毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「UA(ううあ)で日曜日」    2011年12月11日(日) No.239

2011-12-11 20:54:36 | 中国事情
 日中は晴れてバルコニーからポカポカとお日様が部屋を暖めてくれた。バルコニーの極傍までテーブルを引き寄せ、「カタカナ語彙トレーニング」の○つけしながら、ひっさしぶりにUA(ううあ)の「うたううあ」を聞いた。

 あれは数年前(ちあきなおみか)、大阪の自宅で偶然に滅多につけないテレビをつけ、滅多に見ないNHK教育チャンネルをプッシュした時だった。ピーターパンがボロボロになっちゃったみたいな格好のUAが目に飛び込んできた。彼女は歌っていた。私はその時までUAなど全く知らなかったが、その声に心が動いた。というより、吸い込まれた。テレビの前で10分ぐらい呆然と立ち、彼女の歌う「うみ」「森のくまさん」「月の砂漠」などを聞いていたが、ハッとして残りをビデオに収めた。

 意志の強い眉をした彼女は、独特のハスキーな声で、全力で童謡を歌っていた。「マーチったらチッタカター」とか歌っても、どんなにキュートな子ども歌でもベースに人生の悲しみや重みが加わるのが彼女の声だ。そして、一つ一つの歌が宇宙の真実っぽく聞こえてくる。
例えばUAが、
 うみは ひろいな  おおきいな
 つきが のぼるし  ひがしずむ

 うみは おおなみ  あおいうみ
 ゆれて どこまで  つづくやら

 うみに おふねを  うかばせて
 いって みたいな  よそのくに

と歌う。児童合唱団の子どものキンキン声でなく、テノールのテカテカしたおじさん声でもなく、UAの全身全霊傾けた声で聴くと、この歌の海が一気に茫洋且つ深く暗いものとして浮かび上がってくる。「いってみたいな よそのくに」と歌うこの人は今どこにいるんだろうと立ち位置を想像し、異郷への想いも膨らむ。そこは桃源郷か自由の地か…。

 このCD「うたううあ」には「マーチングマーチ」「てんさぐぬ花」「「りんごのひとりごと」「月の砂漠」「シャローム」など私のお気に入りが目白押しだ。「シャローム」はイスラエル民謡だからといって不買運動ならぬ「不歌運動」するのはダメだよね。(誰かそんなことしないかと、ちょっと心配になって…
日本語の作詞は井田誠一という人だ。この人はどんな人なんだろう。この世でもう会えなくても、きっとまた…って、そんな気がする切ない詩だ。UAの歌声とともに、もう会うことのできない人たちが私の心に来てくれる。

 どこかでまたいつか あえるさ
 またあおう またあおう どこかで

 きれいなおもいで だきしめ
 またあおう またあおう どこかで

 みどりのほしふたつ よりそう
 はなれても はなれても よりそう
コメント
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