新・本と映像の森 208 左巻健男(さまきたけお)『水はなんにも知らないよ』<ディスカヴァー携書>、2007年
ディスカヴァー・トゥエンティワン、新書版、182ページ、定価本体1000円。
科学教育の立場にたつ左巻さんが水に関するニセ科学・エセ科学・反科学を検証します。
・「水にありがうを言うときれいな結晶ができる」
・「波動測定器MRA」
・「クラスターの小さい水は健康に良い」
・「波動水」
・「マイナスイオン」が人間の健康に影響する
・「抗酸化性水」
・「磁石で水が活性化する」
・「πウォーター」
・「活水器」・・……以下は略す。
前半3章が「怪しい水ビジネス」批判。逐一、タネ本と批判をたどっていくと抱腹絶倒、落語より面白いのですが、いまは時間がないので割愛。各自それぞれで辿ってみてください。
水の基礎知識も、「3章 私たちのからだと水」「4章 そもそもおいしい水とはどんな水」「5章 水道水とミネラル・ウォーター」で、すこしは得られると思う。
それにしても、あーあ。他人を信じてしまう人間の知性の崇高さと愚劣さは、どっちも際限がないのですね。どっちか一方だけってわけにはいかないのですね。
そりゃそうだと思う。世の中に「ぜったい間違わない人」がいたら恐ろしく怖い。ぼくはそういう人には半径100m以内には近寄らないようにしたいと思います。