・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

高いところが怖くない

2012年11月04日 | つぶやきの壺焼

高いところにまったく恐怖を感じない人がいる。
高所不感症と言ってしまっては適切を欠くと思うが、高いところにいるということを感じないのだろう。

高いところが怖いのは、落ちたら怖いと思うからで、落ちることがまったく頭に浮かばず、考えもしなければ怖さはなくなる。

高いところで芸を見せるのに、命綱や安全ネットを使わない人は、落ちたときのためにという備えが怖さを呼ぶから嫌うのだろう。

備えがときに憂いを呼び起こす。

その心理を逆用されることがある。
巨大施設で経済性を追求するには、怖さを思い浮かべさせないことに万全の工夫をすればよい。
際限のない安全性の向上より、はるかに合理的ということになる。

防波堤を10メートル高くするよりも、海は怖くないと思うほうが人間らしい。
非常用電源装置を多重化分散配置するよりも、電気は止まらないと思うほうが文化的生活感にひたれる。

安全神話とは、安全を信仰させるためではなく、危険を思い浮かべさせない心行処滅の佛義であったか。

 

高所トレーニングの科学 (運動生理学シリーズ (6))
浅野 勝己,小林 寛道
杏林書院
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする