昨日、初音ミク(バーチャル・アイドル)効果で日本語が堪能な、
1年生の韋彤さんの写真を載せました。
今日は、その韋さんが自分の故郷の家のことを書いた作文を紹介します。
この作文は、お馴染み「みんなの日本語・初級Ⅰ」(スリーエーネットワーク)に
「私のうち」という短文があったので、
それを参考に自分のうちについて書く宿題を出したものです。
1年生で教わる文型は限られており、この課の会話では、
「~の近く/側/前/後ろ/隣り に ~ があります」が主な学習文型です。
しかし、彼はミクちゃんの歌詞に教えてもらったのでしょう。
実に遥か先を独走しています。
文法ミスはたった5か所だけでした(下は既に修正済み)。
韋さんは、中一で初音ミクに出会い、
高校に入ってから自学自習で日本語を学び始めたそうです。
余りに夢中なので、親戚の伯父さんが
「そんなに好きなら、初音ミクと結婚しろ!」
と言ったとか……。
↓これが初音ミクさんです。髪型はツイン・テールと言うんだそうです。
―――「わたしのうち」 韋彤
私のうちは広西チワン族自治区の南寧市にあります。
南寧市は広くて、賑やかです。しかし、私のうちは南寧市から120キロぐらいの
馬山県という小さい村にあります。
馬山県はその名前の通り、町の周囲は全部、果てしのないような山々です。
私のうちは坂の上の村の中にあります。
村は大きくないので、私のうちの前は家、横も隣の家です。
後ろは菜園がありますが、うちの菜園ではありません。
私の家の玄関は北向きです。
と言うのは、中国の一般的な家は南向きですが、
村の南の、ある山に大きい穴がありますので、村の家は全部北向きです。
その村を飲もうとするような穴を避けるためです。
父から聞きましたが、昔、ある人は村長と隣りの人の勧めを無視して、
自分の家を南向きにしてしまいました。
その後で、その人の家族と彼自身はそれぞれ不思議な事故で全員亡くなったらしいです。
村民はみんな、
「その穴に飲まれた」
と言っていました。
それは迷信ですが、やはり無視するより、信じる方がいいです。
世界には決して触れてはいけない秘密があふれています。
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韋彤さんのお父さんは忙しい医者で、韋彤さんは、
家から学校に通っていたそうですが、
毎日一人で留守番をしており(日本的には「鍵っ子」)、
中一のときお父さんが買ってくれたパソコンで、
たまたま初音さんと運命の出会いをしたんだそうです。
昨夏、上海で初音ミクのコンサートがあったのですが、
チケットは数秒で売り切れたそうです。
すごいですね。