風のささやき 俳句のblog

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夏祭り 【詩】

2024年08月22日 | 

「夏祭り」

ドンドンと陽気な太鼓を打ち鳴らして
腹の底から響いてくる
お祭りの音は聞こえていますか

小さな神社の参道に沿って
夜店には沢山の人が出ています
伸びてしまって、あまり美味しくもない
焼きそばでお腹いっぱいにして
それでも笑っていられる夏祭り

村を練り歩いてやってくる
獅子に頭を噛みつかれると
元気に過ごすことが出来る
風邪もひかないと
手を繋ぎ、恐る恐るの子供が
引っ張り出されて、抱っこされ
恐ろしい顔の獅子に頭をやられる
怖がる、その涙は可愛らしい
 ―本当に高い熱など出されたら
  どれほど親は心苦しく、心配をするか

暗い夜空に小さな打上花火が上がって
誰かの庭から景気づけ、心意気だ
その後には閃光の後の灰色の煙
風に流され、空はまた、静かな星の世界になった

虫も鳴いて、感じられる、田畑や
林の奥の、用水路を覆う、闇の静寂
貪欲な底なし、そこに全てが
飲み込まれてしまうことも、子供心に分かり始めて
夜はおじいちゃんの横で、しりとりをしながら眠った
ねえ、飲み込まないで、楽しい夏祭りの笑い。

もうそこに、出かけることはなくなった、夏祭り
まだ、子供たちはそこで楽しい、時間を過ごしているだろうか
踊りの輪に加わって、その一瞬が思い出に刻まれ
闇に飲み込まれても、時々、夢の中には出てきて、笑う
目覚めた時の、胸が温もっている
何処にでもある、ありきたりの神社だけれど
僕だけの神社、懐かしい、その夏祭り。 



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