新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

大野事件、学生も注目:報道の力は大きなもの!

2008-08-17 20:50:22 | 報道関係の方々への期待

さて、続きます この大野病院、医学生も注目しているようです。

大野病院事件、医学生も敏感 東北・意識調査

8月16日6時12分配信 河北新報

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080816-00000005-khk-soci  

 

福島県立大野病院で2004年、帝王切開中の妊婦が失血死し、産婦人科医が業務上過失致死罪などに問われた事件の裁判に絡み、東北の医学生の多くは、医療事故で刑事責任などを問われることが産婦人科などの医師不足に影響すると感じていることが、河北新報社が実施した医学生の意識調査で分かった。進路として産婦人科を敬遠する理由も訴訟リスクなどが挙げられ、事件が産科医療に暗い影を落としている実態が浮き彫りになった。  

調査は7月中旬から下旬にかけて、東北6県の4大学医学部、2医大の1―6年生を対象に聞き取りなどで実施し、49人から回答を得た。回答者の性別は男性29人、女性20人だった。  

医師の逮捕については、4割近い19人が「医師に刑事責任はない」と答え、「逮捕の判断は妥当」(2人)と「書類送検や在宅起訴にとどめるべきだった」(15人)の合計を上回った。  医療事故が事件や訴訟に発展する可能性が医師不足に及ぼす影響は半数以上の26人が「大いにある」と回答。「少しは」(22人)を合わせると、ほぼ全員が影響を認めた。  

医師や病院と患者間のトラブルが増えた原因(一部複数回答)は、23人が「センセーショナルな報道の影響」を挙げ、次いで「患者や家族の権利意識の高まり」(19人)。「説明不足など医師・病院側の対応」は12人だった。  

志望する診療科は産婦人科が7人。産婦人科、小児科など医師不足が深刻な診療科を希望しない理由は「訴訟が多く、劣悪な環境に身を投じる勇気がない」(秋田大3年・男性)「訴訟リスクや過剰労働で仕事をしても報われない」(福島県立医大6年・男性)などの意見が上がった。

 

[大野病院事件]福島県立大野病院(大熊町)で2004年12月17日、帝王切開手術を受けた癒着胎盤の女性=当時(29)=が胎盤剥離(はくり)の過程で大量出血して死亡。福島県警は06年2月、執刀した加藤克彦医師(40)を業務上過失致死などの容疑で逮捕、福島地検が翌3月に起訴した。裁判では、医師の処置に伴う出血の予見可否などが主な争点となった。検察側は禁固1年、罰金10万円を求刑し、弁護側は無罪を主張。判決は20日、福島地裁で言い渡される。

-------------------------------

医学生の一部が…逮捕が妥当と思っていることに若干驚きはありますが、基本的に起訴するべきではないと医学生も思っているようですね。

自分が将来判断するときに、結果で判断されるようになると思えば…おかしいと思うのは当然なのですけどね

 

そして、医療現場の混乱、特に医師‐患者間トラブルの原因として

「センセーショナルな報道の影響」

「患者や家族の権利意識の高まり」

「説明不足など医師・病院側の対応」

が挙げられていますが、報道の影響は確かに大きなものだったと思います。

 

そしてそれゆえに、今の医療現場、今の日本を変えるのに報道の力は大きなものだと思います

 

報道の力、本当に大きなものです。

 

それゆえに報道関係の皆さんには期待したいものです。

日本を変える力を持っている

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

他にも言いたいことがありますが、今日はこのあたりで・・・

 

当直ついていると、眠りが浅いんですよね。どう頑張ってもちょっとした物音で目が覚めてしまいますw

 

明日もいくつかイベントがあります。集中して頑張ります。

そういえば、頼まれマルクもやらないとね・・・。

 

では、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大野病院事件判決20日:願わくば医療崩壊の加速につながる判決が出ないことを・・

2008-08-17 19:58:37 | 医療

こんばんは

目的の本を3冊ほど購入して帰ってきました。時間のあるときに読みたいとは思っていますが、なかなか時間を作れそうにありません。

とりあえず、今日のうちに一冊は読んでしまおうと思っています。

 

さて、その前に記事の更新をいくつか。

まず、今週水曜日に判決が出る「大野病院事件」に関してです。日経関係の動画にも出ておりましたが、一般にも認識が高まりつつあるようです。

 

福島・大野病院「帝王切開で死亡」事件 20日判決 医師の「罪」問えるか

8月17日8時0分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080817-00000064-san-soci  

福島県大熊町の県立大野病院で平成16年、帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡した事件で、業務上過失致死と医師法(異状死の届け出義務)違反の罪に問われた産婦人科医、加藤克彦被告(40)の判決公判が20日、福島地裁(鈴木信行裁判長)で開かれる。検察側は「過失は明白」などとして禁固1年、罰金10万円を求刑。一方、弁護側は「処置は適切だった」と無罪を訴えており、主張は真っ向から対立している。  

手術時の判断をめぐり、執刀医の刑事責任が問われたこの事件は、逮捕・起訴が多くの医療関係者の反発を招いたほか、第三者の立場で医療死亡事故を究明する“医療版事故調”設置の議論を加速させる要因にもなった。判決が今後の医療界に大きな影響を与えるのは必至だ。  

