何か言われたときに、返事のない選手には、きびしく答を求めるスポーツの監督がいます。
返事、返答、受け答え、こういう当たり前のことをしない習慣が、現代人についてしまったからです。
ラジオ、テレビに、パソコン、スマホ、それもイヤホンで集中どっぷり、となっては返事どころではありません。
おしゃべりの人も、返事はしません。おしゃべりどおしが寄れば、口は動きますが会話ではなく、自分のしゃべりたいことだけを言い合うだけで、やりとりにさえなっていません。
要人と呼ばれる人が、時がら場所がらを忘れて、とんでもない発言をしてしまうのも、返事をしない習慣がそうさせてしまうのでしょう。
「席に臨んで間髪を入れず」と座談の名手への褒め言葉もありますが、肝心なのは出てくる言葉、用意されてなかった、メモも原稿もない発言に、どうしても人となりが顕れるようです。