ゆとり教育の裏側

2016-05-08 14:27:22 | 学習塾・勉強の仕方

GW中の時間の合間に本を読んでいました。

石原慎太郎元東京都知事のことが書かれた本の中に、今では悪名高き2002年のいわゆるゆとり教育について触れた個所があって目をひきました。

ゆとり教育。

それまでの教育内容を3割削ってしまうという思い切った内容で、当時はそれなりにこれを前向きに受け止める空気がないではありませんでした。

円周率をそれまでの3.14から約3にするということが随分象徴的に報道されていました。

で、本の中でひっさやがその時の文化庁長官であった三浦朱門氏に「これで子供たちの学力が下がる心配はありませんか」と尋ねたところ、概略以下のような驚くべき返答があったとあります。

いわく、学力低下の何が悪い。というより、もともと学力のない層に合わせて指導する必要がどこにある。そういう層の子には従順な国民に育てることだけをし、勉強の指導対象はよくできる子だけに絞ればいい。どの国もそうやってリーダーを育てている…

いやはや、いまさらながら驚くというか、呆れるしかない「ご意見」でして(笑)。

日本は一応はどこかのおかしな国と違い、自分の意見を自由に明かしてよいことにはなっていますが、それにしても時の行政側の人間が(仮に個人的意見と言い繕ったとしても)「出来ない子は相手にせず、出来る子だけを対象に指導すればいいじゃないか」という、その向いている方向にいまさらながら空恐ろしさを感じないではいられません。

今、このゆとり教育はすでに誤りであったということで過去の扉の中に閉じ込められているのがせめてもの救いですが、あの当時、われわれ学習塾の側は、この流れを受けて「それでいいのか?」という反応が様々起こったことをよく覚えており、決してお上の指し示す方向に唯々諾々としていたわけではないことも思い出して、ほんのちょっと塾のプライドを意識した読書ではありました。


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