風のささやき 俳句のblog

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無理に手を取る口実とし花盛り 【季語:花盛り】

2024年04月06日 | 俳句:春 植物

花見と言えばそれを嫌がる人も少なく
誰かを誘い出すための良い口実です

ちょうど花盛りの頃
誘いたい人に声をかけて
その手を無理に取って連れ出した覚えもあります

桜はその無理強いも許してもらえる程に
見事に咲いていて心にも艶やかで
強引で図々しいという印象を和らげてくれました

もっともそれがいつも
通じる手ではないのでしょうが


四月【詩】

2024年04月04日 | 

「四月」

穏やかな
午後の陽射しに明るい街を
怒りがからみつくいくつもの顔や
終わった失敗ごとを胸に
足どり重くとぼとぼと歩く
自分があまりにも醜くて

衣服を引っぱる風にまかせて
遠い異国の広い麦畑や
空色の水が波打つ港
日に焼けた人々が笑う街角を
誰にも知られずに
一人 煩わしさを忘れて
歩きたいと思う