起訴状などによると、加藤被告は平成16年12月17日、「癒着胎盤」だった女性の帝王切開手術を執刀。子供を取り出した後、子宮に癒着した胎盤をはがし続け、大量出血で女性を死亡させた。また、死亡を24時間以内に警察署に届けなかった。  主な争点は、胎盤の剥離(はくり)は適切だったのかや、届け出なかったことが医師法違反に該当するか-など。  

検察側は、「剥離を中止して子宮を摘出すべきだったのに、無理に続けて失血死させた。過失は明白」と主張。  

一方、弁護側は「剥離を始めれば、完了させて子宮の収縮による止血作用を期待するのが産科医の常識。臨床現場では、検察が主張するような措置を取った例は一例もない」と述べ、検察側主張は机上の空論だと批判した。  

また、異状死を届けなかった医師法違反については、検察側は「事故後、自分の過失で失血死させた可能性を被告自身が述べており、異状死と認識していたことは明らか」とした。  

これに対し、弁護側は「被告は異状死と認識していなかった。また、上司と相談して、届け出なくてよいと指示されていた」などと反論している。                    

◇ 【用語解説】癒着胎盤  分娩(ぶんべん)後、子宮とへその緒を結ぶ胎盤は自然に子宮からはがれるが、まれに一部または全部が強く子宮に癒着してはがれにくくなる疾患。大量出血の原因となり、母体の生命に危険が及ぶといわれている。発生率は0・01%と極めて低いが、胎盤が子宮口に掛かる「前置胎盤」の場合はやや高くなる。

-----------------------------

時事通信では

産婦人科医に20日判決=出産女性死亡、過失が争点-福島地裁

8月16日14時40分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080816-00000116-jij-soci  

福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術で出産した女性=当時(29)=が大量出血して死亡した事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)の判決が20日、福島地裁(鈴木信行裁判長)である。検察側は「医師として過失は重大」としたが、弁護側は「大量出血は予見不可能で処置は適切だった」と無罪を訴えており、主張は真っ向から対立している。 

手術時の判断をめぐり、執刀医の刑事責任が問われた裁判は医療界に大きな波紋を呼んだ。被告の措置は「過失」か「通常の医療行為」か。地裁の判断が注目される。 

最大の争点は、被告が帝王切開後に「癒着胎盤」を子宮からはく離した際、大量出血を予見できたかと処置を続けたことの是非だ。 

検察側は「はく離を続ければ命に危険が及ぶと予見できたのに漫然と継続した」と強調。はく離をやめ、子宮摘出で大量出血を防げたとして、禁固1年、罰金10万円を求刑した。 

弁護側は継続措置について、「医療現場での医師の裁量として合理的かつ適切」と反論。子宮摘出は非現実的と批判した。 

-------------------------------

 

結果論…に終始する検察の意見は医療現場では反対されるでしょうね。

今、いろいろ考えていますが…僕が成人T細胞白血病リンパ腫・・・急性型でMST(生存期間中央値:半分の人が死ぬまでの期間)6か月であり、この方に対してLSG15を選択した理由は本人が元気すぎるくらい元気であること、この治療法が「MST11か月」という生存期間があること(後最近はこの治療がよいということになりつつある)と、この人をあわよくばRIST(骨髄非破壊的造血幹細胞移植)へつなげたいという狙いがあるのですけど・・・家族には話しましたが、5%の方がこの抗がん剤治療でなくなっています

 

そのくらい強い(というか、骨髄抑制かかる時期に抗がん剤をたたきこむ)治療ですが、この5%に入ってしまったときに「判断が間違っていた。この人にはこの抗がん剤治療は合わなかったのに、この抗がん剤治療を選択した」とか言われた日にはげんなりですね

 

こちらは24時間On Call体制で治療を行う覚悟でいるにもかかわらず、結果論だけで物事を判断された場合・・・・「人命」にかかわりかねないすべての診療科で医師の逃散が起きかねないと思います

 

今回の「大野病院事件」に関しては、外科医だけでなく、すべての医師が注目していると思います。

さて、これからの日本の医療を占う重要な一件が、水曜日に出ますが…どうなる事か・・・。

願わくば…医療崩壊を加速するような判決が出ないことを祈ります

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

それでは、次の記事を書きます。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

当直明け:一応勤務だとすれば・・・30時間連続かな?土~日だからいいけどね

2008-08-17 15:16:20 | 医療

こんにちは、今当直開けて帰ってきました

 

各科当直なので、それほど数は多くないですけど・・・少しあわただしくはなりました。

 

大学ゆえに専門家集団に連絡をとれれば、専門領域の手は打っていけるのでよかったですけど。

 

昨日来たのはイレウスです。腸閉塞。

 

交代した瞬間だったので、「相変わらず引くな~」といわれましたが、その後は落ち着いていました。

 

診断の当たりをつけて、主治医の神経内科の先生と、消化器内科、消化器外科に連絡をつければ…あとは…必要な手を打って輸液の調整をしていただけです。

 

あとは自分たちの血液病棟をいろいろやっておりました。

 

で、終わって(朝飯なし)、病棟の状況を確認して、それでさっき帰ってきました。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

さすがにちょっとお疲れモードです

この後、久しぶりに本屋に行って、夕ご飯でも食べてきます。

 

それでは、また。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする