jazz and freedom and avenger

JAZZを聴きながら勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

レコードプレーヤーの電源見直し、そして、WHAT HAPPENS? / ART FARMER ‐ PHIL WOODS

2025-03-19 | お遊びオーディオ

めんどくさがり屋なのでレコードプレーヤーを3台、使っている。

右からトーレンス、マイクロ、ケンウッドで、カートリッジを順にMM、MM/MC、MONOと割り当てている。このところ、音が芳しくなく聴こえる。システムの不調、聴き手の体調、耳の状態等の問題ではなく、あるオーディオ研究家によると「オーディオ機器だって機嫌が悪い時もある」そうです(笑)。

機嫌が直るまで待つか、それとも気分転換も兼ねて手を入れるか、ですね。ちょっと手を入れてみましょう。一番、手っ取り早いと言えば、レコード・プレーヤーの電源取りの見直しですね。ここはちょっとした盲点で、当たると思いの外、効果があります。直に電流が入り込むアンプ類と異なり、モーターを回す役割なのでピンときませんが、蔑ろにできません。ここの電源をしっかり取ると電圧、電気の流れが安定し、回転が正確(回転ムラが減少)になるので音に影響が出ます。すぐ違いに気が付かなくても、しばらくして「アレ、なんだか今までと違うなぁ」と感ずる時がやって来ます。

今回、色々試した結果、これがヒットしました。トーレンスとマイクロの電源取りです。自作のウッド製コンセントBOXでフルテック(UL規格・FPX(Cu)・メッキ無し)を組み込んでいます。また、固定強化、防振対策としてアルミのプレートを差し込んでいます。

今までは、明工社のJIS規格のホスピタル・グレードにクライオ処理をしたタイプを嵌め込んだ自作BOX(ケース、プレートはオヤイデ電気)を使っていました。

壁コン(PSオーディオ・パワーポート)からBOXまでAETの市販モデル電源コード(↑)で電力供給します。明工社のコンセントBOXもなかなか優秀でしたが、フルテックのBOXの方が密度が濃く、弱い音の出方がしっかりしました。半分以上、プラシーボ効果と思いますが、極論を言えば、プラシーボ効果が無く〇✕だけの世界だったらオーディオの面白さは半減するでしょう(笑)。

もう一台のケンウッドのプレイヤーの電源取りはキャメロットの電源BOX(↓)に落ち着きましたが(三ツ口の真ん中)、以前と殆ど変わりませんでした。ダイレクトドライブ方式よりベルトドライブ方式のプレイヤーの方が反応し易いかもしれない。

 

聴き比べに使用したレコードは、A・ファーマーとP・ウッズがイタリアのCAMPI(カンピ)レコードに吹き込んだ”WHAT HAPPENS?”。1968.10.12にローマで録音されている。所有LPは国内盤で、音がやや団子状態、鼻詰まり気味と言うか、見通しが今一つで、特にウッズのasが開放的でなく、ターンテーブルに乗る機会はここ最近、ほとんど無かった。

さぁ、どうでしょうか?

今までのネガティブなイメージが随分解消され、ボリュームを少しUpすると俄然押しの強い音に変わりました。ウッズのERM(ヨーロピアン・ リズム ・マシーン)の一員になるH・テキシェ(b)、D・ユメール(ds)がガンガン前に出てきます。ウッズのショーケースとなる”Chelsea Bridge”、ファーマーの”The Day After”はそれぞれas、flhが上手く出てきますが、他の2管のナンバーではちょっと後ろに退く部分が残っている。ま、日本人とラテン民族では聴覚が違う?ので合わなくも不思議ではありませんが。

1968年、ウッズとファーマーは母国アメリカのジャズを取り巻く環境、市場の悪化からヨーロッパに脱出し、録音した本作、伊カンピ・レコードはゲート・フォールド(Wジャケット)に写真を一杯載せ、ライナー・ノーツもびっしりと、熱い歓迎ぶりを示している。それに比べ、国内盤のライナー・ノーツは殿様商売気味(笑)。

アメリカでは新録を許されなくなったスタイル(笑)のジャズを、二人は水を得た魚のように伸び伸びと演じている。なお、ウッズはこの一ヶ月ほど後、あの”ALIVE AND WELL IN PARIS /PHIL WOODS AND HIS ERM”を吹き込んでいる。