4年前、確か朝日新聞に載った菅総理大臣への福島の子どもの手紙です。
『いつになったら放射能はなくなりますか。
僕は大人になれますか。』
と書いた龍起君は、今、もう中学生になっているでしょう。
この手紙を2年生の「日本国家概況」、3年の「日本語作文」で紹介しました。
3年生のクラスでは、
「この手紙を書いた佐藤龍起君に手紙を書いてください」と宿題を出しました。
授業で他に紹介したのは、
現在の福島の写真(ポーランドのジャーナリストが撮影したもの)です。
人類が経験したことのない最悪の原発事故であると伝えると、
学生たちの中から、
「知らなかった……。」
という呟きが漏れました。
佐藤龍起君には届かないでしょうが、
多くの学生たちの手紙文には、
龍起君を力づけたい気持ちが溢れていました。
今日はその中の一つの手紙を紹介します。
――――――――――――――――――――――
佐藤龍起さん
拝啓 福島の事故からもう、4年経ちました。
佐藤さんはお元気ですか。私はとても元気にしています。
4年前の時、佐藤さんは日本のサッカー代表になりたかったですね。
しかし、福島の事故の後では、あまりよくサッカーの練習ができないので、
どんなに残念だったでしょう。
中国では、放射能の大事故は起きていませんが、毎年のスモッグが酷くて困っています。
スモッグの天気に出会うたびに、私たちの日常生活は多大な影響を受けます。
自然界は人間が自然を破壊して、急に発展したことが嫌です。
これは矛盾です。
どういう自然が回復できるのか、人間はどうすれば自然とともに順調に発展できるのか、
大切に、じっくり検討する必要があるでしょう。
人間は弱い、脆弱な生き物だと思います。
自然を尊敬し、自然界に畏敬の念を持って、謙遜した生活をした方がいいと思われます。
佐藤さん、ただ私たちは一緒に今の環境を変えて、
理想は必ず実現することを信じ、
一緒にに頑張りましょう。
敬具
範郁敏
―――――――――――――――――――――――――
範さんは、一番後ろの席で、とてもひっそりと過ごしています。
ときたま、下を向いて携帯をいじっていたり、小さい鏡で髪の毛を直していたりして、
「今、そういうことするときですか。」
と、私に注意され、顔を赤らめる子です。
そして、お祖母ちゃんに小学校に上がるまで育てられ、
毎日のキャンパスの掃除を、身体が最も元気な時期を過ぎた年配の人たちにまかせ、
ピンピンしている学生たちは、ゴミをゴミ箱の中でなく、周辺に散乱させていることに
憤りを覚える子です。