新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

パラメディカルと医師の数:日本の社会保障・医療システムはおかしいのだ

2008-08-09 22:53:17 | 医療

歌舞伎俳優の市川団十郎が急性前骨髄球性白血病で骨髄移植をするようですね。 APLで骨髄移植か…などと思いながら、記事を読んでいました。

 

さて、やはり土日は記事も少ないようです。

今日はパラメディカルの人たちの話です。

 

さて、わが母校の病院はおおむね病院の規模に対して4分の3くらいのパラメディカルスタッフで活動しているようです。

 

血液内科病棟の看護師は日勤はともかく、準夜勤・夜勤は2名ずつ。血液病棟だけに緊急性が分かっている人たちが多いので、第一報が早いのが頼みの綱ですが、それでも少なすぎます。

 

また、看護師さんがいなかったら、どんなに医者が頑張っても患者さんのためになる医療は提供できない・・・そう思っています。

いや、看護師さんがいるから…今の状況であっても何とか体を休めることができる。

 

これで、看護師さんからのアラームが十分効かないと思っていたら、絶対休めないですね。

 

以前、白血病やリンパ腫などを…前の病院では診れないといいましたが・・・慣れない看護スタッフでは緊急性がわからないというところもあります。

 

 

また、昨日の急患でも・・・レントゲン写真がすぐ撮れれば…実は少し早く「真菌(カビ)」感染を疑うことは十分可能でしたが(まぁ、頭の片隅にはあるのですけど)、現実的には救急部の対応をしていたために動けなかったという。

 

 

パラメディカルのスタッフの数が少ないことも大きく医療に影響します

 

 

 

それに加えて日本は「医師の数」も諸外国に比べて少ないわけで・・・。

 

血液分野であれば・・・1980年代だったら絶対に助からなかったであろう患者も助けられるようになってきた。FN(発熱性好中球減少症)もよい抗生物質が出てきて、いろいろな方々が死なずに済むようになってきた。

 

だからこそ、対応すべきものが増えてきたし忙しくなってきたのだと思う。

 

その現実を見ずに医師の数・パラメディカルの数を制限することは・・・日本の医療にとって大きな不利益だし、その養成ができないような日本の社会保障・医療システムはおかしいのだと思う

 

そういった現状を踏まえた上で、厚生労働省が「地域医療重視」と言っているのであればよいが、結局どこも医師は足りないのですよ。

 

そう久々に戻ってきて思いました。

 

まとめます。

 

今さらですが・・・日本の医療を支えているのは、医師・パラメディカルの質と献身的な努力のように思えます

 

しかし、いくら努力をしても数が少ない状態ではできることの限度があるというものです。

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なかのひと 

それを議員さん、報道関係者、官僚、国民全体…多くの人に分かってほしいように思います。

 

さて、明日も一日病棟張り付きです。

今夜は呼び出されないといいなぁ・・・・。

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全医連アンケート:国会議員の回答は?

2008-08-09 21:44:07 | 医療

今日の柔道は惜しくも谷選手が銅メダルだったようですね

他にもさまざまなドラマがあったのでしょうけど、まずは谷選手のメダル獲得を喜びたいと思います

 

今日の記事ですがまずは全医連の国会議員アンケートの結果に関してです。詳細についてはCBの記事をご覧ください

国会議員の88%が「2200億円撤回を」―全医連アンケート http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17571.html;jsessionid=B0E5B585EEED6C1AE5F38EF28B6E7B37  

全国医師連盟(黒川衛代表)はこのほど、国会議員アンケート結果(速報)を発表した。社会保障費の毎年2200億円の削減を堅持すべきかとの問いに対しては、88%が「撤回すべき」と答えた。  

アンケートは、7月14日に衆院480人、参院242人の合わせて722人の議員を対象に、郵便と電子メールでアンケートを送付。25日を期限に回収した。速報は、30日午前の時点での有効回答86人分について、集計を行った。 

政党別の回答者数は、自民党18人、民主党40人、共産党16人、社民党6人、国民新党3人、無所属が3人だった。  

 

設問1は、望ましいと思われる人口当たりの医師数について聞いている。現状の人口千人当たり1.75‐2人よりも少なくすべきという回答はゼロで、同2.5‐3.5人との意見が最も多かった。  

