この略語はOnline Merges with OfflineあるいはOnline Merges Offlineに対応します。オンラインとオフラインの境界にこだわらず、UX(顧客体験)に重きを置いて消費者のあらゆる行動をデータとして集約し、UXを向上するためのマーケティング施策、といった説明がされています。
似たような概念に、O2O(Online to Offline)やオムニチャネル(Omni-channel)がありますが、それらよりも先へ進んだ概念を指しているようです。O2Oやオムニチャネルが、onlineとofflineを分けて考えた上で、顧客の購買行動を促すためにチャネル連携を図るようにした企業側目線での戦略であるのに対し、OMOはデジタルデータを起点にして、onlineとofflineを融合する施策のようです。購買行動だけでなく顧客のあらゆる体験(UX)を軸に据えた戦略となっている点が特徴のようです。
この概念を提唱した人は、Google Chinaの元CEOである李開復氏(Kai-Fu Lee、注:SINOVATION VENTURESを創業)で、2017年12月にイギリスの週刊新聞"The Economist"に掲載されたのがきっかけで広く知られるようになったようです。Facebookの”The Economist”というアカウントの2017.11.27号に、"Offline and online data can be combined, providing accurate customer recommendations"という投稿も掲載されています。下記サイト。
https://www.facebook.com/TheEconomist/posts/offline-and-online-data-can-be-combined-providing-accurate-customer-recommendati/10156057010999060/
中国ではofflineの生活にデジタル(online)が浸透しているため、両者が一体となったOMO施策が世界でもっとも盛んに行われているようです。
また、米アマゾン、米b8ta、日本のパルコなどの取り組みも知られています。
関連サイト”Kai-Fu Lee on the merging of online and offline worlds”(2017.11.30)は以下です。
https://kaifulee.medium.com/kai-fu-lee-on-the-merging-of-online-and-offline-worlds-a590efd37d75
OMOが生まれた背景を紹介するサイト(2019.1.8)は、https://www.bebit.co.jp/?blog=world-xd_07です。
また、Kai-Fu Lee氏のAIに関するレクチャー(TED)”How AI can save our humanity”の動画は、以下です。
https://www.youtube.com/watch?v=ajGgd9Ld-Wc&t=15s