新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

サリドマイド承認へ(行ってほしいなぁ):過去に問題があるからこそ、安全なのだ!

2008-08-30 23:25:28 | 医療

こんばんは

さて、24時間テレビのドラマ見ていますが・・・ 今回のディレクターさんは医者が嫌いなんだろうかw

あんな医者いないって…と突っ込みたいところですけどw

 

ギランバレーとCIDPは間違うかもしれないけど、病歴などでわかるのではないだろうか?

 

治療にしても・・・少なくとも高圧酸素はないだろうw

IVIgとか・・・血漿交換とか・・・ (ギランバレーでも、CIDPでも)

 

CIDPとALSが最終的に鑑別になって、ALSというパターンはあり得ると思うが・・・

なんか、イメージ悪w

 

まぁ、いいか。 僕は自分の医者人生楽しんでいるし、自分自身のできることを少しずつ上げて行って最大限できるようにするだけだし、日本全体がよくなるように考え続けるだけだし・・w

 

さて、今日の最後の記事です

 

サリドマイド再承認の動きです。

しかし、これがなかったらどうするのと突っ込みたい。現場を見ていない、事実を知らない。そんな国の対応の遅さというところでしょうか・・・

 

<サリドマイド>再承認へ 安全管理対策が大前提

8月27日21時45分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080827-00000123-mai-soci  

胎児に障害を起こし販売中止になった催眠鎮静薬「サリドマイド」が、四十数年ぶりに販売される可能性が高まった。27日に開かれた厚生労働省薬事・食品衛生審議会の医薬品部会が、血液がんの一つ「多発性骨髄腫」治療薬として承認を了承したからだ。厚労省は9月11日まで国民からの意見を募集し、承認へ向けての手続きを本格化させる。深刻な薬害を引き起こしただけに、安全管理対策が承認の大前提になる。【下桐実雅子】  

◆被害者加え安全基準  

27日の部会に先立ち、26日には厚労省のサリドマイド被害再発防止の検討会が初めて開かれた。ここではサリドマイドの製造販売を承認申請している藤本製薬が「安全管理基準案」を説明した。米の安全管理システムを参考に、患者団体、被害者団体、厚労省などが加わり同社が作成した。処方する医師や薬剤師の登録制のほか、患者も氏名や住所、妊娠検査の結果などの登録が必要になる。  

さらに、患者は服用状況をそのつど記録するほか、処方日の診察前には毎回、副作用被害の理解度や薬の譲渡、献血などの禁止事項を調査票に回答する。これらは同社の管理センターで集約され、薬の管理や患者の状況把握に役立てられる。  さらに、これらの安全管理システムが適切に運用されているかを評価する第三者機関も設置される。  

◆使用者の自覚必要  

しかし、システムが整備されても、患者自らが薬の危険性を認識しないと、被害を完全に防ぐことは難しい。米国では最近、同じように胎児に障害を引き起こす危険性のあるにきび治療薬について、「妊娠を避ける」など厳格な管理下で処方した。しかし、使用者に若い女性が多かったため、約1年間に約120人が妊娠した事例があったという。  

被害者団体「いしずえ」の佐藤嗣道理事長は「被害者を一例も出さないことが目標になっているが、リスクはつきまとう」と指摘する。検討会では「国がどのように被害の再発防止に努めるのかを表明してほしい」との意見も出された。厚労省は、承認を了承した部会の審議結果のほかに、藤本製薬の安全管理対策についても公表。国民の意見を募り、改善を検討していく。患者の安全をどう担保していくのか、国の姿勢が問われそうだ。

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多発性骨髄腫の治療薬としてのサリドマイドの位置は確固たるものがあります。 それなのに保険診療できないというのが大きな問題です。

 

今の国際基準として若年者(65歳くらいまでかな)の多発性骨髄腫であれば1回目の自家末梢血幹細胞移植の後、完全寛解(CR:検査上、多発性骨髄腫の存在が確認できない。存在はしているでしょうけど)場合、6か月(だったはず)のサリドマイド内服・・・という治療方針です。

1回目でCRに入らなかったら2か月から半年くらいまでの間にもう一回自家移植を行い、そこからサリドマイド内服です

 

 

こんな基準があるにもかかわらず、過去の出来事のために将来がある多くの患者さんに影響があるというのは大問題だと思っています

 

疾患が疾患だけに「妊娠中の患者」というのはないでしょうし、逆に一度大きな問題が起きたからこそ、安全に使用できる可能性があるというもの。

 

何の問題もない薬などない!

