毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「日本への憧れ」      2011年12月2日(金) No.231

2011-12-02 08:58:58 | 中国事情

 驚いたことに、江西財経大学日本語学科に在籍する多くの学生は、日本に一度は行ってみたいと思っている。
 なぜそんなに驚くのかというと、日本語学科在籍の学生のうち、ここを第一希望として入学した子は3分の1かそれ以下に過ぎないからだ。入学試験の点数が及ばず、第一希望の金融とか国際貿易とか会計などから落ちこぼれてきた子たちが多い。
 にもかかわらず、ほぼ全員が日本を訪れる希望を抱いている。これは、日本語学科の老師たちの尽力が奏功していると、私は日頃から感じている。日本語学科でネイティヴは私だけ、あとの4人は全員日本に留学したか、日本で働いたことのある経験を持つ中国人だ。

 私の係(助教)の新平老師は、岡山市との交流職員として2年間岡山に住んでいた人だが、彼は、
「日本に行ったら、もう中国に帰りたくなくなりますよ。」
とまで言っていると学生たちから聞いた。食べ物の美味しいこと、水道の水が煮沸しなくてもそのまま飲めること、春はみんなで桜の下で宴会をして飲めや歌えやと楽しむこと、街並みが美しく、みんな交通ルールを守って暮らしていることe.t.c.…、聞いていて私の方が
「いや~、それほどでも~。」
とクレヨンしんちゃん声になるくらいだ。それらの情報は、ほとんどが授業で仕入れたものだそうだ。この大学の日本語学科老師たちは、声高に「中日友好」を訴えるタイプではないが、みんな静かな実践者だと思う。
 山口百恵の「赤い疑惑」だかが好きで日本語を学び始めたという小紅先生は、授業で山口百恵主演の「伊豆の踊子」を見せるという力に入れようだ。彼女はまた、岐阜県の高校で中国語教師をしていた頃を振り返り、
「日本人は手作りの贈り物を一番喜びます。自作の野菜をプレゼントしたら受け取る側も『あら、珍しい』とニコニコするのです。この光景は、本当に衝撃的でした。」
と、学生に語ったそうだ。江西省で自分の畑で採れた野菜を人にあげたところで、誰が喜ぶであろう、否、喜ばない、ということなのだ。値段の張るものが素晴らしい贈り物であり、お土産は高価な場合、値段を付けたままプレゼントすることが大切なのだそうだ。
 中央大学に留学した経験のある熊老師、高老師も、よく日本の穏やかな生活や美しい風景の映像を授業で取り上げると聞いている。
 このような老師たちが摺り込む日本宣伝によって、学生たちはいやが上にも日本に関心を持たざるを得ないのである。ちなみに私は、彼らの10分の1も日本を褒めたりしていない。自画自賛や身びいきは私のセンスには合わない。これ、ちょっと「葉隠」的かも。

 来年は日中(中日)友好40周年にあたる。日本に住む日本人の排外的傾向がヒシヒシとこちらに伝わる今日この頃、大きな転換は期待しないが、自分のできる平和友好・平等互恵・長期安定・相互信頼(日中関係四原則←テスト問題)って何かなあと考え、それを実際にやるしかない。

コメント
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