雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 178 鳥飼杏宇さん著『樹霊』東京創元社

2011年11月19日 20時40分18秒 | 本と映像の森
本と映像の森 178 鳥飼杏宇さん著『樹霊』東京創元社、2006年8月31日初版、258ページ、定価1500円+消費税、【浜松市立中央図書館蔵書】

 北海道日高地方の「古冠(ふるかっぷ)村」を舞台に、アイヌの土地を開発しようとする人々と反対する人々が対立し合っている。

 若い女性写真家猫田夏美は、巨樹撮影のためその古冠村にまぎれこんで、事件に立ち会うことになる…。

 「木が動く」のはなぜ?何の目的で誰が?そこに起き始める行方不明や殺人事件に翻弄される猫田と古冠職員の若い男性の鬼木…。

 ちなみに「深夜、ぼーぼーと鳴く大木」、いいですね。

 もちろん木が鳴くわけはないので…。鳴くのは北海道の○○○○○○です。

 テーマは、物語の展開していく見かけのテーマ「アイヌの所有か倭人の所有」か、であるように見えますが、そうではなくて、「所有とは何か」という根源的なテーマに迫りかけているように思いました。

 <観察者>探偵・生物学者の鳶山シリーズだそうです。他のも読みたくなりました。

日本古代史の本 佐々木高明『日本文化の基層を探る』

2011年11月19日 14時37分46秒 | 日本と世界の古代史・遺跡・遺物
日本古代史の本 佐々木高明さん著『日本文化の基層を探る ーナラ林文化と照葉樹林文化ー』NHKブックス、日本放送出版協会、1993年10月30日第1刷~2004年2月10日第10刷、253ページ、定価970円+消費税

 佐々木さんの提唱する文化=社会系統論の特徴は、東日本のナラ林に特徴的な縄文文化と稲作農耕文化のあいだに、もう一つ照葉樹林文化がもたらした焼き畑農耕とその文化を重要視していることです。

 サトイモや雑穀栽培、味噌・納豆など大豆の加工食品、漆、などなどです。

 もう一つ、この本の特徴は、「5 海人と王権 ーその文化の系譜」(p159~192)で、日本列島の海人たちについて、3つ(4つ?)の系統を区別していることです。

 一つは、宮本常一さんが「南島系」と規定する、オオヤマヅミ神を祭る海人たちです。この海人たちは海に潜るのは男性だけです。南島から日本の海岸線をたどってきたようで「瀬戸内へまっすぐ入ってこずに、本州南岸を黒潮にのって志摩から伊豆の三宅島、伊豆の三島と展開し、瀬戸内へは鴨氏と結びついて摂津から入るという入り方をしている」としています。

 二つ目は江南系の一つ目の流れで、「安曇(あずみ)氏」です。ワタツミの神を信仰して、瀬戸内海から更に東へ、愛知県では「渥美半島」に名を残し、海から上陸して長野県では「安曇野」に定住しています。

 三つ目の、江南系のもう一つの流れが、ムナカタ氏で、ムナカタ氏の女性・尼子娘(あまこのいらつめさん)が天武天皇さんの后になり、高市皇子さんを生みました。彼女は胸形君徳善(むなかたのきみとくぜん)さんの娘です。

 さて、そうするとたとえば、わが浜松市の縄文時代の蜆塚遺跡を残した海人や、同じ縄文時代の日本海岸の能登半島の真脇遺跡の「日本漁業発祥の地」ともされる海人(うみびと)たちは、どこから来たのでしょうか?あるいはその文化のルーツは?

 それはともかくとして、この本は鵜呑みにしないで、細かく検討しながら租借してじっくり研究する価値のある本です。

雨宮日記 11月19日(土)早朝 今日は大雨の想定です

2011年11月19日 06時06分00秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 11月19日(土)早朝 今日は大雨の想定です

 金曜日の夜中、午前1時過ぎに事務所を車で出た頃から、雨が降り始めました。ときどき、雨足が強くなりますが、仕事の終わる午前5時過ぎまでは、なんとか少雨で保ちました。

 予報では、今日の昼間に大雨になりそうなので、仕事のおわった時間でホッとしました。

 今年は、洪水の国・タイの洪水は「想定外」で、地震と津波の国・日本の地震と津波は「想定外」でしょうか。

 自然と生命を知らず、地球とその変化を知らず、知らなくても、想定はしなくても何とかなると思ったのが、致命的ですね。

 TPP交渉が、もし成功したりすると、自然や地球の「想定外」の猛威に加えて、社会的な猛威が日本の農業・農民を壊滅させることになるとぼくは思います。

 川勝静岡県知事さんは、ときどきまともな判断と発言をしていて、歴代の静岡県知事さんのなかでは、一番良いと思いますが、その川勝さんでも、TPP問題では、それぞれの農家や農業製品は優秀だから、競争に耐えられるみたいな感想を言っていますが、ほんとうでしょうか。

 すくなくとも、それは個々の農民の実感とは、かなり違うと思いますが、どうでしょうか。


雨宮日記 11月18日(金) ブータン国王ご夫妻を見て

2011年11月19日 05時42分41秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 11月18日(金) ブータン国王ご夫妻を見て

 若いブータン国王ご夫妻が来日して、テレビで報道を見たり、新聞記事を見ました。ネットもすこし検索して、いろいろ知りました。

 若い国王陛下とさらに若い王妃さま、ラブラブという幸せを周囲にふりまく感じで、すごくいいですね。

 人種的にアジア系というか、日本人に似ています。王様は「日本人の某プロレスラー」に似ているし、王妃さまは、浜松の街を歩いている女子高校生という感じです。

 東南アジアの「半月弧」=照葉樹林文化の西の端と東の端なのでしょうか。

 スピーチで「ここにいらっしゃる皆さん全員を抱きしめたいけど、その代表として王妃を抱きしめます」と宣言して、王妃さまを抱擁。とてもいい感じです。

 ブータンは、漢字で「不丹」と書きます。国の面積は九州と同じくらいで、人口は70万人ですから、浜松市の人口80万人と同規模です。

 人口密度は1平方kmあたり18人。
 
 世界で唯一、チベット仏教を国教とする国です。

 もともとは絶対王政でしたが、いまは憲法を制定した立憲君主国です。その憲法の中に前代の国王さんが提唱した「国民総幸福」が書かれているそうです。

 GNHは 1.心理的幸福、2.健康、3.教育、4.文化、5.環境、6.コミュニティー、7.良い統治、8.生活水準、9.自分の時間の使い方の9つで構成されているそうです。

 GNPは高いけど、年間3万人が自殺する日本人として考えると、日本国民全員を対象に「国民幸せ度調査」をして欲しいです。

 2007年に初めて行われたブータン政府による国勢調査では、「あなたは今幸せか」という問いに対し9割が「幸福」と回答したそうです。

 日本で同じ調査をすれば、何割が「幸福」になるでしょうか。2割?1割?