るい人なんて居ない。
迷子になったらその場を動くな、と小さいころは言われていましたが
まさかそんなところで野宿するところにもなれず、さまよい続けました。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
・・・そして、さまよう事30分。
とある工場の前に出て、ようやく分かりました。
なぜ道に迷うことになったのか、が。
(あれ・・・なんでこの工場、因島って書かれているんだ・・・?)
気が急くあまり、いつのまにか自分は今3つ目の島(生口島)にいるんだと勘違いしていたんです。
だから、2番目(因島)と3番目の島(生口島)を結ぶ橋を渡れば、
尾道方面へ戻ってしまうことになると思い込んでいたんです。
実際には2番目の島(因島)にいるので、その橋(生口橋)を渡って、
3番目の島(生口島)へ行かなければならなかったのに。
今思えば、なんでそんな間違いを犯したんだろうと首をひねるようなミスです・・・
焦っていたんでしょうね。ひどく。
そして、暗闇が及ぼす精神的な影響はかなり強かったということでしょう・・・
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
工場の前から海沿いにひたすら進み、どうにかサイクリングロードに戻ることが出来ました。
しかし、精神的にも体力的にもそろそろ限界が近づきつつありました。
(さすがに徹夜で走りとおすのは無理だ・・・)
当面の目標が、「夜の間にしまなみ海道を走りぬける」から
「野宿できそうな場所を見つける」へと変わりました。
(そうはいっても、少しでも今治に近づいておきたい・・・)
くじけそうになりながら、生口橋を通過。
やっとのことで、3番目の島、 生口島 に入りました。
(よし・・・6つの島のうちの3番目なんだから、もうすぐ半分だと考えていいんだよな)
なんてプラスに考える暇もなく、目に入ったのは
「 ← 自動車 自転車・歩行者 → 」
という看板。
(また真っ暗な道を一人行かないといけないのか・・・)
と意気消沈しました。
(そばを車が走っているだけでも孤独感はかなり慰められるもんなんです。)
ただ、生口島では沈んでいる暇はありませんでした。
この島、本当に何もないんです。
街灯も無く真っ暗。
自分の自転車のライトのみが頼りでした。
これが何を意味するか分かりますか?
どんなに疲れていようとも、
真っ暗になるのを避けるためにはこぎ続けるしかなかったんです。
たとえ坂道が続こうとも・・・。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
しまなみ海道の中で、この島が一番心細かったです。
何せ、真っ暗な道に入った時に「次の橋まで15km」の看板を見せられていますからね・・・。
本当に孤独でした。
実際、半径数km内に自分しかいない時間というのもかなりあったと思います。
対岸の島の明かりもほとんどありません。
今までに経験した中で一番濃密な闇に支配された空間でした。
まだ海沿いの道はいいんです。
山側に入り込んでいる道が本当に暗いんです。
勾配を緩やかにするために、その「山道」が何kmも続くんですが、
上も下も前も後ろも真っ暗・・・。
いつの間にか月は沈み、月明かりもなくなりました。
では素敵な星空が広がったか?
否。
木々は覆いかぶさるように枝を伸ばし、満天の星空を見ることなど出来ませんでした。
もはや、景色を楽しむ余裕など皆無でした。
(楽しもうにも見えるのは空だけだけど)
ひたすらこぎました。
一刻も早くこのエリアを通過してしまいたいと思いつつ・・・。
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
精神的にも肉体的にもぼろぼろの状態で、多々羅大橋を渡りました。
なんとか「暗闇の15km」を制覇できたみたいでした。
ぼろぼろすぎて、逆に多々羅大橋を楽しんで渡れた気がします。
自分の卑小さを感じつつ、
この建造物の巨大さとそれに注がれた情熱に思いを馳せながら・・・。
長くなったので、とりあえずここで一時終わります。
多分まだ続きます。
こんな超駄文に付き合ってくださって、ありがとうございました。