そこが知れない内の、挙動は慎むべきだ。
そこの見え透いた嘘をつくということは、たかがしれているということだ。
容量あるもの、形あるものに限らず、間違いなく基底部なるものがある。
底を垣間見たものだけが、理解できるうわっつらもある。
そういうことだろ。
抽象的なものながら、理にかなった形をしているのが、そこ だ。
麦茶の入った、やかんの底をなめてはいけない。
そここそが、麦茶の入ったやかんのそこなのだ。
ただし。
やかんを見るたびに底をみようとよだれを出すような、パブロフの犬になってもいけない。
中には、美しき魔物が住んでいる。
汚してはいけないものもある。
底の知れない不安にとりつかれる恐れがあるのだ。
どこにいようが、そこここに、そこのところが、気になるのは人情ではあるものの。
何処が面白いの?
そこ のところよ。