コンピューターは、あいまいな依頼には応答しません。
人間は、あいまいな依頼でも、依頼者の希望を忖度して対応します。
コンピューターに脳のような働きがあるとすれば、それはデジタル脳を持っていることになります。
人間の忖度は、アナログ脳による、たいそう便利な働きです。
デジタル脳の多少とげとげしい几帳面な働きよりも、アナログ脳のときには緩く見られる融通無碍な働きは、人の心を和らげます。
脳の働きは、人種、個性によって異なるもので、アナログかデジタルか一方のみということはありえません。
どちらの傾向が優れているとも言えません。
脳の働きは、優劣よりも適否、その適否も固定的なものではなく、時と場合に合わせられるかどうかで値打ちが変わります。
面従腹背が座右の銘だとうそぶいた人もいますが、その人は時と場合を強調したかったのでしょうか。