毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「人生を聞く・語る」  2012年7月25日(水) No.401

2012-07-25 23:14:11 | 中国帰国者
誰かの人生をじっくり聞く。
振り返ってみると、そんなことをあまりしていない。
「徹子の部屋」が面白いのは黒柳さんの話しぶりだけではなく、
むしろ、黒柳さんによって巧みに聞き出されたゲストの人生なのかな。

「徹子の部屋」は遠いテレビの向こうのことだけど、
身近にいる一人ひとりの人生だって、
とても波乱万丈で、
とても魅力に溢れていて、
とても共感できる。
よく今まで生き続けて来られたなあと、感嘆する。
有名でもなんでもない一人の人生も、そんな内容に満ちている。

人が人に生身の声で伝えることの力は
パソコンなんか太刀打ちできない、
というかパソコンには最初からできない。
パソコンには命がインプットされていないからだ。


おばあちゃんやおじいちゃんの話を
孫たちは耳にタコができるくらいきけたらいいのに。
お父さんお母さんの話をも
子どもたちは目を輝かせて聞けたらいいのに。

「時代が違うよ」
「ふる~!」
と言う人は、流行りでも追いかけているんだろうか。
聴く力(=想像力)の衰退だ。

今日は、西井澄さんの傍で、
西井澄さんの生の声で語られる人生話を聞きながら、
小さい西井さんの胸に
頭をスリスリしたくなって困った。
西井さんの話はいつも、
「生き続けられるだけ生きる」という言葉で締めくくられる。

「海辺のカフカ」でナカタさんは死に続けた。
私たちは、とりあえず、生き続けている。
コメント
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