うららか薫る耀花のなかを舞い移るは、黒揚羽。
が。しかし、この揚羽蝶、左の後翅に欠落が見られる。
その形状から見て、鳥か何かに襲われたのであろう。
所謂ハンデキャップを文字通り背負っている。
蝶の類は、翅で音を聞くとも聞いておるので、さぞ苦労もあろうな。
が。しかし、この黒揚羽、文字通り蝶のように飛び回っている。
何かのハンデを背負うに任せざるを得ないことは、誰にでも起き得ることであります。
大事なことは、そのハンデの克服の仕方でございましょう。
挑戦する使命を帯びた人々。その人たちをチャレンジドと形容するようでございます。
よい表現です。
この蝶も、後翅の欠落を補って余りある、何かを獲得しているのでしょう。
人生意を得らば、すべからく信をつくすべし。
完全なものから学ぶよりも、不完全なものからこそ、学ぶべきは多いようでございます。