毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「一人の4年生」No.1503

2015-11-08 15:13:24 | 中国事情

今日の菏澤市の天気

大気の汚れ具合 87(良) 気温4℃~10℃(曇り)

 

先週水曜日、お昼休みのキャンパスを飛び回る数羽の鳥がいました。

けっこうピーピーと声高に鳴いていましたが、何という鳥なんでしょうね。

雀より大きく(カケスくらい)、尾が長いのが特徴です。

 

4年生の大学院進学組は今、必死です。

江西財経大学の経験と照らし合わせると、

どうものんびりしているように見えるんですが、

当人たちは、かなり緊迫感が増してきたと語っています。


メールで作文添削を依頼してくる子もいます。

12月の大学院入試一次試験科目には作文もあるからです。

その4年生の中に、王康さんがいます。

たいへんな早口で、時々何を言っているのか理解できません。

彼が言うには、中国語も同様で、

友人は三回聞き直してようやくわかってくれるとのこと。

それで通訳になりたいというのですから、前途多難です。

ま、とにかく一次試験(筆記試験)に合格することが先決です。

その彼がQQメールに書いてくるニックネームが、

「返される気持ち」という変な名前(^_^;)。

昨日、メールで王さんに意味を聞いてみると、今日、その返事がきました。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

先生

実は、3年前、意地でも日本に留学して洋行帰りになりたかったです。
そういう気持ちをQQの名前にして自分を励ましたかったです。
あのとき、日本語がぜんぜんできませんので、百度で調べた結果でした。
そういうことでございます。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
 註)「百度」とは中国のポータルサイト。QQとは中国独自のSNS。
 
単に「外国帰り」のつもりが、間違って「洋行帰り」と書いたのか、
 
それとも、昔、西洋に憧れていた日本人が、
 
「おお、洋行帰りかい。大したもんだ」

という意味で使っていたのと同じ気持ちなのでしょうか。
 
「中国はGDP世界第二位でしょう。押しも押されもしない地位じゃないですか」
 
と私が言っても、ここの4年生たちは首を縦に振りません。
 
菏澤は『山東省のチベット』ですので、

富が集中している都市部の人々とは全く意識が異なります。

 
王さんの故郷の近く(同じ山東省)には石油が地上に溢れ出るところがあり、
 
以前は現場責任者が帰った後、夜中に、
 
地域の人たちがワラワラと石油を盗りに行ったそうです。
 
しかし、近年、規則が厳しくなり、

王さんの近所の働き盛りの男性が逮捕されて牢獄に入れられ、

出てくるのは何十年も先だとのこと。
 
「一家の働き手がいなくなり、その家族は困窮を極めています。」と
 
王さんは、同情を込めて語っていました。
 
日本社会で一般に考えられる「留学」とは、

やはり、かなり意味が違うのだろうか、と
 
そんな話を想起しながら、「洋行帰り」であれこれ想像しています。
 
王康さんは、
 
「昔に比べて私たちは恵まれています。大学にも進学できます。
 
自分で自分の人生を切り開くことができる時代です。」
 
と言うのです。
 
彼が一年の時以来、ずっと朝7時から教室で自習していた事実とも重なり、

胸を打つ言葉です。

 

⇓鳥を撮ったついでに、見ず知らずの仲良し二人組もカメラに収めました。
「この大学のいい所は何ですか」と模擬面接で質問したら、
「カップルが多いことです」
と答えた人がいましたが……。(-_-;)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コメント
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