 

問題を認識しているからこそ、問題を回避できる。その意味を考えてほしいものだと思う。

 

日本人は一度もミスがないことが良いことではなくて、一回のミスを大事にすることが大事だと思う必要があると思う。

 

そういう民族性があるように感じる。

 

サリドマイドの問題、これは日本人が過去のミスに目くじらを立てるのではなく、過去のミスがあるからこそ問題の解決方法が見えてくるのだということを認識する大きなチャンスだと思います。

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なかのひと 

僕の愛読書「葉隠」にも、問題を過去に起こしたことがあるから問題…ではなくて、過去に問題を起こしているからこそ、その問題を回避できる。だからこそ出世させるべきであるという考えもある。

 

患者団体の方には申し訳ありませんが・・・過去の問題ではなくて、将来性がある人たちが多いというのに、自分たちのために多くの人の幸せを封じること。過去にこだわる習性が全く理解できないですね

 

今、医療においても様々な問題が出てきています。 過去のことではなくて、将来何が必要なのかに目を向けて問題解決に向けて頑張っていければよいと思っています

 

それでは、また。

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MRICの記事より:医療再生に向けた緊急提言

2008-08-30 20:15:33 | 医療

さて、次にMRICの記事からです

医療再生に向けた緊急提言

~医療システムの一体的な制度改革を!~

 

ということで、緊急提言がなされました。

http://www.kosonippon.org/temp/080827iryo_teigen.pdf

 

内容はこちらです。

 

 

政府は今年6月、深刻な医師不足に対して、医学部定員の増員を決定し、また来年度予算の増額も明言しました。現在、厚生労働大臣の私的諮問機関(「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会)において医療再生に向けての審議がつづけられており、その政策メニューの概要も公表されました。

しかし、本質的な医療再生のためには、個々の政策の実現だけでなく、それらの背後にある医療システムの一体的な制度改革が不可欠です。

 

構想日本では、①医師配分、②報酬点数、③医療情報の3つのシステムについて、概要以下のような改革プランを提言します(改革プランの具体的内容は9月中旬に公開予定)。

1. 医師配分システムの見直し

政府主導の医師配分システム⇒第三者機関を通じた医師配分システム

 

現場から乖離した政府主導の医師研修・派遣制度*1を改め、専門家から成る第三者機関を通じた全国規模の医師研修・配分およびその成果検証システムを構築することにより、医療の質向上と、地域や診療科ごとの担当人口および担当面積当たりの医師(指導医・専門医・家庭医等)、研修医各ポストの全国的な適正配置を促進する。

 

2. 報酬点数システムの見直し

全国一律、一物一価の報酬点数システム⇒現場の業務に即した報酬点数システム

 

1958年からつづく中央統制の報酬点数システム*2を改め、地域や医療機関によって異なる業務内容に即した報酬点数システムを構築することにより、労働対価の保証と多様な雇用形態(交替勤務制や短時間労働、病院内開業など)の実現を促進する。

3. 医療情報システムの見直し

中央管理・統制型の情報システム⇒患者や医療者のアクセスしやすい情報システム

 

政府が集計、管理し、公開の進まない医療情報システムを改め、個人情報を匿名化した上での情報公開を進める。また、地域および医療機関内の情報共有を制度化する。これらによって、患者や医療者にもアクセスしやすい双方向の情報システムを構築する。

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第3者機関を通した医師配分システム。どのようなものになるかで話はいろいろ変わりますが、僕も似たような考えを持っています。

もっとも、僕が最重要視している教育システムとリンクしていますので、これとまったく同様のものにはならないでしょうけど。

それに、新臨床研修制度がすべて悪いとは思っていないのでw

 

この「構想日本」のメンバー、医療改革の大御所がそうそうたるメンバーで入っていますね 。

網塚貴介(青森県立中央病院・新生児集中治療管理部・部長)

有賀徹(昭和大学・救急医学・教授)

海野信也(北里大学・産科婦人科・教授)

太田寛(日赤医療センター・産科)

加治一毅(医師・弁護士・加治法律事務所)

上昌広(東京大学・医科学研究所・探索医療ヒューマンネットワークシステム・特任准教授)

嘉山孝正(山形大学・医学部長)

神田橋宏治(東京日立病院・内科)

熊坂義裕(宮古市長・医師)

鈴木真(亀田総合病院・産婦人科・部長)

木田博隆(三重大学・公衆衛生学・助教)

木戸道子(日赤医療センター・女性診療科・副部長)

小松秀樹(虎ノ門病院・泌尿器科・部長)

杉浦正俊(杏林大学・小児科・准教授・新生児医療連絡会事務局長)

土屋了介(国立がんセンター中央病院・院長)

中村利仁(北海道大学・医療システム学・助教)

野村麻実(国立病院機構名古屋医療センター・産婦人科)

樋口紘(岩手県立病院・名誉院長)

堀見洋継(東京大学・医療政策人材養成講座・特任研究員)

本田宏(済生会栗橋病院・副院長)

森臨太郎(大阪府立母子保健総合医療センター・企画調査室・室長)

松原要一(鶴岡市立荘内病院・院長)

森田茂穂(帝京大学・麻酔科・教授)

山口拓洋(東京大学・臨床試験データ管理学・特任准教授)

渡辺賢治(慶応大学・漢方医学センター・准教授)

 

僕も協力できることがあれば…とは思っておりますが、なかなか今の状況では厳しいですね。まぁ、オフの日にたまたまタイミングが合えば動きますが・・・。

よく見ると、おひとりうちの大学出身の先生もいらっしゃいますね。先輩頑張ってください!

