これは「梱包ひも」であると、ていねいに用途までわかる品名が書いてある。
人間のひもは見分け難いが、こういう材料のひもは見ればすぐわかる。
むかしはわざわざ書いてなかった。
ひもは梱包以外にもあらゆるところで役に立つから、梱包ひもと名づけるのはどうかなどと言うつもりはないが、ああそう呼ぶのだったかと、初めて知ったような気になるのがおかしい。
いまは、商品として店に並べて売るために、品名をはっきり書かなければならないことになっているのか、それとも流通過程のどこかの関所で、品名を名乗らないと通れないところがあるのか、とにかく名前がついている。
品名というものは、見たことのないような品物に出会ったとき、何ものなのかを知るには、書かれていると助かる。
それ以外にどう必要なのか、考えていたら思い当たった。
仕入れから販売までの数量管理や取引上必要なのだった。
心配することはない、買う者にはどうでもよいことだったのだ。