新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

ピロリ除菌に胃がんの1次予防の効果:保険診療化を急ぐべきでしょう

2008-08-01 16:17:44 | 医療

こんにちは

とりあえず、今日できることは今ひと段落しました。

あとは明日、机や本棚が来てからの勝負になります。 ともかく、本が多い(10箱くらい)ので、本棚が来ないと片付かないのです。あとはPC関係ですが、何とかしますw

 

実験用に使用していた古いPCはそのまま大学へ持って行くつもりです。たぶん僕の机もあると思うので(血液内科・・・人いないからw)…あったらそこに置いておこうかと思っています。

なかったら、あきらめw

 

この記事を書き終わったら、自転車や少しだけ足りないもの、補充しておきたいものを購入しに、近くのショッピングストアに行こうかと思っています

それが終わったら、スーツに着替えて歓迎会に行きます。

 

それでは、本題です。

医療制度関係ではなくて、胃がんの予防にピロリ菌の除菌が有効という結果が出たようです。

朝日新聞です

ピロリ除菌で胃がん3分の1 北大教授ら研究

2008年8月1日15時3分  

http://www.asahi.com/national/update/0801/TKY200808010171.html

胃の粘膜にいる細菌ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を薬で除菌すると、胃がん発生が3分の1になるとの研究結果を浅香正博・北海道大教授(消化器内科)らがまとめた。2日付の英医学誌ランセットで発表する。  

胃がん予防目的の除菌は現在、公的医療保険の適用外。適用に向けた議論が活発化しそうだ。  

研究は国内51病院で実施。早期胃がん患者505人の協力を得た。内視鏡で治療した後、半分の患者に除菌の薬を飲んでもらった。半分は除菌しなかった。治療したがん以外の胃がん(2次胃がん)ができるか調べた。  

3年間に2次胃がんができたのは、除菌した群で9人、除菌しない群で24人。詳しく計算すると胃がんリスクは、除菌しない場合を1とすると、除菌した場合は0.34だった。効果が明らかだったため、除菌しなかった群も後ほど除菌した。  

これまで、除菌で「前がん状態」が改善したなどの研究結果はあったが、除菌するか否かの割り当てをくじ引きで決める「無作為化比較研究」で除菌による胃がん予防効果を示したのは世界初。初発の胃がん減少も期待できる。  

国内の胃がん新規患者は年約11万人、死亡は約5万人。富永祐民・愛知県がんセンター名誉総長(疫学)によると「胃がんの8割以上はピロリ菌感染が原因と考えられる」。感染率は若い世代は低いが、50歳以上は7~8割。団塊世代ががんを発症しやすい年代に近づき、患者は増える可能性が高い。  

浅香教授は「除菌で胃がん発生を大幅に減らせる」と、現在は、胃潰瘍(かいよう)か十二指腸潰瘍の患者に限られている除菌の保険適用を、ピロリ菌感染者全体に広げ、胃がん予防に役立てるべきだとしている。  

保険適用外だと薬代と検査代で1万数千~2万円ほど。日本ヘリコバクター学会も今回の研究結果をもとに今秋、指針を改訂し、除菌を勧める予定だ。

(編集委員・浅井文和)

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日本という国が、このような結果が出たときにどれだけ早く承認するか…というのは大きな問題だと思います。

 

混合診療などの話が出たりしますが、混合診療ではなく「保険診療」への承認が早ければ早いほど多くの方々に利益があります

 

胃癌になる可能性が3分の1になるという話がわかってきたのであれば、学会が申請を上げた段階ですぐに承認できるように準備は整えてほしいですよね。

 

今回の件はすでに承認されている薬剤の「保険適応範囲」の拡大の問題す。これこそ将来の胃癌のリスクを下げ、医療費を抑制するでしょうし、患者さんの幸福につながるのですから積極的に国は動いてほしいものです。

 

また、将来的には「混合診療」ではなく、いかに早く「保険診療」にもっていくかが重要だと思う。そしてその為には「安全」をとるか「利益」を取るか・・・承認する際の国民の基準が明確になっていないといけないと思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

