世の中のことが行き詰ったとき、誰からも苦情の出ない解決策は見つからない。
そこで昔の人は多数決という一種の愚策を考え出したが、多数決に頼っていると、たいがいのことは、ぐずぐずとよくないほうにずれ込んでいく。
ものごとの本質的な解決には、何か従来の方法を変える行動が必要であり、多くの人は従来のままでいることを望むからである。
多数決は、後に諦めがつくという効果はあっても、正しかったと思われる策の選ばれる幸運にめぐり合える機会は少ないものである。
ものごとの打開には独裁が必要である。
しかし、独裁に拡大や重複を許してはならない。
期限付き独裁制というのはどうだろうか。
力量を備えた適格者に、指定期限中は意のままに思い切り仕事をさせる制度である。
ただし、監視と記録付きで。
世界の独裁者 (幻冬舎新書) | |
六辻 彰二 | |
幻冬舎 |