植物の幸福は光にある。
人の生命の幸福は愛にある。
だから、何によっても覆われていない植物が、どっちの方に伸びるべきかだの、光はいいものだろうかだの、もっとよい別の光を待つべきではなかろうかだのと訊ねることなく(訊ねるはずもないが)、世界にある唯一の光を選んで、ぐんぐんその方向に伸びてく。・・・この愛よりもっと立派な愛がありはしないかだのと詮索することなく、自分に可能な目の前の愛に自分自身を、自分の生存を委ねるのである。このような愛だけが、人間の理性的な本性に完全な満足を与えるのである。-トルストイ-
僕のよく行くバーには、こういう言葉が掲げられている。
[酒は人類にとっては偉大なる敵である。しかし聖書にはこうも書かれている、「汝(なんじ)敵を愛せよ」]と。
生命とはなんでろうか。幸福とはなんであろうか。果たして愛とはどのようなものをさすのであろうか。
幸福は植物にとっての光にある。
身を焼き尽くすかもしれない光にある。