日本語には漢字語の同音異義語が多いので,漢字を廃止してしまうと区別がつかなくなる,とよく言われます。 その事情は韓国も同じ。ただ,音節数が日本語の10倍以上多い(子音=パッチムで終わる音節があるから)ので,同音の漢字は日本語よりは少ない。それでも,同音異義語はある。 今までも,シジャン(市場/市長),サグ(四球/死球),ソス(小数/素数)などの例を紹介したことがあります。ハングルで書かれても文脈 . . . 本文を読む
ソウル駐在時,一度行ったことのある,タイ式マッサージに行きました(→リンク)。前回は,あまりにハードでかえって筋肉痛になったので,足マッサージだけにすることに。 やはり看板に偽りで,今回もタイ人はおらず,朝鮮族のアジュンマ。なんで朝鮮族がタイマッサージなのか,いまいちよくわかりません。 でも,朝鮮族の人と直に話すのは初めてなので,面白かった。「延辺ですか?」「いえ,○○です(聞き取れない)」「い . . . 本文を読む
前回の韓国訪問時,辛氏火炉に予約をしながら行き着けなかった(→リンク)のがくやしかったので,今度こそと,同じ店を目指しました。 前と同じく日曜日ですから,明洞に2軒ある辛氏火炉のうち,開いているのは世宗ホテルの裏にある店だけ。今回は難なく見つけ,店に入りました。 旧正月の連休の最終日ということで,客はまばら。おしゃれな店内で,主人と店員一人が手持ち無沙汰にしていました。 ドゥンシム(牛)とサムギ . . . 本文を読む
日本列島に大雪が降った翌日,韓国出張でした。 朝方には雪はやみ,日も差しています。気温も高めで,雪もどんどん解けていく。 飛行機が飛ぶかなあ 電車が遅れるんじゃないかという心配は杞憂でした。 搭乗手続がちょっと遅れて,座席がほぼ埋まっている。いつもなら,前のほうの通路側をとるところだけれども,今回はかなり後ろの窓側でした。 ぼんやり飛行機の窓の外をみると,下界に雲はなく,列島全体が見事な雪景色。 . . . 本文を読む
日本人が日帝時代を評価するのも手前味噌なので,外国の研究者による評価をご紹介しましょう。「人口問題」でたびたび引用したフランスの研究者,J.プズー=マサビュオーは,日帝時代の全体的評価として,次のように書いています。「現代の朝鮮人の目に,日本植民地時代の悪い面が,伝統と独立に対する純然たる侵害として,非常に大きく映っているのであるが,一方,別の面においては,南北朝鮮の国家経済を(解放後)著しく飛 . . . 本文を読む
ここまでの内容を少し整理してみましょう。 日帝時代には「七奪」といわれるさまざまな「収奪」が行われたと,韓国では信じられている。 しかし,日帝時代に人口は「倍増」した。 それはなぜか。 近代医学の導入,伝染病の予防,公衆衛生の改善などにより,死亡率が低下した。 また食糧が増産されて,人口増加が可能になった。食糧増産は米を中心に行われた。米の増産は,農地開拓,二毛作の導入,灌漑設備,品種改良,害虫 . . . 本文を読む
日帝時代には記録に残るような大規模飢饉はなかった。でも,局地的には発生していたようです。『朝鮮を知る事典』「飢饉」の項より「朝鮮には春窮麦嶺という言葉があり、秋播麦の収穫前の端境期を乗り越える困難さをさす」「日本の植民地支配下では、近代インドにみられたような大量の餓死者の発生といった事態はなかったものの、地主制の確立や日本への米の大量輸出など、社会的要因による食糧不足は慢性化した。それはこの時期 . . . 本文を読む
ここで,教科書の記述に戻りましょう。「しかし日帝の米穀収奪は目標どおりに遂行され、この計画が中断された一九三三年でも、増産量をはるかに超過した量を収奪していったのである。そのためにわが農民の大多数は飢餓線上であえぎ、満州に新しい生存基盤を探し求めての流浪の旅に出るか、火田民に転落するほかはなかった。」 満州への移民の原因として,「土地調査事業」で土地を奪われた,「収奪」による飢えから新天地を求め . . . 本文を読む
一人当たりの米消費量の低下を補うものとして,粟以外に,マサビュオーはトウモロコシとジャガイモをあげていました。朝鮮時代に日本から朝鮮に渡り,救荒作物として定着したサツマイモもあったでしょう。サツマイモは韓国語でコグマ。「孝行芋」が語源という説もあります。 では,農作物以外の食糧はどうか。朝鮮は,日本と違って仏教の伝統が失われていたので,肉食に対するタブーがなかった。肉食は盛んだったのでしょうか。 . . . 本文を読む
人口問題の続きです。 マルサスの人口論によれば「人口は常に増加する傾向をもつが,人間の生存にとって不可欠な食料の増加はそれより緩慢であるため,人口増加につれて必然的に生活水準は低下し貧困に陥らざるをえない。生存するための最低限の水準に至ると,それを超えて人口が増え続けることはできない。すると貧困が疾病,飢餓,捨て子,嬰児殺し,堕胎,犯罪,あるいは戦争を招き,死亡率を高めて人口増加を無理やり押しと . . . 本文を読む
中国産の農薬入りギョーザがニュースを賑わわせています。 中国産食品に関するトラブルは韓中間でも多い。私が韓国にいたときも,定期的に起こっていました。 近いところでは,寄生虫の卵入りキムチ事件。 このときは結局,韓国産からも発見され,「日本が漁夫の利」を得たそうですが…(→リンク)。「殺人同然の鉛入りワタリガニ事件」というのもあった。ワタリガニの足に鉛を埋め込んで,重さを水増ししたんですね(→リン . . . 本文を読む
いくらおいしい本場の中華も,さすがに4日続くとげんなりする。最後の夜は,あっさり済ませるつもりでした。 ところが,ホテルに帰る道に,ちょっと変わった釜飯を出す店がある。とても大衆的な食堂です。どうも香港名物らしい。「ここにしましょう」 一人一品ずつ頼んで終わりにするつもりでしたが,メニューを見ると魅力的な食材がある。 まず,羊のもつ煮込み。「犬鍋さん,蛙がありますよ」と言われて,思わずそれも頼む . . . 本文を読む
中国製の毒入り餃子で日本中が騒然としているなか,このような記事を掲載し続けるのは抵抗があるのですが,すでに書きためていたこともあり,しばらくご容赦ください。 さて,三日目の夜,上海出身のスタッフの勧めで,上海料理に行きました。 ただ,ここは軽食の店なので,酒を置いていない。持ち込みは可ということで,中国のスタッフが買いに行きました。「何か珍しいものはありませんか?」 私の質問に,スタッフがメニュ . . . 本文を読む
三日目の昼は10人以上で円卓を囲み,ヤムチャ(飲茶)です。 例によってさまざまな種類の餃子,シュウマイの類が出ます。 最近,日本で人気があるのでしょうか,国語辞典にも採録されたショーロンポー(小籠包)。中の濃厚なスープが素晴らしかった。「さすが,本場のショーロンポーですね」と誉めると,周囲の中国人たちが顔を見合わせる。「おいしいですか? これ,普通ですよ」「でも,ソウルで食べたショーロンポーより . . . 本文を読む
二日目の夕飯は,とあるショッピングモールの中にある広東料理のお店。 オードブルとして出てきた肉料理はガチョウの舌でした。いきなり,生まれて初めて食べる食材です。 不用意に噛んだら,ガリッと音がした。舌なのに骨があるとは意外でした。 次に出てきたのは鶏の足(というか爪)。 足がそのまま茹でられて出てくる。この生々しい姿形は,鶏恐怖症の妻なら卒倒したことでしょう。 韓国でも「タッパル」(鶏足)を食べ . . . 本文を読む