整備士になってから長いですが、判断基準としてメーカーの規定値があり、規定値でも幅がある場合は、経験上から判断する場合も多いです。最近は、テスターの種類も増え、安いものも出てきましたので、時々、試しに買っています。測定機器について、精度については価格と比例するので厳密な精度を必要とする場合は、高い機器が必要になります。工具については趣味でもあるので、色々買いますが、外れもあります。
コンディションレベルチェックパックでお預かりです。外装を外して点検から始めます。
フロントフォークオイルの交換時期は不明です。エア圧は、左側0.5、右側0.4でしたので、両側0.4に調整しました。
フロントフォークは、現時点でオイル漏れは無いですが、若干クリップの錆はあります。
前後空気圧は、規定値に調整しました。フロントタイヤは、今年後半に交換されたようですが、リアタイヤは、製造後6年経過しているので、交換した方が良いです。
前後キャリパーは要清掃です。フロント左側は、パッドの組付けを修正しました。右側は、ローターも含めて油分が付着していたので、油分除去を行いました。ただ、パッドは、表面を削ったので、当たりが出ていません。
ガソリンタンクのブリーザーパイプが外れて、エキパイに接触していたので、所定の位置に戻しました。
リアバンクのプラグコードが抜けて腐食していたので、修正しました。プレート前側のグロメットも無いです。スパークプラグは、純正のNGK製DPR8EA-9でしたが、今回、NGK製JR8Cに交換しました。
パイロットスクリュー部の圧入栓が入ったままだったので、抜いてゴムキャップにしました。エアクリーナーは純正ですが、要交換です。
キャブレターを分解した形跡があり、ブリーザーホースが抜けていたので修正しました。
ダイヤフラムは、4個とも回転していたので、要交換です。ガソリンタンクの錆は、給油口付近のみでした。ただ、キャブレターの詰りがあったので、3番キャブレターを清掃、他の3個は、点検及び調整しました。
ラジエター下のパイプからクーラント漏れがあったので、とりあえずバンドの増し締めを行いましたが、また、漏れるようだとパイプ交換が必要です。クーラントは、エンジンオイル混入は無さそうでしたが、漏れていたので、補充しました。
リアショックは、現時点でオイル漏れは無いですが、バンプラバーが両側破損です。
今回、目安にフルードテスターを使用してみました。一応フルードの種類はDOT4に設定しました。最初に新品フルード測ってみましたが、水分は0%でした。水は、測定範囲外になるのでテスターは反応しているようです。写真の状態のフルードの場合、水分量3%と表示されています。今回からテスターを使ってみたのは、リザーブタンクが色付きだったり、色付きフルードだと判断しにくいこともあります。
フロントブレーキフルードです。水分表示だと1%ですが、そこに溜まっている部分(変色)で測ると2%でした。
リアブレーキフルードです。水分表示だと1%ですが、そこに溜まっている部分(変色)で測ると2%でした。
エンジン始動前と始動後の油面です。オイルの色は新しそうでしたが、番手が柔らかいのか、エンジン音は、大きめでした。
バッテリーは、電圧及び容量とも平気そうでした。
エンジン始動前と始動後の電圧です。充電系は平気そうです。
今回交換した部品類です。キャブレターの状況が良くなかったので、修正してからプラグを交換し、調整と同調を行いました。車体増し締めの段階で、規定外のボルトがあったので、純正に戻してから、増し締め作業を行いました。
最終チェックと試乗です。コンディションレベルチェックパックの結果については、色々あったので、納車時にオーナーに説明の上、納車になりました。
2022.12.04 作業担当 ヤダ(矢田)