そんなことを思いました。

それでは、僕は自転車などを購入に行ってきます。では~。

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臨床に従事する大学院生:雇用契約→労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法の適用

2008-08-01 07:39:50 | 医療

おはようございます

東京の朝です。高校生は5時台から元気ですね。ほぼ貸切なのだろうけど、一応他の客もいますよw

さて、実は移動する前にひとつ書いておきたい記事があるのです

先日、書いておきたい記事があるといった話です。

 

ネタ元は時々コメントいただける小児科労働基準関係の大御所であられる江原先生のHPからです

http://pediatrics.news.coocan.jp/

すでに他の先生方も記事にされているのでご存知の方はご存知かと思いますが・・。

 

医学部の大学院生が臨床業務を行う場合は雇用契約を結ぶこととなりました。すなわち、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法の適用をうけるということななります

https://www.gab.med.saga-u.ac.jp/gakunaituuchi/H2007/H200708.pdf

 

20文科高第266号

平成20年6月30日

附属病院を置く各国公私立大学長殿  文部科学省高等教育局長     清水 潔     

医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進  
及び診療に従事する大学院生等の処遇改善について(通知)    

 

医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担につきましては、これまで、厚生労働省医政局長により、別添1「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(平成19年12月28日医政発第1228001号)の通知が発せられ、各大学附属病院におきましては、医師等の過重労働の解消等を図るため、検討や対応を進められているところと存じます。 

本件につきましては、引き続き、適切な役割分担の推進がなされるべきと考えており、同通知に掲げられている役割分担の例示めうち、看護師等による静脈注射の実施については、平成14年9月30日付け厚生労働省医政局長「看護師等による静脈注射の実施について」(別添2)でも、安全性等が確保できる限り、静脈注射等について医師の指示の下に看護師等も取り扱うことが可能であると示されています。 

また、大学院生等が診療業務の一環として従事している場合については、労働災害保険の適用が可能となる雇用契約を締結するなど適切な対応が必要であります。 

各大学附属病院におかれましては、これらの趣旨を十分に踏まえ、迅速かつ適切な対応をお願い申し上げます。 

なお、文部科学省では、これらを踏まえた各大学附属病院における医師等の役割分担の状況、特に看護師等による静脈注射の実施状況及び診療に従事する大学院生等の処遇体制について、平成18年3月より定期的に実態調査を実施してきましたが、今後も、進捗状況について把握するため、平成20年10月時点の実態調査を実施しますのでご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

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今後、大学院生には労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法が適用されます。今までのように無給の労働者として各医局が使うことが不可能になります。

このことは絶対に必要なことであり、当然のことです。しかし、今までの医療界(医学界ではなくて)はそれが当然としてまかり通っていたことが問題なのかもしれません。

 

 さて、ここでもう一つの問題が浮上します。現在、各大学病院の経営はそれほど良くはないようです。独立行政法人化してさらに医師の給与が下がっている病院を知っています

単純に考えると「臨床業務」を行うと「払う賃金が増える」わけです。大学病院はもつのだろうか?

 

しかし、医師一人増えれば病院の診療報酬は1億増えるといいますので、最低賃金を払ったとしても…辞めさせれば今度は収入減で危機に陥るでしょうね。

 

 

必要なことながら、大学病院崩壊かな…とも思うのです

 

また、看護師さんの静脈注射などの件に関しても記載があります。これで研修医などの負担も減ると思いますが、手技のできない研修医も増えたりしてw

 

ということで、大学院生の雇用契約、すなわち労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法が適用されるという記事でした。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

これで我が大学唯一のメリットは消えます。

 

さらにもしかするとこの「大学院生の処遇」が院生確保につながったりして たぶん、これによって大学院生も出身医局以外を選ぶ選択肢が出てきてもおかしくないのかな…と思います。

 

それでは、また。 この後10時に鍵を受け取り、「新しい家」に移動します。

今日は忙しそうですね。

最後に歓迎会もありますしw

 

それでは、また。

コメント (2)
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