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と、いうことで・・・それでは、また

 

 

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ど~でもいい話:僕と24時間テレビ

2008-08-30 19:45:21 | ど~でもいい話

さて、続けます

 

久しぶりにテレビをつけたら・・24時間テレビが放送されていますね

 

僕は個人的に24時間テレビ、好きなんですよね。

去年か・・いつだったかわかりませんが、写真を見たら・・

「あ、うちの大学病院だ」

と気がつくこともあり、いずれにせよ

医者として頑張るかな

と思わせてくれるようなきれいな話が多いのは好きです。

 

現実的には・・こんなにきれいな話ばかりではないのかもしれません。それでも、個人的には嫌いではない

 

感傷的なのか?ただ、医師として動くときは感傷は捨ててますね。

 

今日の夕方も 「がんばりましょう」 というのは簡単ですが、それでは重要な時間を奪ってしまう。

治る可能性が低いからこそ、きちんと話をして・・・それでも戦うのであれば、僕自身の全能力をかけて万全の体制で・・・とは思う。

 

ただ、いくら頑張っても「人手不足」で目がいかない場所はあるのだけど・・・

 

明日も他の診療科に入院している患者さんに対して、血液の病気に関しての説明や、血液疾患に対して今後どうするかの調整+当直業務+病棟管理もあります。

 

この人手不足で・・頑張っても手が負えない可能性があることも・・一般の国民の皆さんには知ってほしいような気がする。

 

さて、明日は当直なので見ている暇はあまりないかもしれませんが、今日は少し24時間テレビを見させていただこうかと思っています

 

いい話だよね~。医者として、人として、頑張るかな

…と思えるような話、期待しています。

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それでは、また。

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大野病院、無罪確定

2008-08-30 19:10:58 | 医療

こんばんは

 

先ほど帰ってきました。 今日は大きなイベントも少なく、18時過ぎくらいに一日が終わりました。

 

夕方からかなり厳しい話をご家族と本人にしました。残り時間の活用を考えてもらわないといけないことから、本人を交えて話すしかないと考えてのことです

 

あとは、本人が戦う意思があるのであれば現状で打てそうな抗癌剤治療のメニューも作ってあります。

 

僕が来てから論文を提示して新しいプロトコールの導入ばかりしている気がする。 標準治療でやれない人に対して、できることを最大限やる努力をする。それが医師としての僕のスタンスです。

 

もちろん、本人や家族の意思があれば・・ですが。

 

さて、今日は久しぶりにきちんとした記事がかけそうなのできっちり書いていきたいと思います。 さて、まずはこの記事です。

 

大野病院の件、無罪確定のようですね。

 

産科医の無罪確定へ=帝王切開死、検察が控訴断念-「今後は慎重に捜査」・福島

8月29日15時15分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000112-jij-soci  

 

福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が大量出血して死亡した事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた執刀医加藤克彦被告(40)を無罪とした福島地裁判決について、福島地検は29日、控訴の断念を決めた。控訴期限の9月3日が過ぎれば、無罪が確定する。 

 

公判では、癒着した胎盤を子宮から剥離(はくり)した際に大量出血を予見できたのかと、剥離を中止し子宮摘出に移る義務があったのかが主な争点だった。 地裁は20日の判決で、子宮摘出に移るべきだとした検察側主張について「医学的準則だったとは認められない」とし、被告に剥離措置を中止する注意義務はなかったと認定。検察側立証は医学書の記述などにとどまり、主張を裏付ける臨床例を提示していないと指摘していた。 

同地検の村上満男次席検事は「違反者に刑罰を科す(医師の)注意義務をどうとらえるかで、裁判所は検察と異なっていた。裁判所は臨床、検察は医学書に基づいており、判決のような考え方もある」とし、控訴しても裁判所の判断を覆すことは困難とした。 加藤被告の逮捕、起訴について「法律と証拠に基づいてやった。判断としては間違っていない」としたが、「今後はより慎重、適切な捜査をしたい」と述べた。 

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まず、無罪確定決定に関してよかったと思っております。いくつかの記事を見ていると、いろいろ批判的なものもあるようですが・・・

 

ただ、検察の冤罪関係もいろいろあるようですから、これを機会に慎重な捜査をしていただきたいとは思います。

 

それと同時に、これをきっかけに医療だけではなく、検察の方が委縮しすぎてもいけないと思っています

 

ただ、何事にも責任が伴いますので・・特に検察、警察も人の人生を狂わせる可能性があるということで、慎重にやってほしいと思っております。

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なかのひと 

ただ、これらの全ての問題は・・・僕は教育の問題だと思いますが・・・ 教育費に金をかけない日本。そこに問題は帰結するのかもしれません。

 

話が飛びすぎて理解されないかも・・・・。この話

 

 さて、それでは次の記事行きます。

コメント (2)
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