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2022.4.30 『宿弗山』(しゅったやま・867m)  360度遮るもののない世界

 30日の朝は平取町豊糠の、

「額平川」河畔で目覚めた。

静かで誰もいない車中泊地は快適だ。

そして早朝目覚めると空は快晴で、

昇るのが随分早くなった太陽の光りがまぶしい。

この日は平取町で藪山に入る予定だったが、

せっかくの好天なので、

広い風景を眺められる山に変更することにした。

そこで思いついたのが、

近くの『宿弗山』だ。

この山には3年前に登っている。

なんだかもたもたして時間が過ぎていく。

 平取町振内を走る国道237号線の、

「沙流川」に架かる「幌去橋」から、

「仁世宇川」に沿って伸びる、

「仁世宇川林道」に入った。

ここから8.5km走ると、

『宿弗山』に続く「シュネナイ林道」に出合う。

 「仁世宇川林道」は景色が美しい。

地理院地図の「仁世宇3号橋」の先、

1kmほどのところで、

「シュネナイ林道」と出合うのだが、

その「仁世宇3号橋」は消失していた。

しかし応急処置的な工事を終えていたので、

通行には支障なかった。

 「シュネナイ林道」に入り、

少々荒れ気味の路面を走る。

そして1km弱で林道ゲートが現れる。

ゲート前には十分な駐車スペースがあった。

 7時50分、スタート。

この朝は5時過ぎに起きていたのに、

この時間まで何をしていたのか・・・

 春の陽光が燦燦と降り注ぐ中を、

快適に歩を進めていく。

すると間もなく路上に転がる、

シマヘビの死骸があった。

こういうものはなるべく目にしたくない。

 視界が利かずに淡々と歩を進めていく林道も、

地形図上の「466m標高点」まで上げると、

伐採地が現れ、

突然東側の風景が見渡せる。

ちょうど『幌尻岳』(2,052m)が見えていたので、

『シキシャナイ岳』(1,058)と重なるような、

『幌尻岳』頂上部をアップにしてみた。

 一旦遠くの風景が見えると、

その後は見通しが利きやすくなり、

それなりに足も軽くなる思いがする。

そして美しい白樺の中を歩いて行くと、

林道は直線的になり、

地形図上の「726m標高点」を過ぎると、

徐々に背後の風景が広がりだす。

白く雪をまとった日高山脈の山並みが美しい。

何度も立ち止まって振り返る。

 もう目指すピークが近くなった780で、

左手の藪に入った。

笹はすぐに切れて、

歩きやすい針葉樹林の中を歩く。

そしてピークの直前で樹木がなくなり、

再び笹に入って急斜面を登る。

これを登りきると、

360度視界を遮るもののないピークに飛び出す。

10時05分、『宿弗山』(三等三角点:宿弗=しゅくどる)

素晴らしい!

西の増毛山地、すぐ北側には『坊主山』(穂別・791m)。東には「十勝連峰」。

そして東から南にかけては、

『幌尻岳』を中心とした、

日高山脈の核心部分が並んで見えている。

その中にはこの前日に登った、

『双珠別岳』の姿もあった。

この朝こういった景色を目にしたくて、

急きょ変更してこの山に登ったが、

これほどまでに感動的な風景を目にできるとは、

正直思っていなかった。

そこでHiromi、

「今日この山に登ってよかったねえ!」

御意!

 何度も何度も身体を回転させ、

360度に広がる風景を眺めながら、

パン休憩をとった。

 下山はまた藪を漕いで、

直下を走る林道に下り、

そのまま林道を戻った。

途中の700辺りで、

美しい笹の『宿弗山』ピークが、

わずかだけ見えるのが印象的だ。

 もうゲートが近くなった地点にあった、

シマヘビの死骸は消えていた。

キツネが持ち去ったか?

 12時20分、駐車地。

いやあ、大変美しく、

深く心に残る楽しい山行だったことに感謝!

もう一泊の予定だったが、

翌日の雨予報を考慮し、

一旦帰宅することにした。

 

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