斜めのことを「はすかい」という表現は、西のほうに多いようです。
交わっていない斜めの状態も、はすかいで通じます。
斜めはどこかで何かに交わるので、そこが直接見えなくてもよいからでしょうか。
はすかいをうまく組み合わせると、強固な構造物が出来上がります。
斜材の耐力が有効に働く「けた構え」「軒持ち送り」などとも呼ばれるトラス構造です。
同じ発音の「謝罪」、その場面がニュースや新聞紙上にときどき現れます。
謝ることが好きなはずはなく、いやなことに耐えるところが人の心を打つだろうという陰性の打算の働きを、そこに見ることもあります。
並んで上体を斜めに倒しているところを見ると、力をうまく分散させ支えあっているようなトラス構造、あるいは崩れかかったところを取りあえず支えておく筋交いと、何か通ずるものがありそうな、奇妙なおかしさを感じます。
国内なら通ずるこの謝罪行動を、うっかり底意のある国に向かってしてしまうと、それが何十年も後まで、責めたての材料に使われることもあります。
過去の苦い経験を、紳士気取りで棚上げにしておいても、その謝罪内容が事実をとらえていなかったはすかいの考えであったことを改めない限り、支えられることはありません。