豚は人の指図を受けるのが余り得意ではないという。
そうなるには頭が良すぎるらしい。
だから同じことを繰り返す退屈な作業を快く感じない。
好奇心旺盛で、クリエイティブな生き物のようだ。
人も思春期にもなると、親や大人の指図に極端な反発をみせる時期がある。
そしてそれは、成長するにしたがって影を潜めるが、それは人に指図されるのを受け入れたからではなく、人への理解と共に「安定的な無視」ができる自我を獲得したからだ。
そうだとすれば、大人はもっと指図では変えられない。
変わってもらうしかない。
変えようとすればまず抵抗にあう。
なぜならそれはその個人の主権の放棄を意味するからだといえる。
豚は、家畜化される為の条件を完璧に満たしている動物だといわれる。
しかし、一旦野に放たれると、素晴らしく速いスピードで野生化し環境適合を行うようだ。
一見主権の放棄を行っているようだが、もしかすると人との共存によって野生の危険を回避しながら、いつか来る「指図する側」に思いをはせているのかもしれない。
おい、豚。
そう。そこの君。
おまえもしかして、わしより賢いやろ。