 

設問2では、当面目標とする年間当たりの医師養成数を聞いた。やはり現状の7500-8000人より減らすべきという意見は皆無で、「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」の示した1万2000人との数字に近い、年間9000-1万3000人との意見が最も多かった。ただ、政党間に多少のばらつきが見られ、共産党や民主党の議員が高めの目標を設定していることが読み取れる。  

 

設問3では、社会保障費の2200億円を機械的に削減することの是非を問うた。削減は撤回すべきとの意見が圧倒的に多かったが、自民党議員の22%、民主党議員の2%で削減を堅持すべきとの主張が見られた。  

 

道路特定財源の一般財源化に伴い、どの程度を医療・福祉に回すべきかを聞いたのが設問4。回答には大きなばらつきがあったが、最も多かったのは「1兆円程度」との回答。回答項目を選択せず、コメントを記した議員も目立った。  

 

設問5は、医療費の対GDP(国内総生産)比の当面の目標を尋ねた。最も多かったのは、ドイツ、フランス、スイスなどと並ぶ10.0-15.0%との回答。わずかではあるが、現状より低い数字を挙げた議員もいた。

更新:2008/08/08 18:25   キャリアブレイン

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正直、700人以上いる議員さんの1割~1割5分という数字が多いのか少ないのかは意見の分かれるところだと思います

しかし、全医連の最初の活動のひとつとしては良い数字ではないかと思います。

 

内容などに関しては、アンケート結果なので

「なるほど」

と思っただけではありますが、自民党議員は18人しか回答していないうちの22%が社会保障費削減を堅持するという意見だというのに驚きました。

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なかのひと 

社会保障という分野に関して、さらに発展性のある議論。新たな第3案を示せればよいのでしょうけど・・・。

 

ということで、アンケートの結果に関してでした。

 

それでは、次に行きます

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カビかな?

2008-08-09 21:05:49 | 医療

こんばんは。今帰ってきました。

 

夕方、荷物を取りに帰ってきたときに昨日の急患の方は36℃台まで下がって来ていたのですが、病院へ戻り7時ころ、ふたたび39℃へ。

このSpike feverと胸の陰影と併せて考えると

「カビかな?」

 

という感じです。個人的にはミカファンギンをよく使う人なので、ミカファンギンの投与を開始しました。

あとはこれで経過を見ていこうかなと思ってます

 

今日、結局他の病院から来るかもしれないという方の連絡がこなかったので、待ちぼうけになりましたが…それまでの間に様々なことが起き、それぞれに対応していたら8時→20時になりました。

 

やはり血液病棟は面白いですね。僕は好きです。

けど、医者は好きでないとやっていけないと本当に思いました

 

さて、今日はゆっくり記事をかけそうなので、ゆっくり記事を書いていきます。

 

・・・・また、呼ばれたりして・・・・。

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なかのひと 

今日の当直は友人だから、直通で電話相談が来るかもしれない。

 

それでは、また。

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緊急入院です

2008-08-09 02:22:22 | 医療

こんばんは

今帰ってきましたが、新聞屋さんがすでに動き始めていました。配達する人も大変ですよね

 

さて、先ほど当直の方→研修医→僕で連絡が入り、血液疾患の患者さんが救急車で運ばれてくるということで行ってきました。

そこで思ったこと。パラメディカル足りなすぎ。

救急部の関係でレントゲン技師が動いていたら、こっちの方では全く動けないというのはどういうことだ? せめて大学なのだから、2,3人は技師さんがいてほしいものです

 

 いろいろと問題があったので入院する方向で調整しました。

基礎疾患は書きませんが、ステロイド内服中でWBC2000、CRP9.0mg/dl、39℃の発熱なら…とりあえず感染源不明でも入院です。

 

ステロイド内服中で熱が出るのも、CRPがここまで上がるのも怪しいし、感覚的にはWBCもともと低めとはいえ、かなり下がっているので・・・むしろ重症化している可能性も考えざるを得ないと思いました。

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なかのひと 

それだけですけど、とりあえずあとは明日の採血やその他の検査で・・・

では、また

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