新・本と映像の森 204 知里真志保・小田邦雄『ユーカラ鑑賞 ー アイヌ民族の叙事詩 ー』潮文社新書、1968年
269ページ、定価320円。
いま手に入るかは知らない。アイヌ文学やアイヌユーカラのなかで、この本の占める位置も知らない。部屋を片付けていたら出てきたので、読み返していい本だと40数年後のいま思った。
動物神の活躍というか躍動がステキだ。
フクロー神
エゾイタチの神
赤カッコー鳥
カワウソ
カエル
マムシ
鯱神
川貝
沼貝
動物たちそれぞれのリフレインも、とてもいい。
「ホルッ ホリィワン」(鯱神)
「ペフンフン・アオ・ペフンフン」(先導犬)
「ホーリムリム、ホーリムリム、」(エゾイタチの女神)
230ページから237ページに掲載されている「オキリムイの子が所作しながら歌った神謡」は、アニメ映画「太陽の王子ホルスの大冒険」の源流となった1つであり、宮崎アニメがアイヌや蝦夷の共同体にその源泉をもっていることは「もののけ姫」を見てもあきらかだと思う。(注 蝦夷=アイヌではない。)