4R、タオルを入れるタイミングに揺れた山中選手のタイトル・マッチ。
最初からTVを観ていたが、リングで両選手を紹介するシーンで、既に「やばい」と。
「神の左」とか「防衛回数新記録」とか、他にも山中選手を称賛する手前みそなコメントを延々と、それを聞く山中陣営にタイトル・マッチの緊張感はなく、まるで夜のスポーツ・ニュース、翌朝の新聞の見出しを思い浮かべているような驕りさえ漂っていた。
1Rが始まり、「こりゃ、負ける」と直感した。ガードが肩のラインから下がり、首から上ががら空き、丸裸。ありえない。
誘って左のカウンター、一発で仕留める作戦だったかもしれないが、相手はランキング1位、しかも10歳も若くハード・パンチャー、もう少し慎重さがあってもいいのではないか。
4R、挑戦者はこのラウンドで「倒せる」と確信したかのように、コーナーからスキップしながら出て行った。
敗戦後、強気な発言をしているけれど、それならば、一旦、ダウンのカウントを受け、時間をかせぎ態勢を整えるクレバーさが欲しかった。だが、誰の目にもそれさえ許されないほどの状況に追い込まれていたのだ。
トレーナーの咄嗟の判断は、正しかったかどうか分かりませんが、間違っていないと思う。
それにしても、あまりにも「無対策」、「無防備」だった。