「間違いを笑うな」と人は言う。しかし、私は間違いが可笑しくて腹を抱えて笑いたくなることがよくある。教師の身でありながら、そういうことではイカンのかも知らんが、何しろ子どもの頃から級友の間違いが可笑しくてたまらない。このクセは何歳になってもなかなか変更できない。
今でも忘れられないのがいくつかある。
一つ目は、中学一年の地理で地元北海道東岸の海の名前を問われたとき、級友の可愛い女の子が
「オホークツ海です。」
と答えたこと。その時私の頭には、イタリア的長靴形になったオホーツク海がホワンホワンと浮かんだ。
二つ目は小学校の教師になってから、4年生のクラスで「奇跡の人」を音読させていたとき。ユウキという子が『アン=マンスフィールド=サリバン』という名前がすらすら読めず、途中で何回も「あんまん、あんまん、すふぃーるど」とつまずくのだ。その時、すかさず誰かが
「ユウキ、お前食いしん坊やな。」
と突っ込んだので、教室中大爆笑になった。ユウキはほっぺをプウと膨らませて
「笑うな!」
と怒鳴った。
我が息子が漬け物屋さんのことを「おけつもんやさん」と言ったことは以前書いたが、これもまだ後50回は語らなければならないだろう。
先日私は資料室の本棚で、次のような詩を見つけた。
『教室は間違うところだ』 蒔田晋治
教室は間違うところだ。
みんなどしどし手を挙げて
間違った意見を言おうじゃないか。
間違うことを恐れちゃいけない。
間違うことを笑っちゃいけない。
安心して手を挙げろ、安心して間違えや。
間違ったって誰かが直してくれるし、教えてくれる。
・・・・・・
そんな教室つくろうや。
みんなでしゃべってつくろうや。
主旨に楯突くわけでは決してないが、
「間違うことを笑っちゃいけない。」
の箇所は、
「間違うことを馬鹿にしちゃいけない。」ぐらいに直してもらいたいものだ。
間違いを笑うことは、それを言った人を馬鹿にしているわけではなく、その間違いそのものが醸し出すおもしろさというものがあって、それを感じて笑うのである。「言いまつがい」という本の中には、誰が言ったか問題じゃない絶妙な言い間違いがてんこ盛りで、それを読むとその日の憂鬱をかなり減らしてくれる効果がある。ネットの「ほぼ日刊イトイ新聞」にも毎日「言いまつがい」が更新されている。
ついでに今日の「ほぼ日」の「言いまつがい」から一つ転載する。
昔、小学校のテストで
「おしべからとんだ花粉が
めしべにつくことを何というでしょう」
という問題が出たときに
「ペタリ」
と書いてるひとがいた。
(コガ)