雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

地震・防災の本 木村政昭さん『富士山大噴火』宝島新書、2011年8月

2011年11月30日 05時29分27秒 | 地震・原発・津波・防災情報
地震・防災の本 木村政昭さん著『富士山大噴火 ー不気味な5つの兆候ー』宝島新書、宝島社、2011年8月17日第1刷~10月29日第2刷、191ページ、定価952円+消費税

 昨日(11月29日(火))に行きつけの谷島屋三方原店に注文した本を買いに行って、ついでに店の中を回りました。自然科学のコーナーで、お目当ての『天文年鑑 2012』(29日の朝刊に広告が出ていた)がなくて、ちょうど、この本の表紙が目につきました。

 「あっ!この本は、ぼくに読まれたがっている」とピンときて、すぐ買いました。

 木村政昭さんは、海洋地質学者で、別の本を紹介したいのですが、それはまたいつか。

 木村さんは、小規模地震の解析から、過去の1983年の三宅島、1986年の伊豆大島・三原山、1991年の雲仙普賢岳の噴火を「事前に予知していた」(p6)と言っています。

 それが本当かどうかは、実際に皆さんが読んで判断してください。

 ぼくの言えるのは、地震学者の主流の「地震発生確率何%」という確率論よりは、その正否が確定できるということです。

 木村さんは、自分の方法から、小規模地震の起こり始める最初から「30数年」で噴火が起こり、それまでに小規模地震の3回の「山」があるとしています。

 木村さんの計算では、富士山噴火が起きるのは「2011年±4年」です。

 その兆候として、木村さんは、こういう事象をあげています。
 
 ○1987年の富士山の異変、忍野八海の水位低下
 ○1989年、手石海丘海底噴火、8月11日静岡沖地震(M6.5)
 ○2000年からの富士山地下の低周波地震
 ○2003年、富士山東北斜面の熱い噴気
 ○1987年、2006年、河口湖での気泡発生
 ○2011年3月15日、静岡県東部地震(M6.4)
 ○2001年~2010年、青木ヶ原の風穴の氷が溶ける
 ○2007年富士山西麓の「スラッシュ雪崩」

 木村さんの推定が正しいか,間違っているか、ぼくもこれから検討しますが,すくなくとも、無視していい学説ではないと思います。

 それと、大事な意見は、日本列島全体が、歴史時代でいうと、地震・火山活動が活発な3つの時期の、3回目の時期に当たっていると言うことです。

 第1期めは、飛鳥から平安の時代の500年間、第2期は室町から江戸初期の200年間、第3期は1923年の関東大震災に始まるこれからの数百年です。

 もう一つ、興味深く読んだのは、書かれた文献にあまり出てこない、「革新的地質学者」が地殻の大規模な横への移動である「プレートテクトニクス」を受け入れられず、受け入れた木村さんは冷遇視されたという内容の部分です。

 第2章の、p69「プレート学説をめぐりイデオロギーが対立」と書かれています。

 p72に「革新系の地質学者はアンチプレート派が多かった」と明記されています。

 「革新系」というのはぼかした表現で、つまり「地団研(地学団体研究会)」系の、共産党系の学者ということだと思います。もし、違っていたら、抗議・訂正を受け付けます。

 本来「革新」系で、革新が大好きな科学者が、地殻が横に動いて,地震や火山活動を引き起こすという学説に拒否反応を示すのはなぜなのか、理解できませんが、こういう現象を研究・分析した方は、木村さん以外には、まだいないのかな?

 富士山噴火の影響については「本と映像の森9 鎌田浩毅さん『富士山噴火』ブルーバックス、2010年02月25日」で紹介しましたので,参照して下さい。