学ぶことは、訓練とは別のことです。
知るだけで身にはつきません。
退避演習だけでは、火を見たら、はじめから逃げ出してしまうことしか覚えないでしょう。
消火隊のホースさばきを遠くから眺めている、そんなのは防火訓練にはならないのです。
放火癖をもつ人の多いN町では、いつなんどき尻に火がつくかわかりません。
煙を見つければすぐ消せる消火の達人は、そんなとき、いいから、やっておくから、まあ見ていてくださいと言うでしょう。
心得や技を渡したくない、伝えたくないのではなく、啐啄の機をとらえる面倒を嫌うのかもしれません。
やらずにすむなら任せておこう、若い先生は、つい楽チン街道を選びます。
楽をさせておく、苦労をさせない、その好い気分が、議事堂の小児人口比率を右肩上がりにしていくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。