「日本語学科の老師たち」 2012年5月3日（木）No.341

　作文のテーマ「中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか」が、
中国の若者たちのプライドを逆撫でし、
サザナミが立っている日本語学科の２，３年クラスだが、
老師たちの反応はどうなのか。

直接ではないが、
信頼のおける消息筋（つまり学生）から聞いた話、
授業中に一人だけ
「大声で喋って何が悪い！」と中国人魂をあらわにした先生がいたとのこと。

しかし、ほかの先生たちの中には、
今そこまで言ったらアンタの立場が・・・と心配になるほど
「日本は空気もいい、水も美味しい、人々は親切。
礼儀正しいし、街は綺麗だ。
日本で暮らして、中国に戻ってきたら、がっかりした」
などと発言し、学生たちに陰でブツブツ言われている先生もいるらしい。
確かに岡山で仕事をされた経験のあるその先生は、以前も、
「日本に行ったら、中国に戻りたくなくなりますよ」
と何かの場面で学生に話していたのを私自身、聞いたことがある。
いつものんびりおっとりと話をされる人で、
多くの中国人が自国民族を自慢するとき言う「豪胆さ」とはイメージが異なる人だ。
でも、日本語の実力もなんてったってこの大学随一。
私が想像するに
多くの学校の日本語学科には、こうした知日派、親日派の先生が少なくとも一人はいるんじゃないか。
自分が学ぶだけではなく、学生に日本についてのあれこれを教えるジャパノロジストとして
彼ら、彼女らの果たしている中日友好への貢献は小さからぬものがある。

もう一人、中央大学に留学の経験があるY先生は、
資料室にたくさんの書物を寄贈していらっしゃる。
その中には、学生に人気の高い村上春樹の「ノルウェイの森」だけでなく、
柏楊さんのあの有名な「みるにるくるいる中国人」（´る´を取って読んでね。またブログを封鎖されたくないので）
がある。
残念ながら、本のタイトルを見たほとんどの学生が嫌悪感を表す。
そして読まない。
こういう態度、ダメだなあ。

宿舎のネットでこの柏楊さんの本を検索したら、カットされる。
心狭いな～。