俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

春雨

2025-03-05 | 俳句・春・天文

 

 

止むはずがやまぬ春雨散策す

 

 

 

 

 

 

春に降るしっとりとした趣のある雨をいう。

 

 

 

 

 

 

『三冊子』は陰暦の正月、二月初めの雨を「春の雨」とし、二月末から三月に小止みなく降り続く雨を「春雨」として区別している。

だが、現代ではそこまで厳密には分けられていないようである。

 

 

 

 

 

 

雨はもともと暗いものであるが、「春雨」「春の雨」には「春」という季節特有の華やぎが感じられる。

 

 

 

 

 

 

天気予報ではもうじき雨が止んで曇りになるはずであった。

そこで散策に出たのであるが、なかなか止まず細かい雨に変わっただけであった。

 

 

 

 

 

畑土の黒々として春の雨

 

 

 

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春の雪

2025-03-03 | 俳句・春・天文

 

 

喜ぶを慎みゐたり春の雪

 

 

 

 

 

 

春になってから降る雪のことをいう。

 

 

 

 

 

 

太平洋岸の関東以西では、春先になってから思わぬ雪が降ることが多い。

 

 

 

 

 

 

冬の雪と違って解けやすく、多少積もってもすぐに消えてゆく。

 

 

 

 

 

 

冬には降らず、春になって初めて雪らしい雪が降った。

春の雪を喜びたかったが、豪雪地帯の苦しみを思うとそうもいかなかった。

 

 

 

 

 

春雪の畑に鴉や茫として

 

 

 

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春の入日

2025-02-18 | 俳句・春・天文

 

 

一万歩超しゐて春の入日かな

 

 

 

 

 

 

春の日はうららかな明るい太陽、その入日をいう。

 

 

 

 

 

 

二月は春といっても依然として寒さが厳しく、日本海側や北日本では豪雪となることもある。

太平洋側では晴れることが多いが、春の日らしくなるのは三月に入ってからであろう。

 

 

 

 

 

 

春の入日には春の一日への愛惜の気持ちがある。

 

 

 

 

 

 

散策で二時間近く歩き、一万歩を超した頃、春の入日となった。

 

 

 

 

 

春入日坂の上より山見えて

 

 

 

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朧月

2025-02-12 | 俳句・春・天文

 

 

気がつけば真夜となりけり朧月

 

 

 

 

 

 

朧に霞んだ春の月をいう。

ヴェールのような薄雲が広がる夜には、月は雲を通して朧に見え、暈がかかることも多い。

宵には春満月が綺麗に見えていたが、後で写真を撮ろうと思ってすっかり忘れてしまった。

真夜中に気づいて見上げたら、薄雲があっという間に広がり、朧月になってしまった。

 

 

 

 

 

ファックスは訃報なりしよ月おぼろ

 

 

 

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春の日

2025-02-11 | 俳句・春・天文

 

 

春の日や農家に隣る霊園も

 

 

 

 

 

 

「春の日」には春の太陽をさす場合と、春の一日をいう場合とがある。

 

 

 

 

 

 

俳句で「春の日」と詠むと、そのどちらか明確でない場合があるが、春の日差しは明るくうららかであり、春の一日は永くのどかなものとして詠まれているようである。

 

 

 

 

 

 

「春日影」は春の日差しをいう。

 

 

 

 

 

 

農家の隣に霊園があった。

その園霊園にも春の日が遍く差していた。

 

 

 

 

 

明日も生きむ春の夕日に向ひゐて

 

 

 

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