父が亡くなって20年経ちます。
母も8年近く前に死んでしまいました。
私は両方とも、最期の別れを言えませんでした。
死んでしまってから、慌てて飛行機に乗り、実家の北海道に戻りましたが、
硬く冷たくなった死に顔にさようならを言うだけでした。
今は大阪どころか、もっと遠い山東省の、飛行場もなく、新幹線も通らないところにいます。
もう、誰がなくなっても、ここでお別れを言うしかないと覚悟を決めています。
母が逝ってから、
人が死ぬことについて諦めなければならないということを、
胸に大きくあいた空洞とともに何度も確認してきました。
今また、とても身近な人があの世から引っ張られて、ピンチでいるそうです。
どう言う訳かメールもエラーで帰ってきます。
あとは、(そばにいるよ、そばにいるよ)とオーラを送るしかありません。
ずっと、そばにいるよ、と。
死んだって、どおってことないさ。
いつだって、そばに感じているよ、と。